2011年に観た映画

1月
『インセプション』
劇場に足を運ぼうと思っていたら間に合わず…
年初にiTunesのレンタルで鑑賞したが、参った。面白い。
夢の世界に行くというのは、ニューロマンサーやマトリックスでヴァーチャル・ワールドに転送されるイメージと重なる。眠りに落ちること、すなわちジャック・イン。
ジョゼフ・ゴードン=レヴィット(アーサー)の演技にはシビれた。

『その男 ヴァン・ダム』
人気も翳りを見せてから久しく、肉体的にも派手なアクションがキツくなり始めたヴァン・ダム。
さらにプライベートでは離婚調停を抱え、心労が絶えない。
ある日、弁護士費用の支払いのため故郷の郵便局を訪れたところ、思わぬ事件に巻き込まれる…
かつてのスターが落ちぶれた姿を自ら演じるというシニカルなコンセプトだが、台詞や演出等やや冗長な印象。
お気に入りのヴァン・ダム作品を聞かれたら、「木曜洋画劇場の予告」と答えてみようか:-)

『ヒトラー~最期の12日間~』
「総統は○○にお怒りのようです」の[http://www.youtube.com/watch?v=hdza4zHa-LE:title=グルーポンおせち版]にグッときたので、ここらで観ておこうと。
地上の惨劇(兵士・市民)と地下の錯乱(司令部)が共振し、もはや救いようのない状況下に置かれた人々の描写。感傷的な邦題を付けるよりは、原題のDownfallのままにした方が良かったと思う。
先月、監督が亡くなられたそうで。
[http://www.bbc.co.uk/news/entertainment-arts-12283091:title=BBC News - Downfall producer Bernd Eichinger dies]
ご冥福をお祈りします。

2月
『コブラ』
漢のリトマス試験紙・スタローン、若き日のアクションが冴える逸品。木曜洋画劇場のCMはいつ頃からあの芸風になったのかな。

『ランボー 最後の戦場』
コブラと同一人物であることを一瞬疑ってしまうが、年月を経て大きな岩のようになった体躯でジャングルを縦横無尽に駆け回る。戦闘シーンもなかなかエグい。船で奥地に連れて行って欲しいと頼むNGOメンバーに対し、ランボーあh「家に帰れ」と答える。「やめておけ」ではなく「家に帰れ」。最初の印象ではやや唐突な表現のように感じたが、振り返ってみればこの時点からすでにランボー自身の帰郷ということとつながっているのだろうな。

『パプリカ』
夢を人類最後の聖地と考え、手段を問わずそれを守ろうとする者がいる一方で、夢を共有する道を拓いていく者も。映像の美しさが際立っており、平沢氏の楽曲も素晴らしい。

『GHOST IN THE SHELL~攻殻機動隊~』
今まさに考えるべきテーマが次々と。
「コンピュータの普及が記憶の外部化を可能にした時、あなたたちはその意味をもっと真剣に考えるべきだった」

『フリクリ』
振り切れ具合が凄まじい逸品。何も解決しないけれど、(だからこそ?)緊張感とエネルギーに溢れている。

3月
『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG Individual Eleven』
生命・情報・身体を中心に、戦争・政治・難民・テロ・少子高齢化社会(これはSSSで)といった要素を取り込みつつ物語を編み上げていく巧みさ。これは本当に見事。
さて、「水は低きに流れ、人の心もまた低きに流れる」とのたまうクゼさん。見据える先は人とネットの融合ということだが、その実現可能性云々はともかく、彼自身の考えについては大いに関心を引かれる。終盤の台詞を一部メモしておこう。
>>
だがもっとも俺をがっかりさせたのは、人々の無責任さだった。自分では何も生み出すことなく、何も理解していないのに、自分にとって都合の良い情報を見つけると、いち早くそれを取り込み、踊らされてしまう集団。ネットというインフラを食い潰す、動機なき行為が、どんな無責任な結果をもたらそうとも、何の責任も感じない者たち。俺の革命とは、そういった人間への復讐でもある。
<<

『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society』
ある官僚がソリッド・ステートというシステムを構築し、家庭内暴力などによって理不尽に棄損されてしまうゴーストの再利用を目論む。(方法に問題はあっても)傀儡廻の目指すものを容易に否定・批判できないジレンマは、突入作戦終結後のトグサさんと課長のやり取りにも表れている。こうした「緊張」は、物語にダイナミクスを与える上での大事なポイントであると再確認。

『エクスペンダブルズ』
インタビューでの「生身の肉体を使ったアクション映画がなくなっている」、「男の中の男が見直されてきている」と言った発言も含め、本作ではアクションスターとしての矜持というか、激しい浮き沈みを経験しながらショービジネスの世界で生き残ってきた「タフさ」に圧倒された。
あと、このプロモーションは秀逸。クオリティ高い。 [http://www.youtube.com/expendables?gl=JP&user=expendables:title=YouTube &#8211; Expendablesチャンネル]

『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX The Laughing Man』
さて、これからの正義の話を(ry
情報の共有、オリジナルとコピーなど、図書館での会話がやや消化不良。ライ麦読もう。

5月
『ハート・ロッカー』
『ブラックホーク・ダウン』
『ランボー2 怒りの脱出』
何がきっかけかよくわからないが、米軍に関連した(戦争)映画が観たいと思い、趣向は違えどいずれもそうした作品を立て続けに選ぶこととなった。『ハート・ロッカー』は今回初めて、『ブラックホーク・ダウン』は劇場で観て以来約10年ぶりに鑑賞。『ランボー2 怒りの脱出』はテレビのロードショーで何となく観た記憶があった。人の命を預かり、人を率いるとはどういうことか、生死を分ける極限状態や兵士のリアリティなど、関心は尽きない。引き続き何作か観てみたいと思う。

6月
『パッション』
『マルサの女』
『ランボー3/怒りのアフガン』

12月
『未来世紀ブラジル』

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