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「生きる」男と女

 令和を「生きる」.2の別バージョンが欲しいなと、今しがたおもったので、書き足します。

結末はこんな感じでした。

相手の女性をかりに(F子)としましょう。なにしろ実話ですから、もし読まれたらバレバレです。

(※ここから、あらぬ方向へと話しを進めましょう)

その(F子)は男に「尽くす」という性格のタイプではなかった。むしろ反対で、自分がこうおもっているのだから、ボーとみてないでやんなさいよ、という他から見ると受けの悪い子だった。

ある日、何かの用事で友人がその、(F子)を車に同乗させて、ある場所に移動するというという事態が発生した。いろいろ算段した挙句の果て、「いいです、別のくるまで行きます」という決定をその友人にいったらしい。

私は当事者ではなかったので、細かいことは知らない。そして友人がいった言葉、「かわいくないこだね」と、一言漏らした。

たぶん、その数文字言葉が、その(F子)を云い表していると思った。アラサー未婚といえども、オンナはいつまでたっても「かわいい」のが必須条件で、顔がどうこうとか、容姿の脚がやや外向きとか、背中が若いのに猫背ぎみだとか、そんなことは頓着しなくていいからまず、心が「かわいい」でなくてはならなかった。そこが抜け落ちていた。

そんなことは随所に散見して見て知ってはいたが、「いまどきの若い子はこうなんだろうな」と真面目に考えることもなかったが、その二言三言の言葉で、「ああやっぱりそうか」と変に安堵した。だからといって、それを直せだとか、おんなはこうしろだとか、いう気持ちはさらさらなかった。なんでだろう、それは年齢不相応の二人が、親密な男女関係を維持しているという負い目、もあるだろうし、あらぬ事情で逃げられることでも生じたら回復しないだろうな、と思っていたからだ。

「アタシのことわかっていない」という文句は、何回も訊かされていたので、その対処法はわきまえていた。といっても、その言葉は必ずしも(F子)だけの言葉でなく、昔付き合っていた他のおんなは、たいがい、それを云った。

「アタシのことわかっていない」~、それほど難解な文句はないし、それほど我がままな言葉もなかった。その対処法もワンパターンで「そう、ごめんね」で通した。それ以上のことは一切、言葉にしなかった。いったところで納得するはずもなく、いくら時間を費やしたところでムダというものだ。

それは最初のおんなとの交渉で、失敗していたので、多少の知恵は付いていた。そのおんなとは、3日後に別れている。

そんなことを反対に男がしたらどうだろうか。男がおんなに向かって「おれのことぜんぜん理解していないな」、と云うか。それはないか。いうタイプもいるでしょうが、どうも女々しいではないのかと。

男だったらわかるも判らないもない、力でねじ伏せる、そんな気骨が欲しいと思うのは、たぶん私だけか。

で(F子)のことだが、もちろん男と女の関係だから、とうぜん人目を憚った。それは反社会的行為だし、人に知られてはまずいし場所も時間も選ぶ。いずれにしたって暗い夜になってからだ。

歳ですか? ええまあ、不倫ですから年齢差は関係ない。結婚する相手でもないし。二回りくらい下だったかな。ええ顔が地味だし、一緒に歩いていても違和感はなかった。私が、どっちかといったら若作りだし。

レストランとか、コンビニとか人混みは避ける。いつなん時、となり近所の顔見知りとばったり会うことなど想定されますからね。まあ家族は、その日はどこに行ってるか把握しているので安心とまで云わないがガードは甘い。

最悪のケースとして、(F子)の母親とすれ違うこと、もろに発見されること、これだけは避けないといけなかった。有名人ではないので、取材陣が追ってくるなどということはないので、それは安心していた。

しかし、その(F子)は、実の母親とは絶好の親子関係で、昨日のこと今日のこと明日のことは、ぺらぺら喋っていた。むしろ母親が訊きだしてる、そんな感じだったかな。

そんなことを彷彿とさせる(F子)の言葉があった。

「ねえ、いつまで?」

「ああ、いつでもいいよ」

「母からさぁ・・・そう、そんなこと思ってたの?」

これが最後だったかな。

バレたんですよ、それが母親に。その母親ったって自分より下だってことは(F子)から訊いて知っていた。いい女でしたよ。むしろ娘本人よりよかったかな。なんつーか気品があってね、だまって立っていると公家育ちかと思うほど気品があって、それで喋るとぜんぜんダメでね。なにしろ歳のくせして今流行のカタカナ語多用でしたからミーハー丸出し。おまけに言葉に変なイントネーションかかってて、閉口したものです。いやほとんど会話しませんでしたけど。

いやいや会話がないんなら(F子)と同等で、それ専門でもいいわけですから。まんざらでもなさそうな顔してたな。一応ケータイの番号は訊いてメモしておきましたけど。

いつだったか、内輪パーティーやるっていうので、家にお邪魔した。ええ変な気分でしたけど、テーブルの上の酒を、無造作に頂いて早く酔っ払ったほうが得策とおもいました。

ああそれで近くのコンビニで買い物、一緒に行ったんですが、勘定払うのに母親の分厚い財布が目に入って、一気に萎えましたね。なんでだか判りませんが、なにしろ厚い皮の財布でしたから、札というより小銭の量、そんな膨らみ方だったように思います。

よくあるでしょ、「ぬか味噌臭い」とか云う形容言葉が。男と女がスキどうしでつるんでいて、場所を変えれば特別な部屋に入つて濃密な時間を営むわけで、そこに日常がポツンと佇んでいたら、そりゃ違和感じゃなくて恐怖に違いない。それがその財布の象徴として存在していた。いってみれば日常のふだんの生活というのは疎かにできないということになります。

そして最悪ってのはバッタリ会うことの意味ですよ。女の闘魂というか、ジェラシーというか、おそらくメラメラ燃えるでしょうね、母、娘といえども。

だから、その布石として皮の財布は断然有効だった。

おわり、です~


*椿姫に捧ぐ*


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