渋谷系の変遷

渋谷系というジャンルの音楽が好きだ。
一口に渋谷系と言っても、90年代より始まったこのジャンルは様々な文脈を辿り大きく変貌を遂げている。
そんな渋谷系の変遷を個人的な体感と印象と共にまとめてみた。

渋谷系

90年代初頭、HMV渋谷店のインディーズコーナーでレコメンドされた作品がカテゴライズされ、この名前が付けられた。
ジャンルとしてはギターポップ、ネオアコ、ソフトロック、フレンチ・ポップ、ラウンジ、ハウスなど。

Flipper's Guitar
小山田圭吾、小沢健二からなる渋谷系を代表するデュオ。

PIZZICATO FIVE
小西康陽がフロントマンを務める渋谷系のアイコン的な存在。

Cornelius
Flipper's Guitar解散後の小山田圭吾のソロプロジェクト。エレクトロニカ・音響系の実験的な音楽は後世の渋谷系に影響を与えた。

小沢健二
Flipper's Guitar解散後はソロとしてJ-POPのヒットチャートを賑やかす。

Bridge

カヒミ・カリィ

カジヒデキ

嶺川貴子

NEIL & IRAIZA

yes, mama ok?


ネオ渋谷系

渋谷系がブームとして終焉した90年代後半、渋谷系から影響を受け系譜を受け継ぐミュージシャンが活動を始め、次第にネオ渋谷系と呼ばれるようになっていった。

ROUND TABLE
Flipper's Guitarを彷彿とさせるThis is 渋谷系のサウンド。2002年からゲストボーカルにNinoを迎えることを皮切りに、アニメ・声優の音楽界隈を席巻。

Cymbals
ドラムンベースやエレクトロニカを取り入れた、疾走感溢れるスタイリッシュなサウンドは今でも色褪せない。

advantage Lucy
正統派ギターポップバンド。00年代半ばの韓国での渋谷系ブームの立役者とも言われている。

Roboshop Mania
とにかく可愛らしいポップデュオ。ボーカルの利根川貴之氏はアニメ・ゲーム・アイドル向けに広く楽曲を提供。

GOMES THE HITMAN

Apila

instant cytron

Poly Abc

中塚武

Corniche Camomile

Spangle call Lilli line

Boys & Girls Together


フューチャーポップ

00年代に入り、一部のネオ渋谷系アーティストが打ち込みやボーカルにボコーダーエフェクトかけた曲を次々にリリース。エレクトロポップやフューチャーポップと呼ばれメインストリームに。

Plus-Tech Squeeze Box
フューチャーポップの先駆者。ハヤシベトモノリの天才的なサンプリングセンス、ミキシング技術は次世代に多大な影響を与えた。

CAPSULE
言わずと知れた中田ヤスタカはフューチャーポップをメジャーまで引き揚げた立役者。世界的な潮流に合わせて音楽性が変容し、常にシーンを牽引し続けている

i-dep
フロアミュージック寄りのフューチャーポップ。メンバーのナカムラヒロシとCanaからなるユニット、Sotte Bosseでアレンジ・カバーブームを起こす。

エイプリルズ
爽やかギターポップ路線の男女ツインボーカルバンド。4月1日のエイプリルフールネタは春の風物詩。

RAM RIDER

元気ロケッツ

Hazel Nuts Chocolate

Marino

Sonic Coaster Pop

COLTEMONIKHA

Eel

MEG

YMCK

Macdonald Duck Eclair

Q;indivi

Sucrette


アキシブ系

00年代はサブカルチャーと呼ばれていたアニメ・ゲーム・アイドルはSNSの普及や政府の施策によりポップカルチャーへと変容した。これらの文化は渋谷系楽曲との親和性が高く、各ターニングポイントを機に浸透していく。

