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令和6年5月7日 参議院法務委員会 参考人に対する質疑 川合孝典議員

川合孝典議員
 
国民民主党新緑風会の川合孝典です。貴重なお話ありがとうございました。まず水野参考人からご質問させていただきたいと思います。あの法制審の中でどういったご議論されてきたのかということについて、今後の委員会審議に活かしていきたいと思いますので、ぜひご指導いただければと思うんですが、まず子の監護をすべき者、監護者について、今回の法改正で共同親権に仮になったとしても、監護者が別途指定出来るという建付けに今回の法律はなっておりますけれども、この子の監護すべきものの選定にあたっての具体的なその選定要件というものについて、審議会の中ではどういったものがイメージされて、この条文が書き込まれたのかということについてお伺いをしたいと思います。
 
水野参考人
 
ご質問ありがとうございます。ちょっとメモ取ってきたんですけれども、にわかにまた追加でもしお許しいただければ、議事録に加筆をさせていただきますけれども、監護者指定を必須とすべきではないかという点についてかなりつまり共同親権、そもそも父母双方を親権者とするときは監護者指定を必須とすべきではないかという事については、やはりちょっとかなり議論をした記憶がございます。ただ議員ご質問の、あの監護者の概念につきまして、申し訳御座いません。私にわかに記憶が呼び起こせずにおります。そして監護者指定を必須とすべきではないかという点につきましては、
父母の離婚後に子の身上監護をどのように分担するかっていうのは、それぞれの事情によってやはりいろんな場合があるだろうということで、離婚後の父母の一方を監護者と定めること必須としては相当ではないだろうという結論に至ったことは記憶してございます。
 
川合孝典議員
 
はい、突然の質問で大変失礼いたしました。監護者をどう選ぶのかという事について選定要件が曖昧であるということに対して不安の声が双方の当事者の方からやっぱり上がっているということでありますので、どういう基準に基づいて監護者を選定するのかということについては、やはり、今後ある程度明示的に示せるような形をとらなければいけないのではないのかというのが、私自身の問題意識としてございましたのでちょっと質問させていただきました。もう一点、これも水野参考人にご質問したいんですが今回776条の2でいわゆる祖父母がいわゆる親子交流の申し立て権が付与されるという事がございますが、この件に関しては慎重派の方々からしてみれば、余計な負担がかかる、当事者でない人が申し立てができるということについて不安の声が上がっております。そこで確認なんですが、今回のこの766条の2の親子交流についてどのようなケースを想定して、この766条の2が書き込まれたのかということについて確認をさせていただきたいと思います。
 
水野参考人
 
ご質問ありがとうございます。この点については法制審議会でも、申立権者を父母以外の者に拡大することについては、相当な懸念の共有をした上で議論をいたしました。そういう形で父母以外の親族にことの交流の申し立て権を認めると、子どもが多数の紛争に巻き込まれてしまうのではないかという懸念でございます。議員ご指摘の通りでございます。一応今度の法制審議会が案では、こういう懸念に対応するために子との交流に関する審判の申し立て権者を、基本的には父母だけ位に限っております。そして祖父母などの親族からの申し立てや、他に適当な手段がないときに限って認めるということにしております。
そしてやはり祖父母とずっと、例えば同居していてひどく強い愛着を持っているような場合に、一定の認められる子どもの利益のために、特に必要であると認められる場合があるのではないかと言う事で、相当制限的ではございますけれども、書き込んでございます。
 
川合孝典議員
 
はい、ありがとうございます。さっきの法務委員会の質疑の中で、民事局長に同じ質問を実はさせていただきまして、いわゆる同居親の方がお亡くなりになられたような場合に、祖父母の方が申し立てができるといったようなことをイメージしているという言い方をされたもんですから、審議会の方でもそういった議論されたのかなという事で今確認をさせていただいたということです。ありがとうございます。
 
