ぬいぐるみを愛好するオタクの生態調査

私はアニメやゲームのキャラクターの姿をしたぬいぐるみを可愛がっていまして、同じような趣味を持つオタクたちがどのような趣味活動をしているのか気になってアンケートを取ってみました。

先日Twitterでこのような募集を行い、ありがたいことに2000件以上のご回答をいただきました!

この記事ではアンケートの結果の概要を掲載しています。
後日、アンケート結果に対する考察などを加筆して、同人誌にしたいと思っています。ご興味がありましたら、2023年5月3日のイベント合わせで同人誌を発行しますので、その近辺で私のTwitterをチェックしてみてください。きっと通販もします。

アンケートの結果を見る前に知っておいていただきたいこととして、回答者層には偏りがあると思います。
アンケートの協力をお願いしたツイートは1000リツイート以上拡散されましたが、女性ファンの多いソシャゲやアニメ、漫画等のコンテンツを愛好する方が主に拡散してくださいました。そういったコンテンツを好む方が多く回答してくださっていることをご理解ください。

さて、本題のアンケート結果の発表といきましょう。

設問1 あなたの年齢を教えてください。

回答者の年齢

20代・30代が非常に多く、20歳未満の方や40歳以上の方は少ないという結果でした。

設問2 あなたの性別を教えてください。

回答者の性別

想像していた以上に女性が多い!2000件以上のご回答をいただきましたが、男性はわずか22名でした。そもそも男性の方に私のツイートがあまり届かなかった可能性がありますね。

設問3 ぬいぐるみの愛好歴を教えてください。

ぬいぐるみの愛好歴

ここ数年でぬいぐるみを好きになったという方と、10年以上(おそらく子どもの頃から)好きという方の二極化しているのが面白いですね。ぬい撮りブームの火付け役になったFree!の「まこぬい」や名探偵コナンの「あむぬい」、ツイステのぬいぐるみのような、有名なぬいぐるみの発売時期と照らし合わせてみたいです。

設問4 所持しているぬいぐるみのジャンル(元となっている作品や人物)を教えてください。

ぬいぐるみの元作品のジャンル

ゲーム・ソシャゲ強し!あんスタやツイステなどの人気のソシャゲのぬいぐるみをお持ちの方が多く、また、ポケモンのぬいぐるみを大切にしている方が結構見られました。
あむぬいを生んだ名探偵コナンや、近年ヒット作品の多い漫画ジャンルのぬいぐるみも人気ですね。

設問5 所持しているぬいぐるみの数を教えてください。

ぬいぐるみの所持数

約7割の方が10体以上所持していて、ぬいぐるみが仲間を呼んで増えていっていることが窺えます。なかには数百体のぬいぐるみと生活されている方もいらっしゃいました。

設問6 所持しているぬいぐるみのサイズを教えてください。

ぬいぐるみのサイズ別の所持率

身長10~12cm程度の小さなぬいぐるみの所持率が高い一方で、30cm以上の大きめのぬいぐるみと暮らしている方も4割以上いらっしゃいます。150cm以上のほぼ人間サイズのぬいぐるみを持っていると答えた方もいらっしゃいました。

設問7 一番好ましいと思うぬいぐるみのサイズを教えてください。

好きなぬいぐるみのサイズ

やはり置き場所問題があるのか小さなサイズが人気です。この後の設問で、ぬいぐるみとお出かけを楽しんでいる方が多くいることがわかるのですが、持ち歩きの利便性の面でも小さなサイズのぬいぐるみが好まれているようです。

設問8 どのようなぬいぐるみ関連の趣味活動をしていますか。

ぬいぐるみ関連の趣味活動の実施率

お出かけにぬいぐるみを連れて行く方が多いですね。職場や学校にこっそりぬいぐるみを連れて行って、心の支えにしている方もいらっしゃいました。
ぬいぐるみの写真を撮る「ぬい撮り」という言葉が認知されてきているように、写真を撮ることを楽しんでいる方も非常に多いです。
私はYouTubeでぬいぐるみ服の作り方を紹介しているのですが、ぬいぐるみ服の自作勢が4割以上もいることにうれしくなりました。

設問9 1ヶ月にぬいぐるみ関連の趣味に使う金額を教えてください。

1ヶ月にぬいぐるみ関連の趣味に使う金額

5000円以下と答えた人が7割以上を占めています。お小遣い程度の金額で安価に続けられる良い趣味ですね。これがドール趣味だったら平均金額がもっと跳ね上がる気がします。

設問10 自宅の外でぬいぐるみの写真等を撮影することに抵抗がありますか。

自宅の外で人目を気にせずぬい撮りできる?

半分以上の方が人目を気にしながらぬい撮りをしているようです。一方で、どこでも撮れるぜ!という強いハートの持ち主も2割くらいいますね。

設問11 ぬいぐるみに付属している布タグは取り除いていますか。

布タグ取る?取らない?

