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Two Door Cinema Club 『False Alarm』の感想

前作から約3年ぶりのアルバム。

自分は1st, 2ndが好きだったが3rdはそこまでハマらなかった。
前のめりにノリノリになれるのがTDCCの良さだと思ってたので、
そういう自分の好きな所があまり感じられなかったのが理由。

今作は、先行シングルにおいて、
「Talk」、「Satellite」、「Dirty Air」など、
前作で作り上げたエレクトロ路線をブラッシュアップさせつつも
1stや2ndのようなノリノリになれるナンバーがあったので
今作がリリースされるのを待望していた。

だが実際蓋を開けてみたらちょっと様子が違っていた。
思ったより実験的なナンバーが多いなという印象。

例えば「Think」

これは初っ端から変声ヴォーカルが聴こえるのだが
少しやりすぎなほど加工しているように思える。
やりすぎかどうかは意図しているかはともかく
インディーロックバンドでここまでやる人たちは中々無い。

こういった面から見ると、彼らの新しい音楽性は
飽和気味なインディーロックの中でも新しい何かを見出そうとするなど
幾つかの実験的な試みを経て努力していることが伝わった。

他の実験的な試みだと思うのは他ジャンルからのコラボ。
Mokoomba、Open mike eagleが今作featで出てくる。

TDCCがラッパーとコラボするなんて予想できたであろうかという思いはあるのだが、この曲においてOpen Mike Eagleの重要性はそこまで見いだせなかったのが本音である。(Mokoombaの方もそう)

6分あるというTDCC史上最高の尺を持つ曲だが、曲自体に起伏がそこまであるわけじゃないので個人的に面白さはまだ見いだせていない。
以前のようなバリバリのギターフレーズでノリノリに歌っていたTDCCと違うんだなとここぐらいでやっと把握した。

「前とは違うじゃん」とは思いつつも「前に戻るべきだ」とは別に思ってない。この作品は個人的にこうした実験的な試みをしているがまだ彼らの中で確立した何かを見出せていないなという印象であるが、それでも最初と比べべて良くなったなという点はある。

例えばヴォーカルのアレックスの歌唱も熟成したなと思ったこと。以前であったら、バンドの音楽は勿論カッコいいが、やはりヴォーカルが弱いなとは正直思っていた。
恐らくそれを本人たちも気にしているんじゃないかと思う。前作ではBee Geesみたいなファルセット歌唱や、今作ではSatelliteなどで見せる低音で聴かせるヴォーカルなどもある。

一時期活動休止に追い込まれていた過去があっただけに、こうして復活して努力してるんだなと思うとやはりファンであるだけにもっと応援したくなる。

従来のロック路線から次第にエレクトロへと移行していくことで1st,2ndとはこれからもどんどん離れていきそうな気がする。
もしかしたら5枚目ともなればリスナーを置いてけぼりにしそうな作品を作るっていう可能性もある気がする。

個人的には今作は「傑作!」とは言い難いがこれからも応援したいと思える作品であった。やっぱライブはめちゃくちゃ楽しいし、もしかしたらライブ観たら印象は変わるかもしれないのでファンはやめたくないかな。

#Review #レビュー #TwoDoorCinemaClub #TDCC


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