ホロライブ四期生、連続3D配信の狙い

約三週間前、桐生ココ氏の3D配信が実施された。

少し覗いてみることにした。するとどうだろう、『10万人が視聴中』と。良くて七万と考えていたが、十万人は予想外だった。そして配信終了間際、天音かなた氏の3D配信が予告された。
この瞬間、ファンは熱狂したに違いない。

それから一週間ごとに四期生の3D配信が発表されていった。

第一項 消火道具としての3D配信

当初、私はこれを「ホロライブの無許諾配信問題」そしてそれに関連する一連の炎上からファンの目を逸らすものだと考えていた。

あの不祥事はツイッターでの公式声明こそあったが、Youtubeのみで楽しんでいるファン層やそうした動向に疎い海外ファン層にはまだ知れ渡っていなかった。(ホロライブメンバーの中には、公式声明に全く触れなかったメンバーもいるので尚更である)
あのまま3D配信も何もなければ、この出来事が彼らの耳に入るのは時間の問題だっただろう。しかし、この立て続けの豪華配信によってファンの注目は一気に3D配信に集中した。

仮説1.

今回の不祥事でホロライブも調子がくじかれたことだろう。右肩上がりだったホロライブにとってこの時期の減速は痛手すぎる。だからこそ、3D配信を用いて全力で炎上を鎮火させようとした。

要は「3D配信」は炎上を鎮火させるためだけのイベントである。

と考えてみたが、これでは五週連続でやる意味がイマイチ分からない。半月に一度でもファンの注目を御するには十分のはずだ。したがって、私は別の仮説を立てた。

余談 妙手か悪手か

少し話は脱線するが、炎上の要は「延焼」と「爆発」だと考える。(個人の意見です)

「延焼」とは、無関係な人間に悪評が広まり、炎上に余計な人間が加わり収集がつかなくなること。
「爆発」とは、短期間に膨大な駁撃を受けて標的の労力が大幅に削られることだ。

ホロライブの策はこの二つの要点を押さえていたため、良策と言える。

「延焼」
もし公式のYoutubeチャンネルに謝罪動画や釈明動画を投稿して100%のファンに知らせたとしても、野次馬に乗せられて結果的に200%以上の人に悪評が知れ渡ることになる。
ホロライブはそれを避けるために、発信をツイッターでの公式声明発表に留めたと私は考える。50%程度のファンに知らせて残りを野次馬に託して拡散すれば余計なところにまで延焼することはない。

「爆発」
ホロライブはファンの心象をプラスにするイベント(=3D配信)を設けることで一時的にせよ箱内の不穏な雰囲気をかき消した。そして矢継ぎ早に朗報を投入していくことで、不祥事に目を向ける隙をファンに与えなかった。これによって、ほとぼりを冷まそうとしたのだ。

――つまり

悪評を広めないという点において、(少々強引な感じが否めないが)ホロライブは成功しているように思う。ツイッターを見れば今でもこの不祥事に言及している人を見かけるが、以前のような勢いは見られない。

余談終了。

第二項 プロローグとしての3D配信

果たして四期生の3D配信を五週連続で行なったのは炎上の鎮火だけが目的だったのだろうか。

ここでは、ホロライブの対外的な事情も踏まえてさらなる狙いを考えていきたい。

1)ホロライブは今やVtuber業界の二大勢力としてにじさんじと比肩している。そしてその推進力は年始から始まった空前の盛況に支えられているが、致命的な不祥事によってその猛進が僅かに失速したことは必然である。今後ホロライブが業界独歩に近づくために、この火勢をそう易易と失うわけにはいかない。

2)ホロライブ運営がにじさんじ運営に対して密かに対抗心を燃やしていると言われることがある。

例えばにじさんじが新鋭のモーションキャプチャシステム「VICON」を導入した際に、ホロライブのスタッフが「いい画材を揃えればいい絵が描けるわけではない」といった若干嫌味のようなツイートをしたりと、対抗意識を時折顕にしている。ホロライブは人一倍にじさんじにライバル心を抱いているのではないだろうか。

仮説2.

箱全体を揺るがす炎上が生じてもなお進み続けるホロライブ、まさしく「止まらないホロライブ」という名にふさわしい。この3D配信は序章に過ぎず、おそらくホロライブはこの怒濤の3D配信のあとに新たな強力なカードを切ってくると推測する。

3D配信と同等以上に強力な切り札と言えば「新たなライブ」辺りか。しかし、それも昨今の情勢を鑑みれば難しいだろう。

となると「五期生のデビュー」だろうか。
四期生のデビューから約八ヶ月、頃合いだ。もしデビュー時期が決定していたのなら、わざわざ一週間ごとに急ピッチで3D配信を続けることも納得できる。

とはいっても、ホロライブが例のウイルスや無許諾配信問題の対応に追われていてもおかしくない。あくまで予想、仮説として受け入れていただければ幸いであるし、これには私の願望もかなり含まれている。

まとめ

相次ぐ3D配信の狙いは二つあると推測する。

一つが「ホロライブの無許諾配信問題」からファンの目を逸らすため、二つ目が「五期生のデビュー」の幕開けとするため。

しかし「五期生のデビュー」が決定したわけではない上に、所詮部外者の予想であるため吹聴するような真似はやめていただきたい。

ぜひ忌憚なき意見を聞かせていただけるとありがたい。以上だ。

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