ボケの供養
この世には、悲しくもツッコまれなかったボケがたくさんある。
先日、友人達と話していて、「テニス」の話題になった。
どうやら友人Aと友人Bは、両者とも高校生の頃にテニス部に所属していたらしい。
その話題を受けて、友人Aが友人Bに最後にひとこと。
「お互い元テニス部というコトで、これからもトークのスマッシュを打ち合っていこう。」
その場は、「上手いこと言ってんじゃないよ」的な空気でひと笑いが起こり、次の話題に移った。
私は思った。「スマッシュ打っちゃダメじゃね?」と。
そこは普通「ラリー」やろ。「スマッシュ」とかお互いに自分の話しているだけやん。相手の話を聞く気が全くないじゃん。
しかし、それを思った時、その場は次の話題に移っていたため、ツッコむことが出来なかった。
友人Aからの左に逸れたボケのスマッシュを、私はバックハンドで返すことが出来なかったのだった。
ああ、「スマッシュ」。俺は気付いてあげられたのに、ごめんな。
誰にも気付かれることなく消費されていったボケが、この世にはまだまだ存在する。
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