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「小野賢章×細谷佳正 朗読劇 THE CLASSIC ~『平家物語』『犬王の巻』の世界~」に行きました

こんばんは。

先日(10月30日)、西本願寺で開催された

「小野賢章×細谷佳正 朗読劇 THE CLASSIC ~『平家物語』『犬王の巻』の世界~」

に行ってきました!

わたしは朗読劇というものは経験したことがなく、
申し訳のないことに声優さんにも疎めなのですが、

まじでめっっっっっっちゃくちゃよかった、、、、、、(泣)

ほんとうに行ってよかったです。

当選させていただきありがとうございました、、
(どうしてわたしなんかに、、、!)

以下、感想や当日の挙動などを
自分用のメモがわりに書いてゆきます。


まず当日、
わたしは西本願寺には行ったことがなかったので
行く途中で迷子になりました。
(出オチ)(京都在住何年目なの……)

結局間に合ったからよかったのですが!

胸をなで下ろしながら会場に入ると
もう国宝・鴻の間の雰囲気がすっっっごくて、、
キョロキョロ見回さざるを得ません。

障壁画や天井画もとても美しいのですが、
前方の鴻の欄間彫刻が遠くからみてもよすぎでしたね。やばいよ。

そんなプレシャスすぎる空間で16時30分開演、
まずは第一部『平家物語』です。

突然「ゆく川の流れは絶えずして……」
と『方丈記』の冒頭部分からはじまったので、
かなり意表を突かれました。

でもすぐに
これは…『平家物語』の無常観を強調する演出…ッ!!
となってひとり沸いた、、よすぎるだろ。
天才なんだよ、演出。だれが考えたの…

演目の事前発表などはなく、
その場でパンフレットで知ったのですが、
平家パートは

冒頭部分(「祇園精舎の~」)
忠度のエピソード、
敦盛のエピソード、
壇之浦での入水のエピソード、

という構成でした。
(その前後にオープニングエンディングぽいもの)
胸がおどるラインナップにもほどがある。

ごくごく最初のほうは、
わたしが音の情報だけで物語を楽しむということに慣れていなかったり、
空間や演出がすごすぎて目を取られたりしてしまいそうだったりしたので(あと単に緊張する!)

しばらく意識的にお声に集中していました。
そうするうちにどんどん没入感が出てきて楽しい……!!!
新感覚でした。

1つ目の「祇園精舎」は原文を知っているので
こう訳されるのか……と文章表現の美しさに、
そしてその美しい文章が美しく語られるよさに、
じわじわ感動してテンションが上がってゆきます。

(はやく現代語訳ver.挑戦しよう、との決意も固まる)

気持ちが高まったまま本編はじまるぞ!!!
という期待に包まれ、

そんな中語られ始める「忠度最期」。
これはすべて細谷さんがお話しされていました。

ここでだんだん、あまりにも読むのが上手すぎて逆に
待ってこれすごいことだよ…
全然まちがえないどころか表現とかまで全部カンペキだ…
とそっちに気を取られてしまう瞬間がありました。
(気づくのおそいね)

幸いにも9月に訪れていた一の谷、
その景色を思い出しながら聞けたこともあり、
臨場感あふれる世界に浸れたのでした。

聖地は行っとくもんだな〜

次の「敦盛最期」のエピソードは小野さんがメインで、
敵の熊谷直実のセリフのみ細谷さんでした。

(分け方の基準はざっくりおふたりの声質ごとに合っているほうを
それぞれメインでやっている感じなのかな、、?)

敦盛の最期はとても好きな話なので
今回扱ってもらえてめっっちゃめちゃよかったですね、、、、泣

健気な敦盛、そんな敦盛を討ち取る直実の葛藤……
おふたりの演技がたまりませんでした、、、

最後の「先帝身投げ」のパートもほんとに泣けました。
というかね、もうずっとつらいから、、内容が、、、

冷静に聴いていた部分の自分は女性の演技もできるんだなあ、
すごいなあって言ってました。

有名な「波の下にも都が~」のセリフはもう
胸が詰まってしかたありませんでした、
冷静に聴いていたはずの部分の心もこれにはダメでした……

最後、第一部『平家物語』の締めとして
再び『方丈記』が引かれます。

あまりに儚い、胸がぎゅっとする悲しい夢をみていたような気持ちになって、
前半が終了してしまいました……

そういうねらいなんだろうけどあまりにも切ないよ、、

15分の休憩があって、第二部『犬王の巻』に入ります。

なんとここでおふたりの衣装が変わっていました!!!!
すごい。
まとう空気や会場の空気まで変わった気がする。

小野さんが狂言師のような衣装で犬王役、
細谷さんが僧侶のような衣装で友魚/友一役でした、、、

こんなん泣いちゃうやつだよ……(笑顔)

映画の印象に引っ張られて配役を逆に想定していたのですが、
(特に友魚/友一が原作の印象とちがいすぎるので)

よく考えたら、
「犬王の10歳以上年上の」、「(おそらく)ちゃんと僧形の」、
「もちろんロックではない」、友魚/友一だったら、

落ち着き払った低い、
でも歌うのによく適した豊かな声

をしているに決まってたんだよなぁ〜!