1998年:【ゲーム】『pop'n music』がアーケードで稼働開始。コナミ所属のコンポーザー杉本清隆脇田潤が渋谷系サウンドの楽曲を提供。
2001年:【ゲーム】『pop'n music7』から脇田潤の大学時代のサークル(早稲田MMT)後輩バンド、risetteの常磐ゆうをボーカルに招く。
2002年:【アニメ】ROUND TABLE featuring Ninoが活動開始し、Let Me Be With Youが『ちょびっツ』の主題歌に。以降9シングル作品全てがアニメのタイアップ曲に。
2002年:【ゲーム】『pop'n music8』にEelが楽曲提供。
2002年:【ゲーム】『pop'n music9』にCorniche Camomileの桜井康史が楽曲提供
2003年:【ゲーム】『pop'n music10』にCAPSULEの中田ヤスタカが楽曲提供。
2004年:【ゲーム】神前暁(ナムコ社員時代)が手掛けた『ことばのパズル もじぴったん』のBGMをCAPSULEの中田ヤスタカ、Plus-Tech Squeeze Boxのハヤシベトモノリ、Sonic Coaster Popの鈴木アキラがそれぞれリミックス。
2005年:【アニメ・ゲーム】神前暁がナムコを退社しMONACA所属に。
2005年:【アニメ・ゲーム・アイドル】tomadがインターネットレーベルMaltine Recordsを立ち上げる。
2005年:【ゲーム】『pop'n music13』に早稲田MMT繋がりで元Cymbalsの沖井礼二が楽曲提供。ボーカルはCITROBALの米山(石田)美弥子。
2006年:【ゲーム】『pop'n music14』にPlus-Tech Squeeze Boxのハヤシベトモノリが楽曲提供。
2007年:【アニメ・ゲーム・アイドル】kzがVOCALOID『初音ミク』を使用した楽曲、Packagedをニコニコ動画で発表し、業界に衝撃を与える。
2007年:【アニメ・ゲーム・アイドル】アニソンダンパとは一線を画した、クラブカルチャー寄りのイベントDENPA!!!/電刃、開催。
2007年:【アイドル】スウェディッシュポップ・アイドルバニラビーンズがデビュー。
2007年:【アイドル】ACジャパンのCMにPerfumeのポリリズムが起用され一躍ブレイク。
2008年:【アイドル】ネオ・サブカルチャーガールことSaori@destinyがデビュー。
2008年:【アイドル】シンガーソングライターのSAWAがデビュー。
2008年:【アイドル】テクノポップ・アイコンことAira Mitsukiがデビュー。
2008年:【アイドル】胸キュン・ガーリーハウスユニットことSweet Vacationがデビュー。
2008年:MoonbugのNovoiskiがマッシュアップした-Capsule x Daft Punk x Beastie Boys-StarrySky YEAH! Remixが驚異的にバズる。
2009年:【アニメ・ゲーム・アイドル】秋葉原にオタクカルチャーのイベントをメインとしたクラブ、MOGRAが開店。
2010年:【アニメ・アイドル】ClariSがkzプロデュースのもと、ironyでデビュー。
2010年:【アニメ】SoundCloudで恋愛サーキュレーションのリミックス・マッシュアップが空前のブームに。個人的にはAvec Avec口ロロ マッシュアップが優勝。
2012年:【アニメ・アイドル】元Cymbalsの沖井礼二が竹達彩奈のファーストシングルSinfonia! Sinfonia!!!楽曲提供。
2012年:【アニメ・アイドル】ROUND TABLEの北川勝利が花澤香菜のファーストシングル星空☆ディスティネーションプロデュース。
2012年:【アイドル】アップアップガールズ(仮)にPandaBoYfu_mouが楽曲提供。
2013年:【アニメ】『たまこまーけっと』の音楽全般をinstant cytronの片岡知子が担当。
2013年:【アニメ】花澤香菜がファーストアルバムclaireをリリース。ROUND TABLEの北川勝利、中塚武、カジヒデキ、元ラブ・タンバリンズの宮川弾、クラムボンのミト、元Cymbalsの沖井礼二、元Cymbalsの矢野博康、古川本舗、神前暁が参加する名盤。


カワイイ フューチャーベース

00年代後半より世界的なEDMブームが到来。ライブストリーミング配信も一般化し、クラブミュージックを家にいながら楽しめる時代に。10年代に入り、ニコ動やアニソンブート・アニクラ、中田ヤスタカやハヤシベトモノリのkawaiiフューチャーポップを体感してきたベットルームミュージシャン世代がSoundCloudにトラックをアップしはじめる。

Yunomi

Snail's House

KOTONOHOUSE

YUC'e

Tomggg

Capchii

TEMPLIME

Kijibato


思い入れと主観が強いので、「これは渋谷系じゃない」と思われることもあるかもしれない。
でも、それでいい。
だって渋谷系はみんなの心の中にあるものなんだから!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?