時間を共通リソースとした社会の基本モデル化(マクロ編)

本noteは上記のnoteの続きである。本noteを読む前に、上記のnoteを読むことを推奨する。

上記のnoteにて定義した「個人の生存方程式」であるが、前述の通り自由行動時間に限界が存在することから、「最適自由行動」は必然的に一意に決定されることになる。ところが、複数人の人間が協力することによって、その前提を動かすことができるようになる。

例を挙げよう。もしも、複数人の集団の中に料理が趣味の人間が居て、その人間がその集団の料理番を行った場合はどうか? その人間は趣味を満たせて満足すると共に、他の人間は料理にかかる時間、つまり生命維持時間が減ることで自由行動時間に余剰が生まれることになるはずだ。別の例を挙げると、服を作るのが趣味の人間が既に作り上げた服を買ってくれば、服を作成するよりもずっと少ない時間で服を手に入れることができる。やはり生命維持時間が減ることで、自由行動時間に余剰が作れるのだ。このように、自由行動係数を上手く組み合わせることで、生命維持係数自体が拡大できるのである。これが第一の変化、「生命維持係数の拡大にともなう自由行動時間の増加、それに伴う効用の増加」だ。

別の視点から見てみよう。例えば、対戦ゲームをするのが趣味の人間が二人いたとする。この二人をうまくマッチングさせれば、二人の予定が合う限りは、彼らは対人ゲームをひたすら遊ぶことができる。では三人ならば? 四人ならば? そう、予定が合う時間は伸びるのだ。これが第二の変化、「自由行動時間の制限拡大に伴う自由行動によって得る効用の増加」である。

複数の人間が関わりあうことによって、「個人の生存方程式」の係数と最大値を変化させることができ、「最適自由行動」自体の最適化を図ることができる。これこそが本モデルにおいて、人間が群れを成し、組織を作り、社会を生む最大の理由である。この行為を、「最適自由行動」の「平等化」と名付けよう。これらは皆、「全員が好きなことを平等に行うことができる」ようにするための操作であるからだ。また、「平等化」の為に人間が集まること自体を「組織化」と呼ぶことにする。

では、全ての人間を完璧に組み合わせた組織ならば、生命維持係数を最大にでき、更に自由行動時間を極限まで確保できるのか……言い換えれば、全構成員が「最適自由行動」を最大限に「平等化」可能な組織は作成可能なのか? 理屈の上ではできてもおかしくないように思える。なにより、この組織は「個人の生存方程式」の定義に従えば、最大限の自由と、それに基づく最大限の平等が確保されている一種の理想形だ。この理想形を「最適平等組織」と呼ぶことにしよう。

だが、ここで一つの問題が生じる。人間は不死身ではないということだ。極めてミクロなスケール、例えば一日とか一週間ならほぼ不死身と見なせるが、十年とか百年というスパンにおいては、人間は確実に死ぬ。一人の人間が欠ければ、その人間が存在していたことで成立していた最適化が瓦解する。即ち、「平等化」は永遠ではないのだ。

しかしながら、一度「平等化」の恩恵に浴した個人はその恩恵を失うことを酷く嫌う。これは効用自体が減少することに直結するのだから当然である。つまり、一度「平等化」した組織には、常に欠けるであろう人間を補充し続ける必要があるのだ。これにより、マクロのレベルにおける生存方程式には「次世代を創り出す」という新たな項目が必要となる。これを、「一般生存方程式」と呼び、以下のように書き表す。

「経過時間=生命維持時間×生命維持係数+次世代生産時間×次世代生産係数+自由行動時間1×自由行動効用関数1+自由行動時間2×自由行動効用関数2+・・・自由行動時間n×自由行動効用関数n」

以上をまとめると以下のようになる。

1.複数の人間が「組織化」することで、「最適自由行動」は「平等化」が可能である。「平等化」とは、「生命維持係数の拡大」と「自由行動時間の制限拡大」を用いて、下記に表される効用方程式を最適化するための操作である。

「効用=自由行動時間1×自由行動効用関数1+自由行動時間2×自由行動効用関数2+・・・自由行動時間n×自由行動効用関数n」

2.ある組織の全構成員が、「最適自由行動」を最大限に「平等化」した組織を「最適平等組織」と呼ぶ。

3.数十年スパンにおいて「平等化」は永遠ではない。「平等化」を続けるためには、「次世代を創り出す」必要がある。それを考慮した「一般生存方程式」を以下のように定義する。

「経過時間=生命維持時間×生命維持係数+次世代生産時間×次世代生産係数+自由行動時間1×自由行動効用関数1+自由行動時間2×自由行動効用関数2+・・・自由行動時間n×自由行動効用関数n」

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ねーぴあ

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