私の合唱指導・中1編④合唱コンクールに向けて

中1向けに候補曲として挙げている曲は、
 Song is my soul
 生命が羽ばたくとき
 Believe
 その先へ
 君をのせて
 フェニックス
 Let's search for tomorrow
 マイバラード
 大切なもの
 明日の空へ
 OMNIBUS STAR光年の旅

ポイントとしては、これまで指導してきた中で、本番上手くいったことの多い曲、ですね。この曲をやると比較的どのクラスでもどの年でも上手くいくんだよな、って曲が確実にあります。
第2に、とにかく易しい曲にすること。難しい曲は生徒も教師もお互い辛いだけで、あまりよいことがありません。中1だと3部よりも2部の部分が多い曲が絶対いい。女声に男子が入っているから女声は場合によっては安定しますが、男声が不安定な場合が多いので、何かとしまらない。ソプラノアルトの2声に分かれない方が断然声量は得られるので、楽です。
あとは、これは中1に限ったことではないけど、音域が高めの方が聞こえやすいです。ソプラノはせめて上のFくらいまで出てくる曲がいいです。Believeは転調後にその音域に到達します。
強いて言えば、マイバラードは少し苦手です。サビが上手くハモれないケースが多いのと、男声が音程取りずらい。松井孝夫さんの曲って地声傾向の声で歌うことを想定して作られているのか?と思うような部分があり、3部の「旅立ちの日に」とかもそうなんだけど、私は若干苦手です。
あと、難しさでいえば、「君をのせて」の最初の女声だけの部分が音量を得にくいです。「明日の空へ」は2部だけど、逆に難しい部分あります。「大切なもの」わりとシンプルなだけに難しい。「Let's search for tomorrow」はなかなか選ばれなくて、最近やった記憶ないです。「OMNIBUS STAR」は昔、隣の中学校の3年生が歌ってていい曲だなと思った曲です。部分的に4部なんですが、アルトとバスを適当にカットすると中1でも歌えます。なんとこの曲、サビが全部ユニゾンなんです!!

楽譜配布後、すぐに音取りを開始します。
女声は最初全員ソプラノを練習します。目的はいくつかあります。中1の場合、最悪アルトはカットです。メロディーが聞こえないと音楽が成立しないからです。全員ソプラノを歌えるようにしておけば、後から人数調整も可能ですし、最終的にアルトになる生徒も、高音域を頻繁に出しておかないと、どんどん響きが下がっていくので、高音域のトレーニングは必須です。

パート別CDで部分的に5回程度聞いた後、最初はサビだけ、とか1番だけ、とか指定のテンポより若干ゆっくりめのメトロノームかけて、ピアノで片手弾いて音取りします。最初は楽譜見てもいいことにして、わりと早い段階で楽譜置かせて、歌い方の練習に入ります。この段階なら、1フレーズずつ先に歌詞を言って、ここだけ、って練習すれば、楽譜見なくて済みます。
主にフレーズの山を意識した歌い方。だいたい中学生最初は棒読みみたいに歌うので。どこで息を多く使うべきなのか、響きの傾向、だいたい中学生最初は平べったい響きになるので、縦の響きを意識させる。あとは発音の修正、母音の連結。鼻濁音とか「うぉ」とか「ゆく」とか正直小学校でやっといてくれよ、ってことも。高音域(サビ)の部分を最初にやってから、最初に戻った方が、声が出しやすい。高音域の部分を先に歌い方を指導しておけば、低い音の部分はそんなに時間かかりません。「お」とか「あ」はわりと指摘後すぐよくなるのですが、やはり「い」「う」が時間かかりますね。「い」「え」は極端に横に引いちゃう、「う」は潰れやすい、です。
曲によっては、カンニングブレスの場所も確認。これらすべてシャープペンで楽譜にメモさせます。同じこと2回言わなくても済むように。

拡大歌詞は可能な限り2時間目には用意します。楽譜見て歌っているうちは、声出ないので。

さてさて、このあたりまでは本来小学校と内容変わらないのですが、問題は男声です。これはクラスによっては死ぬほど時間かかります。女声には別の課題を与えます。待ち時間長過ぎなので。ここの部分TTにできたら効率いいのだけれど。

私の場合、男声は(もちろんこの時期男声は男子全員ではなく、10人前後です。)1人ずつ音域音程チェックしながら、1曲の中でその生徒が現時点でどこの部分が歌えるのか決めていきます。楽譜にメモさせます。かなり時間かかりますが、これをしないと、そのクラスは一生合唱成立しません。全部歌える生徒を後列、部分的に歌う生徒を前列とか分けて並べておくと、間違いも起きにくいと思います。

男声が整ったら、女声(全員ソプラノ)と合わせます。
キーボードに多重録音しておき、キーボード再生+ピアノで男声補強して合わせます。列ごととかで繰り返し慣れさせます。最後にピアノ伴奏でやってもいいと思います。

次の時間は、女声全員アルトを練習して、同様に男声と合わせますが、その頃には、男声もだいぶ安定してきます。
さらに次の時間は、いよいよ3部で合わせます。
ソプラノ+アルト→ソプラノ+男声→アルト+男声 → 全員
キーボード活用します。
ここまで合わせられれば音取りは完了、ピアノ伴奏でいけると思います。

ここまでを1学期中に終わらせておくのが毎年の目標です。
2学期からはピアノ伴奏(生徒)に合わせて仕上げをしていきます。
その際は、ハーモニーディレクターで適宜メロディーラインを補助しながら進めます。メトロノームはピアノのところに置いて、ピアノ伴奏者がメトロノームに合わせて弾くようにしておく。体育館練習とかでも、同様にメトロノーム使用(ピアノのところに置いて)して練習すると、歌とピアノがズレるとか、なくなります。
卒業式練習とかでも同様なのですが、体育館とかでやると、どうしても生徒のピアノ伴奏者は聞こえてくる歌に合わせようとしてしまうので、ピアノは、一定に音楽的に弾いてもらい、それに歌が合わせる、というのが無難です。指揮者は、ピアノの音に対して、歌のタイミングを合わせるというのが主な仕事でしょうか。文字通り指揮者によってタイミングが合うクラスは、本番上手くいく、よい演奏になる割合高いです。まあそりゃそうなのですが。

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