水野参考人
 
他にその他適当な手段がない時という意味で典型的にはそのような場合を念頭に置いておりました。ありがとうございました。
 
川合孝典議員
 
ありがとうございます。続いて、鈴木参考人にご質問させていただきたいと思いますが、先ほど時間の関係で端折られたんだと思うんですけれども、裁判上の離婚事由については、確か96年の法制審で方向性が出された事を受けて、有責主義から破綻主義に移行するべきではないのかということについて、少しだけ触れられましたけれど、このことについて、補足でご説明をいただければありがたいと思います。
 
鈴木参考人
 
ご質問ありがとうございます。96年の民法改正要綱案、国会には上程されなかったんですけれども、そこでは破綻主義という事で、今は有責主義がそのまま残っているんですけれども、離婚にあたって、もう夫婦の関係が破綻していれば、それでもう争わないで、離婚ができるという、そういうような要件があの資料にもあげているかと思います、提出されました。それが通ればおそらく離婚にあたって相手を悪くするっていう相手を責める、そうしたことが減るのではないかなというふうに思っています。裁判離婚になりますと、実質的に破綻主義と言われていて、申し立てから3年程度経てば、実際には離婚できるとは言われておりますけれども、実際の申し立てに当たって相手をやはり攻めるような、そういう状態が今残っておりまして、さらに言えば単独親権での親権を獲得するために、子を連れさって、そして離婚を申し立てる。その中で相手を悪く言う。その事によってまた高葛藤になっていくという事で、今回法改正でその辺りが単独親権から変わるのであれば、その点は一つ葛藤が低くなるのではないかと思っておりますけれど、あわせてその破綻主義についても改めて考えていただきたい行きたいなと思っております。以上です。
 
川合孝典議員
 
はい、ありがとうございます。続いて浜田参考人にご質問させていただきたいと思いますが、私自身代表質問のときに浜田参考人と同趣旨の実は発言をさせていただいいただいておりまして、子どもに対するやっぱり義務という事が最優先されるべきであろうというのが、私の基本的なスタンスという事で非常に共感を覚えながらお話を聞かせていただきました。その上であえて弁護士である浜田参考人にご質問させていただきたいんですが、いわゆる子どもの手続き代理制度の事を少しお話されました。弁護士など専門家にアクセスしてる比率がまだまだ低いという事を問題意識としておっしゃったんですが、一方で実際当事者の方が裁判の申し立てを行うとした時に時間がかかるからという事もそうなんですが、同時にお金がかかるからというのもこれも深刻な実は事情という事でありまして、従って海外などでは、いわゆる離婚訴訟に成功報酬を認めないという国も実はあるという事を資料で知りました。成功報酬、つまりは離婚訴訟でたくさん養育費を取ってきたらその分取ってきたお金の1割から2割のお金が成功報酬として弁護士の方に入ると、それって考え方によっては子どもの権利である養育費の一部とはいえ、成功報酬として第三者が受け取るということについて国がお墨付きを与えているのと同じことなんじゃないのかなというふうにも実は思っております。よって、離婚裁判訴訟に成功報酬を認めないという考え方自体には、一定の合理性があるんだろうというふうに思うんですが、私もこうした事例を習って、日本でも成功報酬ではなくて、国が費用負担するといったような形に、最終的には移行させていくべきなのではないのかと思ってるんですけど、この辺りのところについて浜田参考人はどのようにお考えか、教えてください。
 
