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遠回りの道、プロセスの大切さ

先日、ある勉強会で、ネッツトヨタ南国の横田相談役と西精工の西社長に、「結果とプロセス」について話し合う機会がありました。
業績・利益がなければ会社は存続しません。だから「結果」を出すことが求められます。結果が出ると人は活気づきますし、そこに報酬と結び付けば一層喜びが高まります。しかし、「結果」を出すことばかりに固守すると、かえって良い結果がでないことがあります。結果を出せない人を追求したり、強く非難する。次第に会社の空気が悪くなる。結果、全体のやる気が低下し、結果も出なくなる。不正が生まれたり、個人主義になってしまうこともあります。しかし、結果が出ないと会社はつぶれてしまいます。結果を大事にするからこそ、それ以上にプロセスを大事にする。ネッツトヨタ南国さんも西精工さんは、遠回りでも、プロセスを少しずつ改善していくことの重要性を話されていました。
 
今、両社は業績も良く、離職者も少ない素晴らし会社ですが、最初から良い会社であった訳ではありません。そんな2社が大事にされてきたのが「真因」を見つけ、改善すること。例えば「社員に危機感が少ない」という課題があった時、危機感をあおるだけで危機感が高まるものではない。なぜ、そうなっているのか?その根本原因はどこにあるのか?深く考え根本原因から解決していく。
昔、西精工で大きな事故が発生した時に、西社長は「なぜ、こうした事故が起きたのか」と、その真因を徹底的に考え抜かれたそうです。そしてたどり着いた結論は、事故の「真因」は、働く人の人生の生き方や考え方が未熟だから、事故が起きてしまった。働く人がいきいき働けない風土に問題があるのだということでした。そこから、挨拶の改善や掃除や朝礼の見直し、人づくりや会社風土の改善に取り組まれていかれました。ただ、そうした取り組みは簡単に「結果」につながるものではありません。スポーツでいうと腹筋やランニングなどの基礎練習のようなもの。やったからといってすぐに結果は出ない。それでも、これをしなければ「よい結果」は生まれないと信じて長年努力を続けてこられた結果、ようやく社員がいきいきと働く会社、事故やミスが起こりにくい会社になられたそうです。「遠回り」に見えることが、実は最も近道である。お二人の経営者が「プロセス」の重要性を語られていたのが印象的でした。
 
今、サッカー日本代表の選手たちが、素晴らしい活躍をしていますが、わずか数秒の瞬間に良いプレーができるのは、それを想定した練習を、子供の頃から嫌がらずに積み重ねてきた選手だけだと言われています。個人でも、会社でも、やはり良い結果を出すためには、遠回りの道を歩むこと。プロセスを大事にしていくことがいちばん大事なのかもしれません。
 

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