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【第28回】節約レシピと現実を捻じ曲げる力。

クックパッド。それは日本最大のレシピ共有サイトだ。

普段から利用している人も多いと思う。僕も何度か利用させてもらっている。

けれども、このサイトを見る度に僕はイライラしていた。

片栗粉?あるわけないじゃないか!

オーブンなんか持っているわけないだろ!

クックパッドはレシピサイトとしては優秀だと思う。けれども、その分料理好きが集うサイトでもあるから、一人暮らしの適当な料理をしているような人では持っていないような調味料や器具ばかりレシピに書いてある。

こちとら調理器具なんかフライパンと小さい鍋、それと電子レンジくらいしか所持していないわけで。

なにか一品のために調味料をわざわざ買ってくるのバカバカしいし節約にもならない。おかげで冷蔵庫に以前買った1kgの砂糖が鎮座している。

そんなわけで今回は一人暮らしの人でもできる安くて、簡単で、美味いレシピを紹介しよう。

■用意するもの 鶏皮・・・適量 キャベツ・・・適量(もやしだけでも可) もやし・・・適量(キャベツだけでも可) 液みそ 料亭の味・・・適量(無ければ塩コショウで代用可) チーズ・・・少々(あれば)

超適当レシピだ。全部適量でいい。食べたいだけ食べればいいし具材もお財布と相談すればいい。冷蔵庫の余り物を使えばいいし、何なら増やしても構わない。肉感がほしいので鶏皮を採用しているが財力に余裕があるのであれば鶏肉や豚肉、牛肉を使ってもよいだろう。

味見を少しずつしながら調理すれば味が「濃すぎた」「薄すぎた」という問題はだいぶ解消されるので安心してくれ。これで1食あたり100円程度なので節約にもなる。

「おい、ちょっと待て。液みそ 料亭の味ってなんだ?」と思った人もいると思う。「そんなもの持っていないぞ!」という人もいるだろう。

説明しよう。これはマルコメから発売されている液体状のみそだ。普通の人がイメージするような固形状のみそとは違い液体なので非常に扱いやすい。インスタント味噌汁のようにお湯を注げば味噌汁が完成する。それでいてインスタント特有の味ではない、いつもの味噌汁が出来上がるのだ。

大家族でならまだしも一人暮らしや少人数の家族なのであればこれで十分だと思う。「味噌が俺は大嫌いなんだ!」と思う人以外は、これは持っておいても損はないだろう。味噌はもともと保存食なので日持ちもする。

閑話休題。

さて、早速調理に入っていこう。

まずはキャベツを適当に切る。千切りだとザク切りだとかいろんな切り方があるけれどもそんなのはどうでもいい。食べやすい大きさであればいい。そんな寛容さが今の時代、必要なのだ。

キャベツの芯は固いのだけれども細かく切ってしまえば火はちゃんと通る。それをすてるなんてとんでもない!

キャベツを切り終わったら中火で鶏皮を炒めよう。油なんてひかずにある程度フライパンが温まったら鶏皮を放り込めばいい。必要な油は鶏皮自ら出してくれる。ここでのポイントは強火にしすぎないこと。火が強すぎるとフライパンにくっついてしまう。

炒め加減も適当でいい。パリパリがいいならキッチンペーパーで油を吸って捨てていこう。僕は面倒なのでしなかったが。それにここで出た油は次に野菜を炒めるのに使うのである程度は残しておく必要がある。

十分に鶏皮に火が通ったらキャベツを加える。ちゃんと鶏皮とキャベツを混ぜるように炒めていこう。

焼き加減も適当でいい。キャベツは生でも食べられるからだ。ある程度しんなりしたらもやしを加えていく。

もやしは調理する前に洗ったほうがいいらしいけれども面倒なので袋を開けてそのままぶちまけた。袋にも洗わずに食べられると書いてあるし。加熱しているので大丈夫だろう。気になる人はちゃんと洗ってください。

具材を混ぜながら炒めていく。もやしの色が白から透明になってきたら火が通った証拠だ。ここでアレを加えて味をつける。

ジュゥゥゥゥゥゥ・・・!!!

味噌のいい香りがしてきた。ここでさっと味噌と具材を和えればもう完成だ。

このまま食べてもおいしいのだけれども一手間を加えれば更に進化する。

パラァァァッ・・・!(チーズを振りかける音)

ブウゥゥゥゥゥンッ!チン!(電子レンジの唸る音)
先程も述べたとおりオーブンがないのでレンジで代用する。

完成!

味噌とチーズの相性は最高なのでこの一手間で激ウマになる。ピザとかにかけるようなチーズは少しずつ使っていけば安く済ませられるのでスライスチーズを買うよりも実は経済的だったりするのだ。

たったこれだけでご飯も、もりもり進む。普段自炊をしない人も是非作ってみてほしい。

それにしても・・・。

この写真だけだと全然美味しそうに見えない。インスタ映えとは真逆に位置する存在だ。食べ物にこのような表現を使うのもどうかと思うけれども悪魔の吐いたゲロのようにしか見えない。

そうだ。Foodie(食べ物専用カメラアプリ)で加工してみよう。

うん、うまそう。

写真だけ見ればおしゃれなカフェに出てきそうな一品になった。Foodieってすごい。

現実を捻じ曲げる力がここにはあった。

────力がほしいか?

────ならばFoodieをダウンロードするのだ。

────さすれば力が与えられん。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました! ご支援いただいたお金はエッセイのネタ集めのための費用か、僕自身の生活費に充てさせていただきます。