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Bastille 『Doom Days』を聴いた感想

ロンドン結成の有名ロックバンドの3rdアルバム。

3年ぶりの待望の新作が6月14日にリリースされたわけだけれども、
やはり予想通り、レーティングサイトでのリスナーの評価は乏しい笑

いやこういったサイトでポップロックというジャンルが悪い評価を得るというお決まりの流れは考えれば何となくわかるんだけれども、
そういった「悪い評価」が見えやすいところに表示されてしまうところが、こういった界隈のつまらないところだなと思えてしまう。。。笑

Doom Days

さて、ファンとして待ちに待ったBastilleの最新作「Doom Days」を聴いた。やはり素晴らしい。
前作がより世界へとアピールできる「進化」となれば、今作はもっと深みへと行く「深化」と言った感じだ。

新規ファンにとって「わかりやすさ」で言えば前作の「Wild World」のほうが優れているとは思うが、今作は今作で良い味を出している。

より良くなった歌唱力

まず、今作で個人的に目立ったと思ったのはヴォーカル、ダンスミスの歌唱力が前作より伸びているところ。それが顕著に気になったのは、この曲。

低い声から高い声まで綺麗に出ている。曲自体もシンプルなバラードといったところで、だからこそダンスミスの上達した歌唱力が活かされている。

そしてこれ。

テレビでの生パフォーマンスであるが、音源と変わらない歌いっぷりに驚いた。特にラストサビ(2:30~)あたりからのダンの高音がとても綺麗に響き渡っており、ライブでもこれを出せるのかという安定のレベルの高さに感銘を受ける。

リズミカルな楽曲

何故Bastilleの曲はこんなに歌メロが良いんだろうと、ずっと気になっていたが最近気づいたのは彼らの楽曲はとてもリズミカルである。これもヴォーカルのダンの持つ良さであると思う。

例えばこの曲。
サビの「バッ!ディッ!シッ!ジョンズ!ザッ!ウィ!メ~イ!」の刻むような歌い方も凄く耳に残りやすいし、そのあとに来るファルセットの歌いっぷりもとてもリズミカルに進行しているのでノリやすい。
それだけでなく、この曲はAメロからとてもリズミカルに歌っているので、鼻歌にしやすいというか一緒にシンガロングしたくなる。
といったように、Bastilleのリズミカルなポップな曲作りは今作でも充分確認できる。

先ほど挙げたJoyも非常にリズミカルで気持ちの良い歌で、歌と一緒にシンガロングしてしまいたくなる。

Million Pieces

今作で一番気に入っている曲はこの曲だ。この曲は実はここが初出ではなく、去年出されたミックステープ「other people's heartache part 4」の"The Descent"という曲で顔を出している。

(4分くらいから)
そして今作でこの曲を聴いた時感動してしまった。というのも、上記の曲の時は非常にゆっくりとした重々しい荘厳的な雰囲気で歌われていたパートだったが、今作ではアップテンポ調になりかなり変わっている。

これがとても成功しているなと思っており、この曲は新たなBastilleのアンセムになると思った。Bastilleはミックステープも追っているので分かるのだが、彼らはほんとに曲の解釈を上手に変えたり、また自己の過去の曲をセンスのあるセルフカバーへと変えていく優れたバンドだと思う。

総評

前作は売れた1stからより広くアピールするための大事な2ndという背景から、楽曲にもパワフルさが出ていたが、今作はそれと比べると小さくまとまっていると思う。
別にそれが悪い意味ではなくて、こういった印象から今作はより「深化」したと思えるようになった。
ヴォーカルの歌唱力の上達や、今作でも健在なリズミカルな楽曲のお陰で今作も充分楽しめた。

今作はざっくり言うと「深夜から朝まで」というコンセプトであるらしい。そう言われると、今作の楽曲は深夜というイメージに合う、シンプルな曲作りになっていると思う。
しかしながら、「深夜」という暗い時間帯という特徴から、暗いダークな楽曲で占められているわけでもなく、明るいポップな曲が多いのはBastilleなりのメッセージというか、深夜で儚い思いもしながら、たまには現実逃避に踊りあかしてもいいんじゃないって感じで。
そして最後に「朝」の時間に歌われる「Joy」が、暗い世の中でもいつかは明るい時が来るよという希望を抱かせてくれるような底抜けに明るいポップソングで素晴らしい。

日本も今は不況で最近は命がらみの暗いニュースが続いている。だからこそ、彼らのアルバムを聴き、暗いムードにより浸り、たまには踊り狂い、そして最後には「いつか明るい時が来るだろう」と前向きな気持ちで終わらせられたら、それは素晴らしいと思う。

たとえ今作の評判が一部に悪かろうとも、 Bastilleの今作は自分にとって良い気分にさせてくれる作品には間違いない。これからも好きでいるぞ。

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