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【N◎VA】絶対に世に出してはいけないカード(4月例会レポート)

 2024年4月14日に開催された、「TRPG circle F.I.N.(エフ・アイ・エヌ)」4月例会で、「トーキョーN◎VA THE AXLERATION(ジ・アクセラレーション)」のルーラー(ゲームマスターのこと。以下RL)をしました。

■成立卓

・トーキョーN◎VA THE AXLERATION
・Sinless
・カレコレTRPG
・モノトーンミュージアムRPG(書架ver)
・捏造ミステリーTRPG 赤と黒
・TORGエタニティ

■参加人数

・総数 31名
・内新規参加者 2名

■ちょっとだけ宣伝その1

 私・Aketaは、YouTubeにチャンネルを作っています。
 TRPG初心者向け動画、ゲームマスター向け動画などを配信しています。

 「期待値なんてない!-TRPGについて語るチャンネル-」

■ちょっとだけ宣伝その2

 Aketaが所属する「TRPG circle F.I.N.(エフ・アイ・エヌ)」は、大阪で活動するTRPGサークルです。
 月一回、TRPGのフリープレイ例会を開催しています。
 新規参加者は常に募集中。TRPG初心者も大歓迎です。
 参加方法については下記のページをご覧ください。

■“元キング”であり“元ジェイク”

 今回は自作シナリオ「究極幻神獣」をプレイしました。参加キャラクターは下記のとおり。

▼ジェイク坂本(じぇいく・さかもと)

 高校生プロ決闘者(デュエリスト)。カブキ=カブキ◎●、バサラ。18歳男性。
 カードゲーム「マジック&ウィザーズ」のチャンピオンであり、“キング”と呼ばれていた。が、それも1シーズンだけの話。今は挑戦者に敗れ、“元キング”と揶揄される日々を送っている。
 なお、その挑戦者こそ「ジェイク杉本」を名乗る最強の決闘者であった。ジェイク(杉)に負けたジェイク(坂)は“元キング”以外にこう呼ばれることになる……“元ジェイク”と。

 純とは金の関係である。

▼高橋純(たかはし・じゅん)

 探偵業を営む25歳の男。フェイト◎カタナ●チャクラ。
 ヘイロン・ケミカルに勤める父を見ていたが「会社勤めなんてつまらなさそう」という理由で反発し、不良となる。金への執着心が強く、大金を得るため、すべての報酬をふところに入れることができる自由業「探偵」となる。
 過去に、遊ぶ金ほしさに強盗殺人(!)をした経歴があるが、父親に金を積んでもらい、執行猶予にしてもらった。それ以外にも、圧をかけてもらってヘイロン・ケミカルの工作員“無”から仕事をもらったりと、反発している割には父親に頼る。
 要は「ろくでなし」である(プレイヤー談)。

 金糸雀とは(元)犯罪者同士でウマがあうと思っている。

▼佐伯金糸雀(さえき・かなりあ)

 ゴーストハウンドから機動捜査課へ出向してきた16歳の少女。イヌ◎タタラ●ニューロ。
 基本引きこもりなので、常にDアイコンでウェブを介して登場する。アナーキーな性格で、ブラックハウンドが押収した証拠物件をぽっぽないないし、タップの強化や新しいサイバーウェアへの換装などを勝手に行っている。かなり自由な性格なので、ハウンドの上層部からは煙たがられている。
 過去に逮捕された経歴があるが、司法取引の結果、ブラックハウンドで監視されることになった。

 サラのことは「マリオネットなんかさっさとやめて、フリーの戦場カメラマンを目指せばいいのに」と思っている。

▼カタオカ・サラ

 長髪とくわえ煙草が特徴的な美女。一人称は「あたし」の31歳。ミストレス◎トーキー●マネキン。
 戦場で育ったため、戦場に生きる人たちを撮るカメラマンを目指している。しかし、何をするにしても後ろ盾は必要と感じており、大手メディア企業「マリオネット」に所属している。特ダネをものにすれば戦場へ行かせてもらえると思っているが、なかなかうまくいかないのが現状。
 自分の力で世界を変えたい、という野望がある。そのためには、捏造もいとわない。ピューリッツァー賞を狙っている。

