見出し画像

2019年上半期ベストトップ10

2019年ももうすぐ半分すぎて今年も良い音楽が沢山あってよかったですね。という半ば適当な導入を終えて早速トップ10を紹介したいと思います。

10位 Anderson .Paak 『Ventura』

今でこそスーパースターな彼であるが、いずれは職人のごとく良質な作品を量産する人になりそう。昨年のoxnardがどうもピンとこなかったけど、今作は派手さはないものの、全体を通して比較的リラックス効果の高い良きR&Bであり、これといって悪い点も思いつかない良い作品であった。

9位 Foals 『Everything Not Saved Will Be Lost』

ベース脱退した影響なんだろうか、以前の持ち味だった重いグルーヴ感は軽くなったと感じたが、寧ろそれを活かし、今までにない新しい感じでシンセをつかいつつもスピード感のあるリズミカルなロックの曲が多いなと思った。どの曲もライブ映えしそうでサマソニで早く観たい。絶対カッコいいに決まってる。

8位 Big Thief 『U.F.O.F.』

最初ピッチフォークが9.2を付けた時は正直やりすぎじゃないかとは思ってたけど、ちゃんと聴いてみると演奏がバリバリかっこよすぎてやべえな・・・って圧倒されてしまった。ヴォーカルを支えるかのような前に出過ぎないけどしっかりと決めてる演奏が凄い良くて、音楽性が似てるわけじゃないけどなんとなくザ・バンドを思い出した。Strangeの不穏なダンスチューンは今年屈指のベストソングの一つである。

7位 Injury Reserve 『Injury Reserve』

BROCKHAMPTON好きなら気に入りそうというざっくりとした印象がある。前も呟いたけど、Tyler the creatorやKevin Abstractといったりヒップホップというジャンルも新しい流れを作ろうとしている感じを得られる。そしてこの作品もその流れを感じる。作品内に於いて、様々なユニークな実験的な試みを見受けられるがそれでも、自分みたいなヒップホップをメインに聴かないタイプでも、聴きやすいと感じる良い作品であった。

6位 James Blake 『Assume Form』

wiki先生にポップというジャンルに括られたりピッチフォークに低い点数をつけられたりこれまでの作品とは違った何かを感じるJames Blakeの新譜は実によかった。ポップと書かれているように実際今作はJames Blakeのキャリア史上一番聴きやすい作品だと思う。今作の成功の理由は、様々なアーティストとのコラボのお陰で作品全体の彩りが増えて歌モノとして良質な曲が多いなという印象。

5位 Emily Reo 『Only You Can See It』

最初にこのジャケットを見た時の印象と実際の音楽がこれまで合致した作品は中々ないだろう。やや装飾の多いドリームポップと言った感じで、落ち着いた作風ではないものの、「夢の中にいるようなワクワク感」がまさにドリームポップだなと思える所以である。DIYで何事も自分でやるといったアーティストらしいが、まさにアレンジが他では感じられない独特で楽しいものとなっており、ここでしか楽しめないEmily Reoワールドと言うに素晴らしいポップ作品となっている。

4位 Lost Cousins 『In Scenery』

正直何も詳細が分からないバンドの作品が途轍もなく素晴らしいと気づいた時に感じるロマンは中々味わえないよね。それを感じさせる作品だった。30分9曲という短い時間の中で何一つ無駄のない展開だったのが個人的に今回の点数が高いポイント。前半はロック要素の強い傾向にあるが、後半に連れてどんどんドリーミーに儚い感じになっていくのが素晴らしく感じた。ジャケットの飛んでる赤い何かみたいにどんどん浮遊していく感じ。

3位 Wallows 『Nothing Happens』

先ほどのLost Cousinsと同率の順位であったんだけれども、アイデアの豊富さで言ったらこっちのほうが多いのでこっちが3位。テンポよく入れ替わるヴォーカルや、2010年代初期のインディーロックみたいなノリがとてもツボに入った。最終曲のdo not waitの終わりから最初のonly friendに繋がってたと知った時は驚いた。きっと3人で「ここをこうしたら面白くなるだろう」みたいなのを話しまくったんだろうなと思わせるくらいバンドの仲睦まじさを感じる作品でもある。きっと2ndも期待を裏切らない作品になるだろう。

2位 Weyes Blood 『Titanic Rising』

現代の音楽の次に70年代の音楽が好きなんだけれども、その70年代音楽好きの自分の琴線にひっかかった作品。いや~なんていったらわからないけど憂いのあるヴォーカルに寄り添う楽器の音が懐かしい感じ。実際70年代生きてはいなかったからおかしい感覚なんだけれども。このジャケのようにきれいに澄んだ水中の世界にいるかのように錯覚させる奏でられる美しい音に何の悪い点も思い浮かばない、評判通りの傑作だと思います。

1位 Patient Hands 『Stoic』

音楽は素晴らしい。夢の中や空の上、水中など非現実な所へと連れてってくれるような錯覚を味わせてくれる。しかし自分が今年の上半期ベストに選んだ作品がそういったものでなく、孤独というキーワードを想起させる一人の男の作品だ。まるで「自分が満足できればいい」といったような、自己完結してる世界で、これまでの人生や感じてきた事をフォークやアンビエント、ポストロックなど他者の存在を感じさせない一人の男のメドレーが此処にあると感じた。実際は何人かのミュージシャンに助けてもらってるらしいが、それにしてもこれほどまでに完成された素晴らしい自己の世界の、音楽への反映は滅多に見つからない。何回聴いてもこれに勝る作品は見つからなかったので、圧倒的1位の作品。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?