感謝の感情
ロックは大型犬なので一応訓練を入れた。
今は飼い主同伴の通所の訓練教室も多いが、あの頃は3ヶ月訓練所預かりの訓練だった。里心がつくので、面会も週に一度と言われた。
入所後、しばらくすると、ロックは訓練所の所長を尊敬の眼差しで見るようになった。
私がリードを持っている時は、大嫌いなハスキーやシェパードが近づくと吠えかかるようなゴールデンにあるまじき攻撃性を発揮する。
しかし、所長がリードを持つと嫌いな犬が隣にいても知らん顔だ。
飼い主はどっち?
仕方ない、訓練はただ入れるものではなく、人と犬の関係性の上に築かれるからだ。
私が勉強すべき課題。
そんな訓練も終了。長い寄宿生活から今日帰れるという日、所長との別れ際、ロックは立ち上がり所長の肩に前足を掛け、ジッと所長を見つめた。
所長は、「お別れを言ってくれてますね」とおっしゃった。今日帰るってわかるんだ。
そして所長とロックの絆に少し嫉妬する私がいた。でも、良い方に訓練して頂けて良かった。
躾や訓練は誰かにしてもらうものではなく、飼い主と犬の絆の上に築かれる。
覚えの悪い犬が馬鹿なのではなく飼い主の問題!
試されるのは飼い主の方。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?