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SIGMA 55-200mmF4-5.6 DC (フォーサーズ用)

 普段使わない京阪で大阪方面に向かってたんですけど、次行きたいところが梅田だったんですよね。京阪って淀屋橋とか中の島行っちゃうから、ちょっとルートロス。
 しかし、守口とか谷町線に近い駅もあるのを思い出して、じゃあ、ってことで、千林で下りて商店街通って千林大宮に行くことにしたんですね。
 そして歩いてたら、なんか中古カメラを店先に並べてるカメラ屋があるんです。さすがにDPEがメインかなーと思うものの、近づいて中を見ると、なんと棚ふたつ分もジャンクコーナーがある。
 まさかこんなタイプの店が、市内とはいえ旭区の商店街に残ってるなんて、と思いながら物色してたら、smc PENTAX-F 70-210mmF4-5.6が500円、多分これフォーサーズ用だよなと思いながら表題のSIGMA 55-200mmが1000円なのを発見。お救い申し上げてきたのでした。

 あんな店が残ってるとは、千林商店街は奥が深いな……

 で、持ち帰ったSIGMA 55-200mmは、やっぱりちゃんとフォーサーズマウント。実はあんまりフォーサーズのマウントの形をまじまじ見たことなかったけど、まあマイクロフォーサーズに似てたので。
 E-300に付けてみたら、AFモーターも健在だし、絞りも動く。清掃すると特に酷いホコリやカビなども見えない。いいじゃない。

スペックなど

 シグマのサイトの販売終了品ページにもこのレンズは載ってないけど、どうも2003年発売らしい
 となると、EOS Kiss Digitalや*ist Dが出現して間もなく、くらいの時代になるから、ほんとに一般向けAPS-Cデジタル一眼レフの時代が始まると同時に現れたような製品になるなあ。
 最初はキヤノン・ニコン・PENTAX用から始まって、オリンパス・ミノルタと次々廉価な一眼レフを出して普及機を迎えるとともに、純正よりリーズナブルな望遠ズームとして各マウントに展開されていった商品ですね。
 キヤノン・オリンパスはレンズ側にAFモーター。この2社はボディにないので。ニコン・PENTAX用はボディのモーターを使う仕様のはず。多分このレンズだとミノルタもボディモーターかな。
 が、ニコンがD40を出したところでボディ側AFモーターを急に省略したから、慌ててモーター入れて型番にHSMを追加したモデルを出しました。Fマウント版は買う時注意だ。

 しかしこのレンズはどれくらい売れたのかな。なんか影が薄かった気がするけれど。
 フィルムの頃は、シグマ・タムロンのダブルズームを店でボディとセットにして、純正レンズキットより安くする売り方をよく見かけたもんだけど、デジタルでは見覚えないのよね。
 タムロンはデジタルではこのクラスの標準・望遠ズームを作ってすらいないみたいだから、そんなに大きなパイはない、と判断されたか。

 ともあれシグマは売り出した。
 55-200mmは大体25000円くらいで売られたようで、流石にこれだとPENTAXのDA50-200mmF4-5.6より安そうだ。

 最大径70mm、全長84.6mm、重量310gとだいぶコンパクトに仕上げてある。310gってキヤノン用(モーター入り)かな。PENTAXだとモーターなしで作れるから、ちょっと軽くなるはずだけど。
 競合するPENTAXのDA50-200mmは、なんかやたら小さく仕上げてるから、シグマよりさらに一回り小さく軽い。
 CANONの55-200mmと比べると、重量同じでシグマが一回り小さい。
 とはいえ、キットレンズはコストを落としたタイプだったり、フードついてなかったりもする。
 フード付きでちゃんとマウントも金属製、しかも値段が多分1万円くらいは安いであろうシグマは、かなりリーズナブルではあった。

 ただまあ、デジタル一眼レフを初めて買う人は、シグマのレンズって存在も知らないと思う。ゆえに純正を買ってしまう。
 ある程度わかってる人だと、標準ズームはともかく望遠ならフィルムの頃のを使えばいいんじゃないかと思うだろうから、さしあたり買わない可能性が高い。
 デジタル移行とともにマウント変更する、って人ならチャンスあったのかもだけど、うーむ。結構隙間がちいさかったかもしれない。

