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レンズがないなら作る (LUMIX GF1 + 自作ピンホールレンズ)

 ひょんなことから、もう使わないというLUMIX GF1を頂いたんですね。
 古いm4/3機はリセールバリューが不思議と低いんで、売ってもつまらなくて持て余してたそうで。もちろん、私が自分で使う分には差し支えない。

 ですがレンズがないんです。
 今の私はレンズ買ってる場合ではないのですが、しかし写らないカメラを手元に転がしているのもな。

 ということで、ピンホールレンズを作ってみました。

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 こうやってボディキャップをくりぬいて、アルミ箔を貼り付けてそこにできるだけ小さなピンホールをぷすっと。
 大きめのドリルが見当たらなかったので、小さい穴を多数あけてつなげていくやり方をとったら、だいぶいびつになっちゃった。まあ自分用だからいいとしよう。

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 裏面こんなの。さり気なく黒いテープとアルミ箔を使って内部反射を抑えてる芸コマ。

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 装着して適当に窓に向けてシャッター切ってみるとヴアー。
 センサーのホコリがめっちゃ写りますね。普通のレンズでも絞るとゴミが出まくったりしがちですが、ピンホールレンズだと情け容赦無く細かいチリまで全部写りますね。
 とりあえずブロア吹きまくって大きめのは飛ばしましたが、細かいのはブロアじゃ落ちないですね。拭くのは勇気がいるしなあ……

 ま、ピンホールレンズはレトロな写りが味だし、古写真とか古い映画とかでも大体ホコリついて写り込んでますし。
 よほど汚れてりゃ普段の撮影のためにも掃除すべきでしょうが、まあ程々に。傷でもつけるほうが痛いので。

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 適当に植木鉢を撮ってみる。
 くったくたの写りともいえるし、意外と写ってるともいえるし。

 ちなみに、露出モードはPかAならAEが使える。けどAEがアンダーになりやすい気もするかな。
 シャッタースピードはかなり遅くなるので、ISO3200にした。それでも1/6秒とかのスローシャッターになるんだけど、そもそもそれほど解像力がないから、ちょっとくらいブレたってわからないようだ。

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 おお、大きな文字なら読めるぞ。
 シャープさに限っていえば、ピンホールが小さいほどシャープになるはず。その分光量が減るけど。

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 意外と使いやすい画角だなあと思ってたけど、ピンホールレンズの場合、ピンホール面からセンサー面までの距離と、同じ焦点距離を持つレンズと同じ画角とのこと。
 今回はボディキャップを加工してるから、フランジバックと同じ焦点距離のレンズと同じ画角と思っていいとしよう。
 マイクロフォーサーズのフランジバックは19.25mm。ライカ判換算で40mmくらいか。そりゃ使いやすい標準レンズだ。

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 フランジバック≒焦点距離と考えると、マイクロフォーサーズだと換算40mmの標準で使いやすい。
 35mm番一眼レフだとフランジバックが40~50mmくらいだから、フルサイズなら標準レンズ画角。でもAPS-Cだと中望遠だな。
 近頃流行りのフルサイズミラーレスだと、ニコンZが16mm、ソニーFEが18mm、キヤノンRFが20mmと超広角になるみたい。
 APS-Cミラーレス機は大体どれも換算28mmくらいの広角だから、扱いやすそう。

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 太陽に向けたりすると、こんな派手なゴーストも出る。
 多分これ、ピンホールで回析すると分光されちゃってこんな虹色になるんだろうなあ。原理的に回避不能そう。

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 周辺光量落ちがけっこうあるようにも見える。特に右上。
 単にピンホールの位置ずれもあるとして、ひょっとするとテレセントリック性の影響とかもあるのかな。情け容赦無く画面端は斜めに光が入るはずだから。

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 かわったベンチ。(グランフロント大阪北館屋上にあった)

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 近距離も遠距離もほぼ同じように解像してボケない。理論的には遠近まったく同じ写りではないらしいけど、わからないな。

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 歪曲収差は理論的にゼロのはずで、ビルは実にまっすぐ写る。得意な被写体といえるかも。

 いやーなかなかタノシイ。

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