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たかちゃん(岩谷孝子さん)が語る(2)インターナショナル孤児院で子供たちに未来を!

長野には1998年、息子が1歳になるちょっと前に越してきた。この前19歳になったから、長野自体には18年。最初は駒ヶ根に住んで、ここ伊那市高遠に土地を買ってからは15年くらいかな。

Be-Nature Schoolの講師をしたこともある環境エンジニアのダグラス・ファーが駒ヶ根に住んでいて、夫の友達だったから、しょっちゅう遊びに来てたんだよね。秋から冬にかけて、どこの家も干し柿や大根を干してたりして、自給的で身土不二的な暮らしを当たり前にやっている景色があって。「いいとこだな~」と思って移ってきたの。

高遠ではNPO法人フリーキッズ・ヴィレッジと「うずまきファミリー」を運営しながら、息子を含めて大勢の子供たちと暮らしている。アボリジニの長老から刺激を受けた頃から、自分の子とかよその子って以前に、「次世代の子」っていう概念が入ってて、縁のある子たちと自給自足的な暮らしを共有したいな~って。でも、東京生まれの東京育ちだから、そんな暮らしをしたことがないわけ。「もう、子供たちと一緒にやるしかない!」と思って、今の暮らしを始めたの。

フリーキッズ・ヴィレッジに来てるのは、不登校だからとか、自給自足の生活を体験させたいからって、親御さんから依頼があった子供たち。まぁ、山村留学みたいな感じもあるね。近くの学校は小規模で通いやすいから、不登校を経験した子も住民票をこっちに入れて学校に通ってるよ。

うずまきファミリーはファミリーホーム。「家庭で暮らせない子供たちを、社会として育んでいきましょう」っていう社会的擁護の視点に立った、厚生労働省管轄の社会福祉事業という位置づけなの。

Be-Nature School準備の一環で、「I Will Not Complain(自分で決めた目標だから、達成するまで文句を言いません)」っていうチームビルディングの研修を受けたことがあるんだけど、そこでね、「未来の自分に向かって絵を描こう」っていうアクティビティがあったのよ。で、そのときに描いた絵が、まさに今みたいな暮らし。家の周りには山や川、田んぼや畑があって、そして子供たちがいて。そのときに「インターナショナル孤児院をやりたい!」ってそう言ったの。具体的にどうすればいいのかはわからなくて、まるでリアリティはなかったんだけど、方向性のイメージだけはあったんだよね。

私、小学生の頃から、いじめられっ子の話を聞いたり、その子たちの家に順番に遊びに行ったりとかしてた。先生や親から頼まれたわけでもないのにね。大人になってから、「あぁ、私のライフワークはきっとそれだ」って思ったわけ。人から強制されたり、評価を気にしてやってることじゃなくて、自発的に自分が好きでやったことが自分のライフワークだと思って。

でも、それを仕事にするにはどうしていいかわからなくて、カウンセリング関連の会社や団体とか、いろんなところに見学に行ったり、いろんな人の話を聞いたりしたんだけど、その頃はピンとくるのがなかったの。そのうちにイルカにハマっちゃって、アイサーチの活動がすごく大きな割合を占めるようになって、「これが私のライフワークかな?」って思った時期もあった。でも、日本で初開催だった第4回のイルカ・クジラ会議が終わって、改めて次のビジョンを描いたら、やっぱりインターナショナル孤児院だったわけ。

(つづく)

*第3回は、理想の将来について語っていただきます。 乞うご期待!

(聞き書き・鈴木慈子、構成/編集・小島和子)