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飲み会の魅力

 感染予防対策として、マスクの着用が当たり前となり、人と話すときも距離を取るなど、今までの当たり前な状況が一変した。私も、動揺が走り、大好きな飲み会ができないことを憂いた。そんな時、メディアでは「zoom飲み」が推奨され始めた。離れていても、複数人でつながることができるなんて。私は喜んだ。
 もともとガジェットに強くない私が、慣れない手でネットをつなぎ、初めて友達の顔が表示された時には感動だった。その後、続々と参加してくる他のメンバー。いつもの顔ぶれが揃い、2時間はあっという間に過ぎていった。

 画面をオフにし、我が家には静寂が訪れた。机の上には熱を帯びたタブレット、空いた缶、スナック菓子の袋…。それらを前にして、いざ冷静になってみると疲労感が襲ってきた。常に映っている自分の顔や、友だちの顔、その後ろに見える景色が気になる。そして、話題に乗っかり話そうと思ったら、別の人と被って譲り合う感じ。テンポが悪い。
 あとは“目が合わない”感覚、これもぬぐえなかった。それなのに、たくさんの目が見えてしまう状況。最後まで慣れないでいた。

 飲み会の何が好きって、その場の空気感なのだ。横からツッコまれる心地よさとか、時間を共有している感覚とか。それは、その場に一堂に会しているからこそ感じられるのだ。だからこそ、そういう機会がつくれた時に、大事にしたいと思うようになった。


 以降、オンラインでの飲み会も、参加者がたくさんいるものについては断るようになっていったが、今のところ支障はない。遠い地元に帰ってしまった古くからの友人と語りたい時に活用できる点もあることから、オンライン飲み会自体を否定するわけではない。これからも上手に付き合っていこうと思う。


 これらのやりとりの際、
「また、参加できないのかよ~。つれないなぁ。」
「みんなで飲むから、楽しいじゃ~ん?」
という声をかけられることがある。

 コロナ禍だからこそ考えたこと、次回はこのあたりの感覚についてふりかえってみよう。

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