この設問に対する回答はかなり拮抗していまして、「布タグ取りたくない派」と「布タグ取りたい派」が真っ二つに分かれています。布タグはぬいぐるみの一部なのかそうじゃないのか…オタクたちと朝まで討論したいトークテーマです。

以前布タグの取り方動画を作っていまして、布タグ取りたいけど取り方がよくわからないという方は参考にしてください。


設問12 ぬいぐるみに可動用の骨組を入れる「骨入れ」をしたことがありますか。

骨入れの経験

そもそも骨入れという行為がどの程度認知されているのかが気になっていたのですが、骨入れを知っている方の割合は8割以上と、意外と多いように感じました。興味を示している人がかなりの割合でいる一方で、ぬいぐるみを解体するのがかわいそうだからしたくないという意見も多くありました。

私も骨入れにチャレンジしたことがありまして、感想を動画にまとめていますので、興味があればご覧ください。


設問13 あなたがぬいぐるみにハマったきっかけや、特に愛着を持っているぬいぐるみとの出会いのエピソードを教えてください。

ここからは記述式の設問です。任意回答の設問でしたが、4割程度の方が回答してくださいました。熱意あるコメントが多く寄せられましたので、その中でも特に印象に残った回答をご紹介したいと思います。

幼少期からくまのぬいぐるみが好きで10体程度所持し(買う時は連れて帰ってほしそうな顔を選んでいた)、一緒に寝るなどしていた。大人になってからソシャゲ・漫画・アニメなどにハマり好きなキャラクターのぬいぐるみを買うようになった。ゲームセンターのプライズのぬいぐるみを自分で取った時、私のためだけのぬいぐるみのような気がしてとても嬉しかった。

こちらの方のように幼い頃からぬいぐるみが好きだったという方も多くいらっしゃいました。子どもの頃から好きだったものが、オタク趣味と合体したらもっと好きになっちゃいますよね。
ゲームセンターで自分で獲得したぬいぐるみの特別感を上手く言語化されていて、同じ気持ちの全オタクが頷いてくれる気がして掲載しました。わかるわかる!

はじめてネットで推しのぬいぐるみを見た時、モデル写真のぬいぐるみがそこまで可愛くなく、でも推しだからな~と期待せず購入したのですが、なんと届いたぬいぐるみは写真やよその子とは違いとっっっっっても可愛らしかったのです。自分の子になったというフィルターがかかっている可能性もありますが、そこからジャンル移動した今も推しのぬいぐるみを買うようになり、TwitterやInstagram等でよその子の写真を眺め癒されたり、服などを作ってみたり着飾ったり常に持ち歩くようになりました。

入手するまではそこまで可愛いと思ってなかったのに、手にした瞬間に「こんなに可愛かったっけ!?」ってなるの、ぬいぐるみ特有の感覚のような気がします。

アニメにハマりそのアニメグッズを集めていたらTwitterで皆様が素敵なぬい撮りをしていたので好きなジャンルのぬいを持ちたいと思うようになった。

元々特にぬいぐるみには興味がありませんでした。同じジャンルの人達がたくさん持っているのをTwitterで見ているうちに次第に欲しくなり、気づけばたくさん持っていました。「ぬいぐるみは仲間を呼ぶ」という言葉がありますが、まさにその通りです。

SNSやオフ会等で他人が楽しそうにぬい活しているのを見て興味を持ったというご意見も多くありました。

小さい頃に当時大好きだったミニーマウスやセーラームーンのぬいぐるみをプレゼントしてもらい、好きでたまらないけど幼いながらなんとなく「現実の存在ではない」と理解していたキャラクターの存在をこの手で感じることが出来たのが嬉しかったのを覚えています
当時の合皮はもうボロボロですが自分なりに修復しながら未だにセーラーヴィーナスと一緒にいます

ぬいぐるみを介して架空のキャラクターと触れ合えたうれしさがすごく伝わってくる文章で好きです!

もともとドールが好きなのですが、SNSで見かけるぬいぐるみたちが、おそらくぬいぐるみそのものよりずっと良い素材を使ったり手間をかけられたりした服を着せられている姿を見てとても愛おしく感じたのがきっかけです。人間のキャラクターを模したぬいぐるみたちは、どんなに素敵な服を着ていてもどことなく我関せずという風情なのも魅力的です。

服を着せられている感も含めて可愛いですよね。

刀剣乱舞のもちマスを2、3個持っておりそのときはぬいにハマってはいなかった。後々魔法使いの約束で“きらどる”シリーズが出た時から気が狂ってしまった…そして他ジャンルでもぬいにだけは財布が緩いオタクに進化しました。きらどる可愛すぎる…魔性のぬい…

人間の金銭感覚を狂わせる魔性のぬい…恐ろしい存在だ。

初めて買ったのは、Free!のおまんじゅうにぎにぎマスコットでした。
Free!にハマったのが、社会人になってからで、仕事で出張の時に、一緒に連れて行って、心細いときに見て、安心して仕事できました。

心細い時におまんじゅうが静かに見つめ返してくれる光景が目に浮かぶようです。

特にぬいに興味はなかったが人気らしいしよく売り切れるらしいからとりあえず1個買っとこ、とノリで購入してタグを切った途端普通のぬいが「うちの子」になり秒で愛着が湧いてどっぷり沼に浸かりました。

