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続・人吉球磨地域について

 7月4日の豪雨から1週間が経ちました。
今週は九州及び日本各地で大雨が猛威を振るい、天気予報では来週も雨が続くとのことです。熊本県内では南部だけでなく福岡・大分県境寄りの北部地域でも被害の発生が報告されており、当地(熊本市)でも断続的に強い雨が降っています。
 新型コロナウイルスの第2波とともに、土砂災害・河川氾濫に予断を許さない状況であることは皆様もご承知の通りかと思います。

 被災自治体でボランティアセンターが開設されたとのニュースも聞かれるようになりました。災害のごとに起きる問題が見直され整えられてきた災害時の支援態勢ですが、今回新たな課題となるのは、やはり、ウイルス感染防止対策のようです。
 7月10日現在開設されている各地の災害ボランティアセンターでは、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、参加者の在住地域をそれぞれに限定しています。熊本県内では、人吉市・球磨村(協働で開設)と芦北町が県内在住者、その他の球磨郡町村はおおむね同町内か郡市内の募集となっています。また、接触確認アプリの活用や体調管理に留意するよう呼びかけられています。

災害ボランティアで活動するためのステップ

①募集に関する情報を確認する
 各市町村、都道府県・指定都市に設置された社会福祉協議会(社協)の全国組織である全国社会福祉協議会(全社協)が被災地支援・災害ボランティア情報をWEBサイトで提供されています。

全社協 被災地支援・災害ボランティア情報 https://www.saigaivc.com

 ここで、被災地のボランティア受入状況、各自治体のボランティアセンターの募集内容を確認してください。
 募集状況について自治体へ電話等で問い合わせるのは、復旧作業の妨げとなるので避けましょう。

②現地への移動手段、宿泊手段を確保する
 基本的に被災地ではタクシーを含む公共交通機関は稼働していないため、自動車・二輪車か徒歩になると思います。現地でのレンタカー手配も難しいでしょう。(実際に今回、現地のトヨタレンタカー人吉店も休業を余儀なくされています。浸水被害を受けていると思われます。)
 宿泊施設も被災している場合が多く、宿泊可能な状態でも行政やインフラ関係・医療関係の従事者、被災者が優先されるべきで、ボランティア参加者が旅行感覚で泊まれる場所は被災地付近にはありません。離れた場所で宿をとるなり、知り合いを頼るなりするか、車中泊を検討する必要があるでしょう。

③ボランティア活動保険に加入する
 事前に、自分が住んでいる自治体の社協でボランティア活動保険に加入してから現地に赴きましょう。
 災害ボランティア活動中の事故によるケガや感染症・熱中症などが補償される保険です。(社協に届出があるボランティア活動に限る)
 通常は居住自治体の社協事務所を訪ねて加入手続きをする必要があるとのことですが、今回の令和2年7月豪雨災害の災害ボランティアセンターでの活動については、7月10日以降、WEBサイトからも加入できるようになっていました。一度加入すると年度末(翌年3月末)まで有効で、保険料は「天災・地震補償プラン」で500円となっています。

④現地へ出発する
 必要なものを揃え、最新の道路状況を確認してから出発しましょう。被災地近辺ではアクセスルートが限られることや、復旧作業車等の出入りで渋滞・混雑が予想されます。仲間同士で乗り合わせたり、出発日時を考慮したりして渋滞の緩和を心がけることも大切です。
 また、現地に入る前にガソリンは満タンにしておいた方がよいでしょう。人吉球磨地域は特に、ガソリンの相場は通常時でも他地域と比べて高いです。今回の被災でガソリンの流通に支障が出ていることなどを考えると、地元の人のためにも現地で給油せずに済むように準備すべきです。

⑤現地の災害ボランティアセンターで受付し、活動する
 所定の場所・時間にて受付を行い、ボランティアセンターの指示に従って活動します。
 活動中は熱中症に十分気をつけて、無理をしないようにしましょう。一日の活動が終わった後は、翌日の活動や帰路の安全に支障がでないよう、しっかり休養をとりましょう。

ボランティア以外の支援

 このノートは、発信者自身がどう関わることができるかを模索しながら書いているところがあるため、個人的な意向・見解が多く含まれています。
 また、推奨事項なので記してみたものの、実際にその通りにはできないこともあります。(一例:接触確認アプリは対応端末を所持していないため、私は利用できません。)
 いつでもボランティアに行けるように準備は進めていますが、今日の雨の状況ではまだ難しいとも考えています。もしかすると、日程の都合やなにかでこのまま人吉球磨に行く機会を失うことになるのかもしれません。
 「行きたかばってん、行かれんたい」という人もたくさんいると思います。それでも何か力になりたいと思う人ももちろんいるでしょう。

だけど、今は、物を送ることはやめた方がいいです。

 これだけは断言できます。
 あてもなく物が送られてくるとどうなるか想像してください。
 熊本地震の際には、まず、物資を運ぶトラック、自動車で深刻な渋滞が発生しました。
 次に、置く場所が必要になり、本来の用途とは違う場所が充てられ本来の用途を果たすべき活動の再開に待機時間が生じました。
 荷物の積み下ろし、仕分けには労力が必要となります。在庫も管理しなければなりません。
 需要がどこにどれだけあるのか調査しなければわからない物もあります。期限のある物であれば、時間との戦いも生じます。
 数が足りなければ、公平性は保てません。
 どうしても物を送りたいのならば、必要としている人が必要な数を自身で調査して確認してから、必要としている相手に直接送っていただけると助かります。
 郵便や宅配、物流の遅延や引受停止が解消していない時期に、慌てて送るべきかどうか今一度考えてみてください。

 取り急ぎ、力になりたいのであれば、お金が一番だと思います。
 さまざまな機関、団体で義援金の受付が始まっています。
 県や自治体ではそれぞれの義援金口座に送金する形のほか、ふるさと納税制度を利用した支援もできるようになっています。(人吉市などの自治体ホームページは復旧したようです。ホームページに受付方法の記載があります。)
 ボランティアなどの活動団体で特定寄付口座を設けているところでは、活動を通して現地の助けにもなるはずです。
 個人的に、是非とも応援したいと考える以下の2団体でも寄付金の受付を始めたとのことなので、勝手に紹介します。

くま川鉄道株式会社 https://www.kumagawa-rail.com
球磨焼酎酒造組合 http://jp.kumashochu.or.jp

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