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【小説】雄猫ぶーちょの生活2 猫をかぶる猫

獣医と何回もメールをやり取りした後、健康診断のためと手術本番のため各一回、合計二回ぶーちょは動物病院に通うことになった。だが、手術の詳細な説明を受けるため、飼い主だけはもう一回動物病院にいかなければならなかった。

一月の半ばから末といえば、寒風の吹きすさぶ寒い日が続いていた。ぶーちょは朝、健康診断の時は普通にキャリーバッグに入って動物病院に行った。だが、連れて行った男の飼い主によると、あまりの重さに耐えきれなくなったそうである。外見のかわいらしさとは関係なく、ぶーちょはその時4.2キロもあった。大猫である。

驚いたことに健康診断の時、ぶーちょは、獣医から、「福千代(ぶーちょの正式名)ちゃんはとてもいい子でしたよ」と褒められたそうである。

手術の説明を受けに夕方女の飼い主が獣医にあった時も、また同じことを言われた。「福千代ちゃんはとて暴力をふるうぶーちょが、おとなしく検温されたり血液検査のために血を取らせてくれるなんて、信じられないことだ。きっとお世辞を言われたのか、あるいは猫をかぶっていたに違いない。


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