 ジェイク坂本のことは「まだ高校生だし少し面倒みてやらないといけないかな」と思っている。

 今回のシナリオは、カードゲーム「マジック&ウィザーズ」のプロリーグ優勝者の失踪事件を追う、というものです。
 プロリーグでは、日本円で10億円以上の金が動きます。そのため、黒い噂が絶えません。

 ◆ ◆ ◆

 純のもとを、遊城レイという女子高生決闘者が訪れます。彼女はプロリーグの優勝チームの一員であり、行方不明になったリーダー・相剣あやめを捜してほしいと頼みます。

「捜すのは構わんが、先立つものはあるんだろうなあ?」
遊城レイ「私の手もとにはプロリーグの優勝賞金がまるまる残っています。それを全部使っても構いません」
純「思わず身を乗りだします」

 億単位の報酬に目がくらむ純。しかし……。

 ◆

 友人であり決闘者としてライバルでもある相剣あやめを捜すため、ジェイクは動きだします。

RL「顔が一応売れてるから、あっちこっちで“元キング”て呼ばれそう」
ジェイク「俺のことを“元キング”と呼ぶなぁ!」

 しかし、あやめとの対戦成績は、10回戦って3回勝てる程度。1シーズンだけとはいえ、よくキングになれたものです。

 ◆

金糸雀「(朗らかに)ああ、高橋さんじゃないですか。どうしたんですか、仕事ですか」
「(こっちも朗らかに)色々ありましてね」

 (元)犯罪者同士、何か通じるものがあるらしい。

 ◆

 あやめが、「闇のゲーム」と呼ばれる魂を賭けた決闘で負け、洗脳されてしまった疑いが出てきました(実はOPのルーラーシーンで出ている)。
 あやめの魂を救うには、闇のゲームで勝利するしかありません。しかし、あやめが持つレアカード「相剣シリーズ」に打ち勝つには、《究極幻神獣》と呼ばれるレアカードが必要です。確実に勝つには、絶対に必要なものでした。

金糸雀「《究極幻神獣》……漢字多くない?」
サラ「カタカナで書いたら大変なことになりそう」

 ◆

 あやめのチームメイト・ライナは、自分のせいであやめが拉致されたことを後悔しています。

RL「ライナは『私はプロリーグでもほとんど勝てませんでした。もし、あやめを守れるぐらい強ければ、こんなことにはならなかったのに……全部、弱い私が悪いんです』と嘆きます」
ジェイク「しかし、君がいないとチームメンバーは足りなくなる。君がいたからこそ、チームは優勝できたんだろう?」
RL「ライナははっとした表情になって、『流石は元キング、言うことがちがいますね』と言います」
ジェイク「だから“元キング”というなぁ!」

 ちょっと補足すると、この世界の決闘者はカードを通して現実世界に干渉する力を持っており、その力は建物を倒壊させるほどのものがあります。ちょっと喧嘩が強い程度のチンピラでは歯が立ちません。テラウェア・コーポレーションでは、そういう決闘者……デュエリスト兼ニューロを工作員として大量にかかえていると言われています。
 ライナは「自分がもっとデュエルが強かったら、あやめを守れたのに」と嘆いていたのでした。ですが、ジェイクの言葉で、自分の存在意義を取り戻します。

RL「ところで、ジェイクはプロリーグ出なかったんですか?」
ジェイク「決闘者は孤独だ。俺はひとりで戦う道を選んだ」
金糸雀「メンバー集まらなかったんじゃ……」
ジェイク「それを言うなぁ!」

 ◆

 ある場所に眠っていた《究極幻神獣》を手に入れた一行は、黒幕(ネタバレなので伏せます)と、洗脳されたあやめのもとへ向かいます。
 あやめの洗脳を解くため、《究極幻神獣》で戦おうとするジェイクですが、ライナにとめられます。ライナは「私にやらせてほしい」と、強い口調で言います。

RL「『あやめを、助けたいんです』」
ジェイク「なるほど、わかった。君に任せよう。……まあ、俺のデッキとシナジーがないから、その方がいいんだけど」

 先のジェイクの言葉に力を得たライナは、仲間であるあやめと対峙します。
 実は、ライナか遊城レイの悩みに対し、適切な言葉をかけなかった場合、最後の戦闘であやめが参戦することになっていました。ライナに勇気を与えたことで、一行はクライマックスフェイズの戦闘を少しラクに進めることができたのでした。

