_指示の意味を説明せよ

指導者のための「教える技術」①指示の意味を説明しなさい

元Jリーガーのゴロウです。

指導者に欠かせない「子どもに教える際の技術」の中でも大切なのは、

子どもに指示を与え方、方法です。

子どもへの指示は、一度のトレーニングで何度も行います。

「ストレッチをする」「荷物を集める」「集合する」「ハードワークをする」「パスを丁寧にする」「もっと守備をする」など…

同じ練習をやっていても、上手くすることができる指導者とできない指導者の違いはここにあります。

このような指示をする時に大切なのは、「指示の意味を説明すること」です。

なぜなら、

何が何だか分からないけどやっているという状態になっていくからです。

これは、何も考えもせずになんとなくただやっている状態になり、結果やっただけで何も得られないということがおきます。

「こういう目的でやっている」と理解をして行動することが大切です。


繰り返しますが、同じ練習をやっていても、上手くすることができる指導者とできない指導者の違いはここにあります。

子どもたちは「ここを上手くするためにこの練習をしている」という意識があるため、意欲が違います。上手くする部分に意識を持っていくので、その部分が上手くなるのです。

このような指示は毎日繰り返られるもので、それだからこそ指導では根本的な部分になり、とても大切なものとなります。

指示の意味は語らなければいけません。

そしてここが大切なのが、端的に短く伝えることです。説明が長ければ、だらけてしまいます。

「全員の荷物がどこにあるか分かりやすくしよう。一か所にまとめなさい」

短くはっきりということが大切です。


いつも「こうしろ!」と怒鳴っているコーチがいる。

これは知性的ではありません。

僕はこういう一方通行なのは好きじゃない。

「なぜそうするのか」「どうしてそうなるのか」が全くなく、ただ「~しろ」という指示だけです。もちろん常に説明を加えるわけではないが、折々に伝えることで子どもたちに「それをやる意味」「考え」を与えていくことになります。

これは指導者にとってもとても大切なことです。一つの行動の意味を考えることになります。

なんで荷物を一か所に集めなくてはいけないのか、これ一つを取っても意味を持つと荷物を一か所に集める「理由」が出てくるのです。

人間って、

「動く理由=モチベーション」がないとやらないし、続かないです。


自分の指導を振り返ってどうだろうか?

「~しなさい」というだけになっていないだろうか。


たまに他の指導を拝見すると一方的に指導は多い。

子どもの自由がなくなる、子どもの意思がなくなるという指導者がいるが、いつも思うことがある。

「どのようにすることが子どもの意思を尊重することになるのか」

自分のやっていることがどうかなのです。

さらに、「指示の意味を伝える」指示だけでなく、

子どもに考えさせる指示がある。

「目的」だけを伝えてやることは子どもに任せるというものです。

「~のために」という意図・目的だけを説明してやり方は子どもに考えさせ任せるのです。

これは子どもたちを尊重し自主性や協力を生かす最高の指示です。


例えば

「全員の荷物がどこにあるか分かりやすくしたい。自分がこうしたいと思うことをやってみよう。時間は3分だよ」

このように指示をしている人は子どもを動かせる指導者です。

僕はこういう指導者を見るとなかなかできるなぁと思ってしまう。

でもこういう事は誰でもやっていることではありません。

これで子どもたちのやったことが不十分なら(最初はたぶんそうでしょう)、

「もっと良くするためにどうしたらいいと思う」と投げかけることでさらにブラッシュアップするでしょう。


自分のチームや通いのサッカースクールの指導者はどうでしょうか?

プロの指導者でこの程度が出来なければよい指導者とは言えません。


では具体的に分解してまとめてみよう。

やることだけを言う

「荷物をまとめなさい」

目的とやることを言う

「全員の荷物がどこにあるか分かるようにしよう。荷物をまとめなさい」

目的を言ってやることを任せる

「全員の荷物がどこにあるか分かるようにします。自分がこうしようと思うことをやってみよう」

本当は、どの荷物を集めるか、時間などが指示されるだろうが、

分かりやすくするために省きました。


その他にも、例えばサッカーのトレーニングで「守備」をやるとする。

「守備をしなさい」

これだけでは、子どもはあまり変わらない。何のためか分からないからです。

次に、何のための守備をしたいのかを伝える。

「相手からボールを取りたい。そのための守備をしなさい」

これでどういう守備をしたいかが伝わり、激しくボール奪いに行くことになるでしょう。

子どもに変化が起きます。

これがさらに守備の目的だけを伝えたとすると

「相手からボールを取ろう。さあ自分のできることをやってみよう」

これで子どもたちは自主性と自分の考えをもって、

自然と激しく奪いに行く守備に変わっていているだろう。

足りないときは同じように根気強く働きかけることである。


例として完ぺきとは言えないと思いますが言いたいことは伝わったと思います。

指示とは意味を説明する必要があるのです。

これはすぐにでも試すことができます。是非子どもたちに働きかけてみてください。

子どもたちの変化に驚き、さらに私たちにやる気を与えてくれますよ!

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