しかしフォーサーズに関しては

 ここで、今回手に入れたフォーサーズ版。
 これは比較的売れた可能性がある。

 フォーサーズ、というかオリンパスって、2004年にE-300を出した時、ダブルズームの望遠側に設定した40-150mmF3.5-4.5が、センサーサイズのわりに大きめのレンズで出てきちゃった。明るいとはいえ425gある。
 軽量レンズで軽快なシステムにしたい、となると、シグマの55-200mmが純正よりアドバンテージがあった。
 しかもシグマなら換算400mmまで行ってくれるのも嬉しい。

実写

 そういうわけで、E-300につけて近所の桜を撮ってみるのでした。

200mm F11 1/250s ISO100

 早速撮ってみたら、ブレまくってた。
 E-300のCCDセンサーだとISO100からなかなか上げたがらない。それで、200mmだというのに1/125sとか結構平気で出してくる。手ぶれ補正もないんだからそんなんブレる。
 ちゃんと必要に応じて感度挙げて使わないといけないな。

200mm F5.6 1/1000s ISO100

 レンズ自体の最大撮影倍率は0.23倍だったか、まあありがちな200mmレンズのテレ端なんですが、APS-Cだと換算0.35倍くらい、そしてフォーサーズだと1/2倍近くになる。寄れなくて不足ってこともないな。

200mm F5.6 1/250s ISO100

 換算400mmに1/250sは結構厳しいぞ。微ブレを招く。
 SILKYPIXの練習も兼ねて現像してますが、シャープネスの処理が優秀で、僅かなブレとかピン甘かな、というのもシャープネス上げたらキリっとするな。ここ優秀だ。

200mm F6.7 1/250s ISO100

 む、謎のアーティファクトみたいなのが出たな。なんだろ、背景でなにか輝くものがあったか。それともゴースト的に出たのか。

200mm F5.6 1/350s ISO100

 テレ端でもまあ開放からまあまあ文句ない程度には写ってる感じ。フォーサーズは周辺の甘いところ使わないから、レンズの性能が安定して見えるのもメリットか。

122mm F8 1/500s ISO100

 別にズーム中間で変な写りとかもなさそう。

102mm F8 1/250s ISO100

 もうひとつ中間域。なにも問題なし。
 なお発色やコントラストなどは結構現像でいじっちゃってますが、別に逆光で目に見えてコントラスト低くなるとか、どうにも色が転んで出るとか、変なところは特になかったように思います。

176mm F5.6 1/1000s ISO100

 満開の桜を尻目にオトメツバキを。でかい花ならちょっとズーム引く余裕すらあるな。

200mm F5.6 1/750s ISO100

 ソメイヨシノばっかりと思わせてさりげなくヤマザクラが混じってたので、いいところを探して。
 これは当然逆光になってるはずだけど、まあこれくらいなら問題なし。

200mm F5.6 1/350s ISO400

 ボケを見る。いやレンズのボケじゃなくて、この花がボケ。

まとめ

 APS-C用レンズをフォーサーズで使ってるので、周辺減光とか甘さがあってもその部分は裁ち落とされて、画質のいい部分だけ使えます。
 古い廉価クラスのズームレンズって、せめてF8くらいは絞らないと粗が気になるなーとかなりがちなんですけれど、こういうレンズだと悪いとこ切れてるから開放からいけちゃったりしますね。
 たった310gで換算400mmまで伸びて、これくらい写るならなにも文句ないなあ。

 オリンパス純正フォーサーズ用40-150mmって、最初のF3.5-4.5はでかかったんですけど、あとから出たF4-5.6は220gまで小さくなりました。
 まあSIGMAはそれでもテレ端200mmまであるから、選択肢としては引き続きあり。

 そういえば、オールドレンズというのも割と雰囲気で定義なく使う言葉ですけれど、さて。私はもうフィルム時代のAFレンズくらい平気でオールドといっちゃう(記事にタグつける)けど、流石にデジタル用レンズは躊躇しちゃうな。
 普通に考えて、消えたマウントの20年前のレンズなんてもうオールドじゃなかろうか。ボディの方だったら、E-300って流石にオールドカメラでしょ。
 いやでも、うーむ。デジタル用だぞ……。

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