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ドールヘッドを自作してみたレポ

私にはずっと前からやりたいと思っていたことがありまして、それは「ドールヘッド作り」です。
自分の癖をみちみちに詰め込んだお顔のドールちゃんにかわいいお洋服を着せて、好きなポーズをとらせてうふふってしたい!!そんな欲望を前々から抱いていました。
でも私にそれを実現する技術なんてないしなーと思っていたのですが、ふとある日気付いたのです。
あれ…もしかして私、ドールヘッドを作る技術がもう身についているんじゃない?と。

この記事を書いている人のスペックはこんな感じです。

・アナログ造形で、何回かフルスクラッチのフィギュアや、ねんどろいどの髪パーツを自作した経験あり。
・デジタル造形の経験は、何年も挑戦と挫折を繰り返し、やっとシンプルなフィギュアなら作れるようになったところ。
・光造形式の3Dプリンターを2台所持。自宅でいつでも3Dデータを出力できる環境。

アナログ造形は10年以上前からやっていたのですが、左右対称な物を作るのが苦手で、ある程度左右対称に作らないといけないドールヘッドなんて無理無理と思ってたんですね。
ところがここ数年でモデリングができるようになり、簡単に左右対称の物を作れるようになりました。
それに加えて3Dプリンターも扱えるようになったので、製造まで自分でできる…え?これもうやらない理由なくない?となり、ドールヘッド作りに着手しました。

本記事では、ドールヘッド作りの過程、感想を時系列で書いています。
感想をメインに書いていまして、この記事を読めばドールヘッドが作れるようになる!という趣旨の記事ではありません。

ドールヘッドができるまで

2023/5/18 デザイン画を描く 

こんな感じにしたいの図

大まかなデザインを考える時は3Dより2Dがやりやすいので、モデリングの前に絵を描きました。絵が下手なのはご容赦ください…。

けもみみショタ大好きなショタコンなので、自分の癖に正直にデザインしました。ホッキョクギツネをイメージしていまして、ほんのりクールで落ち着いた雰囲気の子にしました。

2023/5/20 顔のラフモデル作成

顔のラフモデル

ZBrushというソフトで顔をざっくりとモデリングしました。

その前にBlenderでもモデリングしてみたんですが、細かい造形はやっぱりZBrushの方が楽に感じて、結局ZBrushのお世話になりました…。
ZBrushはライセンス料が高いので、使う時だけサブスクで課金してます。シンプルな物をモデリングする時はフリーソフトのBlenderを使って費用を抑えているんですが、ZBrush高いだけあって便利なんですよね。

最終的には、けもみみをつけて人間耳はつけない予定ですが、耳がないと顔の輪郭がよく分からないので、仮の耳を配置しています。

2023/5/27 髪の造形&仮出力

髪のモデリング

ウィッグの扱いが下手な私でも遊びやすいように、髪も樹脂製にすることにし、髪と耳をモデリングしました。
遊んでいる時に落としても壊れにくいように、毛先を尖らせすぎないようにしています。

また、顔についても多少手を入れています。具体的にいうと、目を少し小さめに修正しています。
絵だったら目が大きくてもかわいいのですが、立体物は目が大きすぎると形が破綻しやすいです(目が大きくても違和感なく仕上げられる人は造形が上手い)

仮出力してみた

形がまとまってきたところで3Dプリンターで出力してみました。
サイズは、オビツ11ボディに合わせる想定で決めています。

デジタル造形では、パーツの分割作業にかなりの時間と手間がかかります。分割作業を何回もやり直したくないので、分割作業の前に必ず仮出力して造形を確認することにしています。

パソコンの画面の中の印象と、実際に手に取った時の印象は結構違うことが多くて、出力すると大体何かしら修正点が見つかります。

修正前後の画像(間違い探し状態)

今回は、大きな修正はしていませんが、髪の毛のボリュームや流れに違和感があったところを微調整しました。

気になるところを大体潰せたら、地獄の分割作業へGO!

2023/5/28 パーツを分割

パーツ分割完了

今回たったの7パーツだったのですが、それでも丸1日かけて分割し、へとへとになりました…。

ドールヘッドらしい表現にしたいと思い、顔と目を別パーツしています。

顔パーツの眉やアイラインは凸形状にしています。これは塗装の時に楽をするためです。

顔と髪パーツの接続方法をどうしようか迷いましたが、磁石を使うのが精度的に一番簡単かなと思い、磁石を埋め込むための窪みを作ってます。

2023/5/30 出力&仮メイク

上手く組み上がった!

