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夜明けのうた

目が覚めたら早朝、5時だった。

普段から朝起きるのが苦手すぎる私は、1日のエネルギーの7割くらいを消耗して起きる。

その日は、友人が素敵なホテルに連れて来てくれていたので、目が覚めたら、いつもと違う景色だった。
素敵なホテルなので、ベッドルームの窓は大きくて、ベッドに寝そべった状態で、空もビルも見渡せる。

私は布団にもぐったまま、スッっと目を覚ました。
こんなにスッっと目を開けるのは久しぶり。
目を開けると、わたしの視線の高さに月が降りてきていた。

大きな月。
左下が少し欠けたり戻ったり。輪郭がゆらゆらと揺れていて幻想的だった。

空の色はコバルトブルー。群青色。
とても好きな色。

あ、コバルトブルーって夜明けの色なのか。
わかっていた事を理解するって、こういう時だよなって思いながら、秒ごとに変わる空の色をみていた。

今日の月は特別なんだって!
寝る前に友達が言っていたなぁ。

特別なこの日に、何をやめるか選択するといい。
そんなような話を友人が始めた。
私は偉そうに「やめることをやめたら?」と伝えた。

布団に包まれたまま、コバルトブルーの夜明けと大きな月を見ながら、寝る前のこんなやり取りを思い出した。

偉そうにさ。あんた友達に言っといて、
私はどうなの??

私は、やめることはやめると選択した。
それが今年だったなぁ。

コバルトブルーだった空は、もう薄水色に変わり始めていて、私の心は空と同じように白け始めた。
さて、まだ眠らなければと思い目を閉じた。

あぁこの空と月を動画に撮ったり、写真に撮れば良いのになぁわたし。
でも目を開けたくないし、この景色はなんだか特別だった。
特別だったから心にだけ、残しておこう。
独り占めさ。

そんなふうに思いながら、まどろみ始めた。

よあけはやってくる
かなしみのむこうに

まどろみと一緒に、みやじの名曲が頭の中に流れた。
この曲にどれだけ救われたか。

あの頃、自分が自分の望むように生きられていないことに気がついて、とても辛かった。

毎日頑張って生きていたのに、わたしは私が望んでいない行動をし続けていた。
だから、頑張っているのに体も心もボロボロだった。

わたしの好きなこの世界

この人は世界を美しいものとして認識しているんだなぁ。。。
わたしも、この世界を美しいと思えるように生きたい。

そう思って、この曲を聴くたびに泣いていたけれど、今は少し、ほんとに、少しだけど、自分の毎日に責任を持って生きているように思えた。

素敵な夜だった。
一生忘れない。
たぶん。

でも、この日の出来事を、すっかり忘れてしまうような気もする。
もし、忘れてしまっても、それは私が望んだ生き方をできていて、必死に日々を生きているからだといいなと思う。

独り占めさ。私の人生は。

でもわたしは、この大切な思い出を、動画でもない写真でもなくて、私の言葉で記録に残し、独り占めしない選択をしたんだよ。

そうそう、そういうこと。
わたしは、そういう道を選んだんだな。


わたしの好きなこの、世界で。


※バナーの写真は夕陽です。明け方の写真ではない。
※わたしは宮本浩次さんが大好きです。本記事はあくまでも日記の為、文中はいつも呼んでいる呼び方とさせて頂きました。

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