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水平線上の建築(アーキテクチャー) ―フランク・ロイド・ライト展―

・豊田市美術館の「フランク・ロイド・ライト展」へ行ってきた。
タイトルは映画コナンっぽく。

・豊田市美術館は2度目の訪問。前回はモンドリアン展。
豊田市美術館、ドーンとでかいのに威圧感みたいなのはなくてなんか面白い。
構造もかなり好き。家の近くにこういう建物があったらいいのに。

・知り合いに豊田市美術館近くのラーメン屋をオススメされていたので先に行ってみた。
お店は人気店だけど駐車場は広くなさそうだったので、豊田市美術館の駐車場に車を停めて歩いて行った。

・豊田市美術館の周辺、高低差やばすぎ。

・ラーメン屋に行くまでにとんでもない傾斜の坂を上り下りさせられた。
地図だとすごく近くにあるのに。高低差は罠だった。おかげでふくらはぎがパンパン。
ラーメンはオススメされただけあってすごくおいしかった。
虎玄という担々麺のお店。また行きたい。


・フランク・ロイド・ライト展。
特徴的な模様のステンドグラスとか食器とか明治村にある帝国ホテルのイメージしかなかったけど、丁寧に歴史が説明されていて良かった。
プレイリー・スタイルという水平の広がりを大事にした建築が思想の基礎にあるのだと分かった。
直線や幾何学模様をメインにしているのに、自然に溶け込むというか自然に馴染むような建築。
無機なのに有機的。きっと自然の中から見出された直線をもとにしているからだと思う。
こういうバランス感覚はどうやって生まれるのだろう。
建物の見取り図見るの大好きだからいろんな面白い建築物の見取り図が見られて興奮した。

・帝国ホテルについてもいっぱい紹介されていた。
明治村にある帝国ホテルをあらためてよく見たくなった。マヤ文明を参考にした石の造形とか。
がんばれば明治村にも行けたけどさすがに盛りすぎだと思ってやめた。
でも行っても良かったかも。新鮮に帝国ホテルの意匠が楽しめたと思う。

・ところで帝国ホテル、明治村で初めて見た時に思ってたより全然小さくてかなりビックリした記憶がある。
帝国ホテルのロビー館なのだから縦ドーン!横ドーン!な規模マッスルな建築だと思ってた。
たぶん想像以上に天井が低いからだと思う。
今回の展示で水平への広がりがもとにあることが分かってすごく納得した。螺旋で有名なグッゲンハイム美術館も、場所が制限される混雑した都市部で水平への広がりを実現するための解決案だったと知れた。
ライトの基本的な関心はやっぱり横への広がりなんだ。

・建物ごとに椅子などの家具もデザインしていてめちゃくちゃ素敵だった。
ジョンソン・ワックス・ビルの建物のデザインもすごかったけどそれに合わせた丸を基調とした椅子がライト節丸出しで良かった。

・ちょっとした不満が2点。
写真を撮っていい作品がいくつかあったけど、そのうちのひとつ「クーンリー・プレイハウス幼稚園の窓ガラス」がフロアのど真ん中に近い位置に置いてあり、しかも裏側の近くに別の説明パネルがあって立ち止まって読む人が多くいたため、人の写り込みが避けられなかったこと。(タイトル写真参照。これでもかなり粘って写り込む人が最少の瞬間を選んだ)
窓ガラスだからガラスを通して人や背景も見えるんですよ的な意図があったのかもしれないけど普通に他人の写り込み無しで写真撮りたかった。
もう一点がグッズがあんまり響かなかったこと。
ライトの特徴的な柄のハンカチとかアパレルがあったら絶対買ってたんだけど、クリアファイルとエコバックとカードくらいしかなかった。
マジでハンカチはあってもよかったのでは。モンドリアンの時はあったのに。
ピアスもあったけどぶら下がり式だったから似合わないなと思ってやめた。かわいかったんだけどな。

・思い出しついでにモンドリアン。
ライトとモンドリアン、どちらも直線や幾何学が印象的という共通点があるけど、なにかしら影響し合ったとか関係し合ったとかはないのだろうか。
生まれはほぼ同年代、基本は絵画だけどデ・ステイルを通して家具や建築にも関係し最終的にアメリカに渡ったモンドリアンと長年に亘り建築界で活躍したライトが何かしら関係していたとしてもおかしくなさそうなのに。
表面的な印象で似ていると自分が感じているのだけど、その根本は似ているようで大きく違うのかも。
モンドリアンは丸のような曲線は使わないし。
でもどちらもモダンで好きということには変わりない。


・振り返りの日記書いてて思ったけど、渡されたパンフレット(作品リストが載ってるやつ)にメモ残しながら鑑賞した方が良かったかもしれない。
思い出しながらだとかなりあやふやで記述内容が正確かあやしい。
これ書きながらフランク・ロイド・ライトのWikipedia読んだら、婚姻関係が複雑というか込み入った人だったんですね。
2番目の奥さん(内縁)の方とは不倫状態で、しかもこの奥さんは殺人事件に巻き込まれてた。
ロイド自身も逃避行やバッシングで低迷期を迎えていたとか。
このあたりの説明は美術展内ではなかったと思う。読み飛ばして気付かなかっただけ?
まぁ偉人といえど業績に関わらない個人のプライバシーは出すだけ野暮ってことか。

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