指導者のための_教える技術__一時一事の原則

指導者のための「教える技術」②一時一事の原則

すごく勉強をしていて、知識が多くあるがために伝えたいことが多い。

目についてしまうのか、修正部分が多くて一度に全部言ってしまう。

これは、

指導者の「ミスあるある」ですね。

よくある最も多いミスの一つがこれです。

これだと子どもは訳が分からなくなり、結果何も伝わらなくなってしまいます。


じゃあ、何を意識したらいいのか?

「一回に指示するのは、一つの事だけにする」ということです。


これは指示を与える時の基本です。一度にあれもこれも言いたいことを言ってしまうと、訳が分からなくなってしまします。


よく同時にいくつもの指示を与えている人がいます。

「ボールを受ける間にはしっかりとステップを踏んで、ボールを受ける時は良い身体の向きでコントロールをしたらできるだけ良いところにボールを置いて、次のプレーをしよう。パスを出したら、またボールを受けられるところに動いて。」

パスを受けた選手がテンポよくパスを出して動いた。

するとコーチが、

「ボールを持っていないときはしっかりステップを踏むことを忘れない!」

と叱責の声が聞こえる。

これは指導者が悪い。子どもを叱るべきではなく、思いつくままにダラダラと指示した指導者に責任があります。


この場合であれば、

ボールを受けるためのステップを全員に踏ませて、それを確かめてから次の指示を与えるべきです。たくさんの指示が必要なときは、ゆっくりとデモンストレーションをしながら、一つずつ指示を与えていくべきです。


一回の指示で本当に伝えたいことは何か?

それを伝える前にしっかりと整理する必要があります。

大切なのは、「たった一つのことさえしっかり理解してもらえればいい」ということなのです。


この重要性を何にもの偉人が名言を残しています。

・成功した人は一つの道を選び、それに終始した人である。(カーネギー)

・われは無能無才にしてこの一筋につながる。(松尾芭蕉)

・為せば成る。為さねば成らぬ業を、成らぬと捨つる人のはかなさ。(武田信玄)

・別に立身出世の秘訣などござらぬ。ただもう、その分を案じて懸命に努力したまででござる。過去を追わず、未来を憂えず、その日のことを一生懸命やったまででござる。(豊臣秀吉)


一時一事とは、なるべく一時に二つ以上のことを考えたりせず、そのことに集中するということです。

人はそんなにいくつも同時にできないということでもあります。

その性質をうまく利用していくことで、より良い指導に繋がっていきます。

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