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災害発生 ほんとに大丈夫??

 都構想では特別区の庁舎について、設置コストの削減のためとして現在の大阪市役所(中之島庁舎)を活用することとされ、所在地である新北区の本庁舎としてだけでなく、新淀川区と新天王寺区の別庁舎として活用することになっています。

 新淀川区では約9割、新天王寺区でも約8割の本庁職員が全く別の自治体の庁舎に「間借り」することになります。このように新淀川区や新天王寺区では大部分の本庁職員が本来の特別区の区域内で仕事をしないということになるのです。

 このことだけでも極めて問題のある制度と考えますが、こんな庁舎体制で災害発生時に本当に対応できるのか、住民の生命・安全が守られるのか、大きな不安を感じざるを得ません。例えば勤務時間中に災害が発生した場合、大半の職員は中之島庁舎で働いていますので、すぐには当該の特別区に駆けつけることはできません。
 被害状況の把握や重要とされる初動対応が、これでは十分にできません。不安だらけです。

 また、現在の大阪市では災害の発生に際して、市役所内に大阪市災害対策本部、各区にも区災害対策本部が設置され、それぞれが連携して対応にあたっています。
 各区では本部長である24区の区長が先頭になって指揮を執り、住民の生命と安全を守っています。

 しかしながら、都構想では基本的には特別区の本庁舎に災害対策本部が設置されるだけとなっています。都構想により防災拠点としての現在の区役所はなくなってしまいます。
 制度上は各特別区が作成する地域防災計画に位置づければ地域自治区に災害対策本部を設置することは可能とされているようですが、「区役所」と呼ぶこととされている「地域自治事務所」には日常的に危機管理(防災)部門を置かず、しかも強い権限を持つ現行の24区長のようなリーダーもいません。


 これでは、現在の大阪市の危機管理体制と比較して、災害発生時にはその体制はぜい弱なものとなってしまうことは明らかです。
 さらに、日常の危機管理部門の窓口が、住民からは遠い存在の特別区本庁舎となることから住民自らによる地域防災力の低下も避けられません。

「都構想にかかるコスト問題」と「住民の生命と安全」が天秤にかけられた結果であり、大阪市民はもっともっと怒らなければと。

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