時間を共通リソースとした社会の基本モデル化(ミクロ編)

ここ最近、小説を書くにあたって考えていたことは、如何にリアリティのある人間社会を作るか、である。

当たり前だが、人間社会は無数の人間たちが構成する組織である。しかし、構成する無数の人間が取れるであろう行動は無限ではないのだから、それは何かしらの方法でモデル化可能なはずだ。

このnoteは現実的な人間社会が如何に構築されているかを考えるため、個人的に考えたことをまとめ上げるために作成したものである。

さて、人間をモデル化する際に、最も必要なものは「人間の行動を説明可能であること」だろう。人間の行動とは、即ち生きる営みであるのだから、人間の定義もそれに従う必要がある。最も素朴な人間の定義、それはすなわち「人間とは、生きるシステムである」となるはずだ。

では生きるとは何か。マトリックスのごとく、マシーンに繋がれて生体電池として在ることは、おそらく生きる事ではない。そこには自由意思による選択の余地がないからである。しかし、全てを自由意志のままに選択するのもやはり生きることではない。人間は食事や洗濯、睡眠などを絶対に必要とするからだ。

故に、生きるにあたって重要なのは、「生命維持に必要な事柄をこなしつつ、その合間に自らの行いたいことを選択して実現する」こととなるだろう。ここで、人間の定義は「人間とは生命維持に必要な事柄をこなしつつ、その合間に自らの行いたいことを選択して実現するシステム」となる。

そして、個人の人間が単独にて選択を行うものである以上、その選択を実行している間は他の選択は原理的に選択不可能である。本を読みながら自転車に乗るとか、スマホを弄りながら車に乗るとか、そういうことは(やれるかどうかは別として)満足にはできない。ならば、人間というシステムは常に時間を消費して動くものであるという事実から、時間をリソースとしてみなすことができると考えられる。そしてこの際に、同じ動きであっても、それに必要とされる時間は人によって違うものであることは直感的に自明であるので、これを行動係数として代入する必要がある。

これを式で書き表すと、人間というシステムは「経過時間=生命維持時間×生命維持係数+自由行動時間×自由行動係数」という方程式が常に成り立っている、と言えるはずである。

さて、ここで自由行動について考える。ここにはゲーム理論やミクロ経済学の枠組みが丸ごと応用できると思われる。特に、人によって何を志向するのかは違う、という辺りは効用関数の考え方を丸ごと応用してしまってよいだろうし、自由行動係数を一つの効用関数として定義するのは妥当であろうと思われる。この自由行動の係数を示す効用関数を、「自由行動効用関数」と呼ぶ事にしよう。それにより、自由行動によって得られる効用も同様に定義できる。

かくして、個人の人間というシステムは、時間をリソースとして以下のように定義される。

「経過時間=生命維持時間×生命維持係数+自由行動時間1×自由行動効用関数1+自由行動時間2×自由行動効用関数2+・・・自由行動時間n×自由行動効用関数n」という方程式に従い、「効用=自由行動時間1×自由行動効用関数1+自由行動時間2×自由行動効用関数2+・・・自由行動時間n×自由行動効用関数n」を最大化する。

これを、「個人の生存方程式」と「個人の効用方程式」と便宜上定義する。

さて、在る一日を考えた時、最も個人が満足できる、最大の効用を得られるのはどのような状態だろうか。経過時間は一定で、生命維持係数が変動しない限り、生命維持時間も一定だ。であるならば、このモデルにおいては余った自由行動時間を全て最大の自由行動効用関数につぎ込むのが理想的である。だが、それは現実的に可能であろうか? 山登りが好きだからと言って、永久に山を登り続けることはできるだろうか? 対戦ゲームが好きだからと言って、常に相手は居るだろうか? 無論、答えは否である。あらゆる自由行動には、それを実行可能な最大時間が存在する。そして、その実行可能な最大時間は「個人の自由意思のみでは決定できない」ことになろう。

かくして、個人の行動をモデル化した場合、個人レベルにおける最大の理想は「自由行動時間を、可能な限り効用が高い自由行動に対して上から順番に最大限実行する」となる。これを「最適自由行動」と定義しよう。

以上をまとめると以下のようになる。

1.個人の人間というシステムは、時間をリソースとして以下のように定義される。これを「個人の生存方程式」と呼ぶ。

「経過時間=生命維持時間×生命維持係数+自由行動時間1×自由行動効用関数1+自由行動時間2×自由行動効用関数2+・・・自由行動時間n×自由行動効用関数n」

2.個人の人間というシステムは、時間をリソースとして、以下の「個人の効用方程式」の結果を最大化するために駆動する。

「効用=自由行動時間1×自由行動効用関数1+自由行動時間2×自由行動効用関数2+・・・自由行動時間n×自由行動効用関数n」

3.個人の人間における理想的な行動は「最適自由行動」である。これは自由行動時間を、可能な限り効用が高い自由行動に対して上から順番に最大限実行するものである。

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ねーぴあ

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