どうしてタグを切ると「うちの子」感が増すんでしょうね。他の人にお譲りすることが難しくなるからかな。


設問14 ぬいぐるみ関連の悩みや困りごとを教えてください。

こちらも記述式の設問です。多く寄せられた意見や、語彙力の高いオタクの名言を掲載させていただきました。

洗濯するのが怖い(今のお顔のフォルムが気に入っているので、洗濯することで崩れないか……ちゃんと中まで乾燥するのか……)

ぬいぐるみの洗濯問題に悩んでいる方が非常に多かったです。他の方の回答で知ったのですが、ぬいぐるみのクリーニングサービスがあって、最近は小さなぬいぐるみも歓迎してくれるらしいです。私も利用してみたい。

愛でれば愛でるほど傷んでしまうこと。着替えやお風呂の摩擦で、この世から少しずつぬいの体積が減ってしまう。でも触れずに飾るだけなんて耐えられない。

そんな…ぬい…減らないで…。

増えすぎて彼らの居住スペースが無くなりつつあります。なるべく狭い所に押し込めたくは無いのですが、現在飾るスペースに乗らない子は仕方なく専用の袋に住んでもらってます。彼らにはかなり申し訳ないです…

多すぎて飾りきれず、圧縮袋に入れられてること。
ごめんな………ぬい達よ…………( ;∀;)

ぬいぐるみが増えて置き場がない!という悩みも目立ちました。
狭いところに押し込んで申し訳ないけど、きっとぬい達も分かってくれるさ…。

今となっては「ぬい撮り」という言葉もありますが、まだまだ認知度は高くない気がします。
人目がやっぱり気になりますね。いい歳した大人が…と思う人もいると思います。
TPOをわきまえて楽しくぬい撮り出来たらいいなと思います。

やっぱり人目が気になります。本当はぬいちゃんのもっと色々な写真が撮りたいと思っても人がたくさんいる場所では人目が気になって、さっと写真を撮ってすぐに鞄にしまってしまいます。

ぬい撮りしたいけど人目が気になるという意見。マナーを守っているつもりだけれども、それでも周りの人に不快感を与えていないか心配だという声が多くありました。

ぬいぐるみは好きだが外に持ち歩く感覚がないので飲食店等で友人がテーブル上に出して撮影を始めると少々反応に困る時がある。

ぬいぐるみが好きと呟いているからか、オフ会等でも一緒に撮ろ~!とお声掛けをいただくのですが、室内て屋外問わず前述したように家から外に出して置くことに「汚い」という意識があるので全く乗り切れず、人との温度感の違いを感じ困る時があります

一方で、同じぬいぐるみ愛好者でも、公共の場でぬい撮りすることに違和感を持たれている方もいらっしゃいます。
衛生面の感覚は個人差が大きいので、同行者が不快に思っていないか気を付けた方がよさそう。

でかけた先の写真が気づけばぬい撮りばかりで人に見せられるものが少ないのでエビデンスのためだけに風景写真をとる必要がある。

ぬいぐるみの写っていない写真をエビデンスって言ってるの面白すぎる。

旅行などで連れ歩く際の迷子対策はどうしたら良いか、いつも悩みます。
自由に一緒に旅したいのに、リードをつけるのではちょっと違うし、でも、自由にぬい撮りしたいし…。
結局30分に一回くらいのペースで点呼をとってはぐれていないか確認することで凌いできました。

迷子対策はみなさん悩まれていますね。点呼をとるという表現がかわいい。

時間経過によって色が抜けたりへたれていってしまうこと。それをぬいぐるみの老いだと思って受け入れてはいます。

経年変化を「老い」と表現して、ぬいぐるみが長く生きた証として受け止めているの素敵です。

回答の通りもういい年齢なのでぬいぐるみ遊びは卒業し、ぬいぐるみ自体手放した方がいいのではないかと悩んでいます
(もちろん若い方は存分にぬい活を楽しんで頂くのが良いと思いますが)一時期はてダで話題になっていたように、いい大人がそうすることにネガティブな感情を持たれても仕方がないと思いますし、推しキャラへの感情はスマホと心の中だけに収めるのが良いのではないかと思い始めています

年齢的にぬいぐるみとお別れした方がいいのだろうかというお悩み。
私もいい歳なので同じようなモヤモヤを抱えていた時があったのですが、菊地浩平氏の著書「人形と人間のあいだ」を読んで、気持ちの整理ができました。「大人たちはぬいぐるみを捨てるべきか」という章の中でこの問題について語られています。興味がある方は読んでみてはいかがでしょうか。


まとめ

アンケート結果の概要は以上となります。
アンケートを作った人の感想としては、回答者の性別などの表面的な属性については偏りがあったものの、ぬいぐるみを愛好するオタクたちが考えていることの多様性が面白いと思いました。同じ趣味活動をしている方でも様々な考えの人がいるので、お互いに想像力を持って楽しくぬい活したいですね。

また、今回掲載しきれなかったご意見の中にも興味深いお話が沢山ありまして、同人誌でじっくりと語ろうと思います。気になる方はぜひチェックしてください!(宣伝)