見出し画像

東大に入学すればどこでも就職できる

こんにちは。初めてnoteに投稿します、青いかさと申します。

私はいま、東京大学の4年生です。つい先日就職活動を終え、最後の学生生活を謳歌すべく経験したことのない物事(学生団体設立の手助け・音楽フェス参加・車中泊で関西一周・弟の家庭教師…etc)に挑戦しようと考えています。その一つが「自分の考えを言語化して文章にまとめること」であり、今回の投稿の動機になりました。

今回お話ししたいことは、「東大に入学すればどこでも就職できる」といった言説についてです。
はっきり言って、それは詭弁であると思います。


私は、ホビーやゲーム、そしてキャラクターIPといった「エンターテインメント」を商材に扱うような企業を志望業界として選び、就職活動を進めていました。(詳しい企業名は重要ではないので、ここでは伏せます)
しかし、私が選んだ業界は、東大の中では少数派です。東大生の就職先は、文系就職ならば官庁や総合商社、外資系、広告マスコミ、コンサル、メガバンク…etc、皆さんが想像する通りの企業がやはり多数派です。

「職業に貴賤なし」とは言ったものですが、こうした企業と比べると自分の内定先は社会的地位や年収の高さにおいてどうしても劣っていると感じてしまったんですよね。
自分で決めた選択のはずなのに。
最終的にはどうせならば自分のやりたいことをやろうと納得して就職活動を終えましたが、数十年後同窓会などで煌びやかな友人の姿を見たとき、ちょっと悲しくなったりするんでしょうか。

よく大人は「偏差値の高い大学に入れば、自分の選択肢が広がる」と言います。
私自身も予備校スタッフとして、悩める高校生によく言います。
高校生の頃はこの言葉を信じて、勉強を頑張っていました。
でも最近、これは半分正解で半分不正解なのではないかと思うのです。

偏差値の高い大学に入れば、確かに大学の名前や人脈によって就職先に検討できる企業が増えます。
しかし同時に、就職先に選ばない企業も増え、結果として就職先に検討する企業のレンジが上に動いただけで絶対量自体は増えていません。東大生がブルーカラーや中小企業を積極的に就職先として選ぶでしょうか?東大生は「東大生のよく行くような業界・企業」に就職するのが常であり、それは選択肢が広がることと同義であるとは思えません。

中には東大生があまり選ばない企業を就職先に選択する人も勿論存在します。
ただそれはあくまで少数派であり、例外なのです。それほどまでに東大生の就職先は固定化されています。

大学は偏差値によって一元的な評価を受けがちですが、大学の価値の本質は偏差値にはありません。もっと大学ごとの特色に目が向けられるべきです。

例えば、自分のようなエンタメ業界を目指すのであれば、そのような業界にOBOGの多い私立大学の方が就職活動は有利だったのかもしれません。
また、自分はサブカルチャー論に興味があり、その研究がしたかったのですが、やはり私立大学の方がそういった新しい学問に寛容であると思います。指導教官にその分野に極めて明るい方がいれば、私は大学院に進み、その分野の研究を深めてみようと考えたかもしれません。


私が高校生に伝えたいことは、偏差値だけでなくその大学の特色など、複数の視点を用いて進学選択を行ってほしいということです。

高校生はまだ子供です。その大多数が保護者の被扶養者です。
しかし、大人になるべき時期でもあります。
自分の進学選択・進路選択が自分の人生を左右することにもう少し自覚的になるべきです。
高校生と接していると、「とりあえず大学に行きたい」と考えている人が多いと感じます。
その態度が私にはどうも受動的・消極的な選択に思えてなりません。

私は「やりたいこと」が高校生の頃から定まらず、その選択を先延ばしにするために「選択肢の広がる」東京大学を目指しました。そのことにおおむね満足していますが、結局就職活動で壁を感じたこともあり、あの時の自分の消極的な態度に対して少し後悔もあります。

今を生きる高校生にはぜひ後悔のない選択をしてほしいと思います。


サポートしてくださったら、私が飛び回って喜びます。