石柱【短編小説】

老人は、この地へと再び、足を踏み入れることができた。

外国語で書かれた石柱がある。
その近くに見覚えのある木があった。

間違いない。
かつて登ったあの木だ。

あの頃と同じように
老人は、その木を登り始めた。

廃墟となった、外国の建物が立ち並ぶ中、
1本の木は、彼をもう一度少年へと戻しているようだった。

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