すばらしい、似合いすぎる。
(思い出しただけでも手汗かく)

一方の犬王もめちゃくちゃよかったです。

ひとことで言うと明るい芸人って感じで、
原作、というか一般にこの時代の芸能者、
といわれてイメージする最大公約数を
めちゃくちゃ洗練させてカッコよくした感じ?

言語化むずかしいけど、、

友魚/友一とは対照的で、そこもたまらなくよい〜!!涙
(いまだによさを噛み締めてしまうオタク)

はじめて読んだときも思ったしずっと思っていますが、
やっぱり原作の文体がすばらしすぎるんですよね。

疾走感があるけど豊かで、
淡々としてるけどポエムのようで、
なによりこれは一人称の語りで、彼らの歌だという、、

そんなすばらしい文章をすばらしい声と表現で聴くので、
ふつうにずっとキャパオーバーで呼吸困難でした。
誇張ではなく物理的に。

そのぐらいよすぎたんだよ……ッ!!

そもそもわたしたちは小説『犬王の巻』の
“原作キャラクター設定にとても忠実なメディア化”
というものは体験したことがないのでした。
(いま思い出し)

そりゃキャパオーバーなるわ。

出会う前の犬王と友魚のようすが交互に読まれて
次第に近づいてゆくところはドキドキしましたし、

出会いの場面では
「出会っっちゃっったー!!!!」と
叫びましたし(心の中で)、

『重盛』『鯨』『腕塚』を演じるところでは
わたし自身がホンモノの能を観て以前より知識が増えたこともあって、
解像度がバキバキに上がりましたし、

(古川先生がお書きになった新作能は
ほんとに上演できるに決まっているなと確信しました、
どうにかみせてください)

なにより、
今回の『犬王』はひたすら語り部に徹し
ハッピーエンドだったのです、、、、、

われわれが映画を何度も観に行ってしまう理由は、
まぎれもなくあの黄金時代をまた体感したいという欲によると感じていますが、

黄金時代を観に行くと途中退場しない限り
彼らの死別をも観てしまうことになるというジレンマがあるので、
苦しいのです。

しかし今回の『犬王』はたぶん時間の都合で
黄金時代真っ盛りでぷつっと終わってくれたので、
いわば『平家物語』のハッピーエンド(?)の
続編、異聞に徹していました。

『犬王の巻』という物語の一側面だけを拾った感じといえば
そうなってしまうんですが、

わたしとしては
前半の平家パートと後半の犬王パートがこのような形で結びつき、
後味のよい感じで終わるというのは
とてもとてもすてきな構成だったと思います!

こういう『犬王の巻』のメディアミックスもあるんだなあ、、
という感慨、、

いかんせん前半で悲しみがすごかったので、
気持ちが平家サイドに寄っていたというか、

犬王まじでありがとうおかげで成仏できました、
という感謝の意がやみません。
(すべてそのための演出……だったのか……)

あと、朗読って文章の美しさを味わうのにものすごく適していますね。
帰ったらまた原作を確認したいと思いました。

それにしても、今回小説の不穏になる前の大部分を
そのまま劇で取り上げてくださっていた気がする。

小説と今回の脚本を照らし合わせてもっかい見てみたいな、、
そうだ配信があるじゃん!
確認したいですね、配信を!!観よう!!!

(唐突なステマ?)


あと最後の対談についてですが、あれすごくよい効果を生んでいましたね。

空間と演劇のパワーにいい意味でめちゃくちゃ圧倒されていた観客が、
最後に演者のおふたりと「同じ時空間を共有したもの」同士として
打ち解けることができたというか、、、

ことち」の件とかも本番中はとても笑えなかったけど
この緩んだ空気の中ではみんなケラケラ笑っていてハッピーでした。笑

お疲れの中たくさん楽しいトークをしていただけて感謝です。


以上、
取り急ぎ(といってももう4日経っちゃった♡)の感想にはなりますが、
今回はこんなところで、、、!!!!

配信観てまだまだ書き足りねえよとなって書く可能性はでかいです。

貴重な機会をありがとうございました


おわり

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