浜田参考人
 
ご質問ありがとうございます。弁護士はご承知の通り自営業者でございましてですね、報酬を頂戴しない事にはというところもございますが、今委員ご指摘の通りでして、あんまりお金がない方からもちゃんといただかなくちゃいけないというところは、これは実は別に離婚事件に関わる限りませんけれども、弁護士としての葛藤があるところではございます。ただその離婚案件という事について見ますと、その一般の方で特にその女性の貧困などの問題もございますので、費用を賄えないという方が多数いらっしゃる累計であるということ、私も認識をしております。委員ご指摘の、その例えば国費などを入れてということになりますと、法テラスの民事法律扶助制度というのがありますが、あれはあれで実は弁護士側としてはなかなかに使いにくいところがございまして、先ず一つにはその基本の報酬が低いという事で、逆のことを申しますけれどもその離婚紛争って、離婚紛争だけで終わらないんですよね。例えば婚姻費用の請求をして、なんなら養育費の請求をして、無理だったらその執行も申し立ててみたいな事で、事件数が増えていきますと、今度はものすごい金額が増えちゃうわけです。そういたしますと、それって当事者の方から後々償還をずっと受けていかなくちゃいけない。結局だからせっかく確保したやつの中から、ごめんやけどこっちにちょっとくれへんという話をせねばならないという事で、これまた葛藤が深まるところがございます。ですので、もう本当に累計を絞ってということになるんだろうと思いますけれども、国費でですね、このあたりについてはきちんとサポートするよという制度が、今、法テラスがあるので、もうゼロだとは言いませんけれども、そういうの制度がもっと広がっていくと一層弁護士としても関与しやすくなるのではないかなと期待するところでございます。以上です。
 
 
川合孝典議員

はい、ありがとうございます。私も今の質問をするのに、両脇弁護士の先生でいらっしゃいますので、なかなか度胸のいる質問ではあったんですけれども、とは言いながらもやっぱり、裁判にはお金がかかるという、その日本の司法制度自体の根源的な問題もやっぱりここには絡んできているという事だと思いますので、やっぱり婚姻制度、婚姻に対する考え方だとか、家族や家というものに対する考え方がやはりこれだけ変容してきている状況の中で、今後自分たちの子どもや孫の時代にどういう、この家族法制というもの残していくのかということをやっぱり考えるとなると、今のうちからやっぱりそのことをイメージして議論しないといけないんじゃないのかなということ問題意識として私は思っております。ありがとうございます。時間の関係がありますので次の質問にそれしていただきたいと思いますが、水野参考人にもう1点ご質問させていただきたいと思いますが、先ほどご発言の中でいわゆるDVの被害者への対策や児童虐待に対する対策が、日本は決定的に遅れているということを冒頭におっしゃいました。私もそう思ってるんですけど、今回の民法改正に伴って、このDV被害者対策と児童虐待対策として、速やかに執り行うべき優先順位の高い事項は何なんだと先生は思ってらっしゃるでしょうか?教えてください。
 
水野参考人
 
御質問ありがとうございます。どちらもというところでございますが、具体的には児童相談所が今ほとんどパンク状態でございます。そこでの人員、今は素人の新入の役員が今一番きついところだというふうな事で、児童相談所はされたりしておりますけれどもやっぱり、対応する職員自身の心を守るためにも、それなりの訓練が必要でございます。そういう訓練をした人間を対応に児童相談所などに配置をする、ここにお金をかけるっていうことが急務だろうと考えております。DV対策ももちろんでございますけれども、DV対策もSOSを今かろうじてそういう、SOSの駆け込み寺なっておりますのが、地方公共団体の御相談窓口であったりします。そういうところの人員と対策をやはり拡充するいうことが、情勢的に手厚くなればそれが一番即効性があるかなというふうに思っております。ありがとうございます。
 
川合孝典議員
 
ありがとうございます。DV対策のことについて加えて質問させていただきたいと思いますが、今例えば日本の場合にはそのDVシェルターが民間の取り組みを支援するといったような形で民間依存の体制になってしまっているんですけれども、こうしたことも含めていわゆる共同親権というものが導入されることによってやっぱり守られるべきは、深刻なDVから逃げていらっしゃる方々を守るということが大切だという意味でいけば、DV被害者の方々を確実に守れるような枠組みというものをもっと国が主導して、進めていかなければいけないんじゃないのかというふうに思ってるんですけど、この点についてすいません時間が来ましたので、端的にお答えいただければと思います。
 
水野参考人
 
ありがとうございます端的に議員のおっしゃる通りだと思います。ありがとうございます。
 
川合孝典議員
 
ありがとうございました。終わります。


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