分割したパーツを3Dプリンターで出力しました。無事組み上がると毎回感動します。

仮のメイク

仕上がりの雰囲気を見るために、仮のアイを入れて軽く顔を描いてみました。イメージ通りにできてそう!

顔パーツはこんな感じの色にしたよ

顔パーツの色がオレンジ寄りすぎたので、レジンの色をピンク寄りに調整して再出力しました。

レジンの調色はどうやっているのかというと、単純に色のついているレジンを何種類か混ぜてちょうどいい色みに調整しています。
顔パーツには、SK本舗さんのSK水洗いレジンを使っています。白色、薄茶色、朱色を混ぜて調色しました。

ちなみに、髪パーツには、SK10K水洗いレジンを使用しています。10Kレジンの使用感が良すぎて、本当は全部これにしたい…(SK本舗さん、カラバリの追加を待ち望んでいます!!)

2023/6/4 髪の塗装&メイク

背景汚くてごめんなさい…

髪と顔を塗装しました。
髪はラッカー塗料をエアブラシで、顔のアイライン等はエナメル塗料を筆塗りで塗装しています。
色がつくと髪の造形がよく分かるようになりましたね。ふわっとした柔らかい印象に仕上がって満足!

2023/6/5 目のデカールデータ作成・入稿

背景と爪が汚くてごめんなさい…

Illustratorで目のデカールデータを作って、自宅のプリンターで試し刷り&試し貼りを行いました。
デカールの印刷用紙は、ハイキューパーツさんの家庭用インクジェットプリンターデカール用紙を使いました。初めて使いましたが、使いやすくて良かったです。エアブラシと組み合わせて使う前提の商品なので、エアブラシを持っている方でしたらおすすめします。

自宅のプリンターだとあまりきれいに印刷できないので、本番のデカールの印刷はハイキュープリントさんに依頼しました。
この時はワンフェス前の繁忙期で、納期がどうなるかドキドキしましたが、月曜夜に発注して木曜には発送してくれました。いつもありがとうございますハイキュープリントさん!

2023/6/10 本番のデカールでアイ作り

きれいに印刷してもらったデカールでアイ作成

ハイキュープリントさんが印刷してくれた本番のデカールを受け取り、アイを作りました。
目のパーツにデカールを貼って、透明なUVレジンでコーティングしました。
目の色は4種類作ったんですが、黄色は色味を失敗してボツになりました…。

2023/6/11 完成

完成!!

ついに完成してお披露目用の写真を撮りました!やったーーー!!

この時点ではドールヘッドの名前を付けておらず、たっぷり1ヶ月以上悩んで「omimiヘッド」と名づけました。お耳萌えのショタコンが作ったドールヘッド、略してomimiヘッドです。

この後ドールイベントにてomimiヘッドを販売し、ありがたいことに多くの方にお迎えしていただきました。
お迎え後の写真を見せてくださる優しいオーナーさんもいらっしゃって圧倒的感謝…!
フィギュア(ガレージキット)は販売しても写真を見せてもらえることは稀なんですが、ドール界隈はお迎え写真を積極的にシェアする文化があるので、たくさんお写真を見せてもらえて楽しいです。

黒髪ちゃんも作ったよ

レジンの調色に慣れてきた頃に、カラーレジン版の髪パーツも作りました。塗装なしでも見栄えするよう、半透明のレジンで成形しています。黒髪もかわいいでしょ。

まとめ

作り始めたのが5/18で、完成したのが6/11と、1ヶ月かからないくらいの期間で完成しました。やろう!と決意するまで何年もかかりましたが、やってみたら意外とすぐできました。なせばなる!なさねばならぬー!

ドールヘッド作りに必要な技術は、大体フィギュア作りと同じなので、フィギュアを作れる人ならできちゃうと思います。
私がデジタル造形でフィギュアを作れるようになった経緯についてご興味がありましたら、こちらの記事で語っていますのでよかったらご覧ください。

フィギュアとの違いとして感じたのは、ドールは正面顔が大事!ということですね。
フィギュアは斜めから見た顔をメインのアングルとして造形することが多いのですが、ドールオーナーさんたちが撮られた写真を見ると正面顔が非常に多く、正面から見た時の見栄えが重視されているように思います。

造形や絵を描く趣味がある方ならよく知っていると思うのですが、正面顔を魅力的に見せるのはかなり難しいんですよね。
今回、正面からの見栄えを多少意識して造形したつもりですが、斜めのアングルに逃げた写真がこの記事には散見されますね…。じ、次回作はもっと頑張るぞ。

反省点はありつつも、ドールヘッド作りは楽しい経験でした!
長い記事を最後までご覧いただきありがとうございました!