 ライナとあやめが決闘しているあいだに、黒幕の部下が襲いかかってきます。しかし。

「《死の舞踏》! 降魔刀で相手を切り裂きます」
RL「ならば《難攻不落》で打ち消し……」
ジェイク「《チャイ》で《難攻不落》を打ち消し!」
金糸雀「じゃあ一言、『もう一歩踏み込めば、切れると思うよ』

 およそ3カットの戦いの末、黒幕の部下は倒され、黒幕は金糸雀の《制裁》とサラの《暴露》を食らって、社会的に抹殺されるのでした。

 一方、あやめとライナの決闘は……

RL「ライナは3体の生贄を捧げ、《究極幻神獣》を召喚します。『召喚成功時の効果を発動! 互いのデッキから全てのモンスターを表側表示で除外し、その攻撃力の合計ぶんのダメージを相手に与える!』
RL「あやめは驚きます。『馬鹿な! 《スキルドレイン》でモンスター効果は無効──』
ジェイク「モンスターではない、神だ!」
RL「お前が言うんかーい!」

 見事勝利を手にしたことにより、あやめの洗脳は解かれ、ライナと遊城レイはチームリーダーを取り戻したのでした。

ジェイク「ほとんど禁止カードだったな」
RL「神なんで。それも、絶対世に出したらあかんタイプの」

 ◆

 あやめを見つけだした純は、遊城レイから億単位の報酬を受けとろうとしますが、

RL「突然、天井近くにパトランプが現れ、警告が発せられます。『こちら探偵組合N.I.K.の監視AIクインティア。あなたは規定以上の報酬を受けとろうとしています。規定に従わない場合、探偵の免許を剥奪します』
「ええ!? じ、じゃあ、いくらぐらいに……」
RL「遊城レイが色をつけて200万(2プラチナム)出してくれます」
純「億が万に……」
RL「『ピッピー! 未成年特約が適用されていません』とクインティアに言われ、報酬はさらに半分となります
「ちくしょー! おいお前、今度俺に依頼するときは、成人してから来いよ!
RL「遊城レイは純に頭をさげ、『もし、また何かあったら、必ず高橋さんに依頼します。そのときはよろしくお願い致します』」
純「未成年だったら、親連れてこい。いいな?」

 ひどい探偵もあったものです。

 ◆

 プロリーグの裏で暗躍していた黒幕は、メディアの前に立たされ、釈明に追われます(《暴露》の効果)。

RL「ではそこにブラックハウンドが乱入し、『お前を未成年者誘拐の容疑で逮捕する』と言って手錠をかけます」
金糸雀「ちゃんと仕事するときもあるんですね、ハウンド(ひどい)」

 さらに金糸雀は、プロリーグ主催者がデュエルディスクにしこんでいた違法プログラムを除去し、健全な決闘を取り戻すためのアプリを制作、ブラックハウンドから流します。このアプリは他企業でも使われることになり、金糸雀は結構な額の金を手に入れるのでした。

 ◆

 サラは今回、特ダネをものにしたことで、かつて自分が育った国……今も戦場となっている場所へ行けるようになりました。

RL「プロデューサーの結城あやは『いいわ。戦場カメラマンとして、行ってきなさい。上が何と言おうと、私がねじこんであげるから』と約束してくれます」
サラ「ありがとうございます」

 ◆

 ジェイクは《究極幻神獣》を封印するため、封印の役割を担う者のもとを訪れます。

ジェイク「これを世に出すのは早すぎる。地球が滅亡しかねないからな」
RL「『そうだね。再封印を施そう』」
ジェイク「じゃあ、僕は次の決闘へと赴きます」
RL「『応援してるよ、“元キング”』」
ジェイク「だから“元キング”って言うなぁ!」

 ◆ ◆ ◆

 今回のセッションは「トーキョーN◎VA」だけではなく、TRPGもほとんど初心者の方を迎えたものとなりました。自由な演出を提案しつつ、できるだけ窮屈にならないようなマスタリングを心掛けましたが、さて上手くいったのかどうか。
 あと、金糸雀のプレイヤーはいつも面白い行動をしつつ、最後はきれいにまとめてくれるので助かっています。ありがとうございます。

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