190619スコーラーサムネ2

【2ブロックデッキ解説】『青白スコーラー』

※2021/9/21を持ちまして、こちらの記事を無料公開にさせていただきます。

0.はじめに

初めまして。あーくん(@suiyotao)です。
今回は2ブロックメインの調整グループ、「したい会」で作成され、2日間使用したデッキの紹介記事を書きました。

デッキリストから有料となってしまいますが、作成してから開催された二つのCSで両日入賞という実績を残すなど、デッキのポテンシャルは非常に高いと感じています。


1.主な戦績

6/15(土)
第12回デュエルマスターズ沼ホビCS
ベスト8 x 1(母数1)

6/16(日)
第27回フォルバルトCS
優勝 x 1
ベスト8
x 1(母数4)

2.2019/6/15(土)時点での2ブロックの環境


5月中旬、GP7thから時間が経つにつれて『赤白轟轟轟』の天下が終わり、環境の中心は『バラギアラ』に推移していきました。

そこから更に進んだ5月下旬は『カウンタージョーカーズ』や『アナカラーコントロール』のような、『バラギアラ』と『赤白轟轟轟』を見つつ後ろに寄せたデッキが増えていました。

それを受けて『赤白轟轟轟』が数を減らしたまま迎えた6月は『青魔導具』や『青単スコーラー』といったアンフェアデッキの入賞が目立つようになります。

そんな中、キャップとゼーロのデッキが発売され、カードプールに変化が起こりました。

強力なカードがいくつか追加されましたが、特に目を引くのは《終末の時計 ザ・クロック》と《シンクロ・スパイラル》の再録です。

これにより、『赤青覇道』と『青単スコーラー』という去年の2ブロック環境を荒らしていた二大アーキタイプが、かなり近い形で再構築できるようになりました。

もちろんこれは全国各地で皆様が感じていたことでしょうし、特に『青単スコーラー』はただでさえ追い風の中、大きな強化を貰ったことになります。

自分も当初は自分の動きを最大化した『青単スコーラー』を使用する予定でしたが、同じ思考のプレイヤーを考慮すると母数が増えるのは明白です。

それであれば勝ち切るためには同型を見た何かが必要と考えました。

そんな中、原案のみ伝えた新デッキを形にし、CSで使用したこっちゃー(赤緑印鑑パラスの製作者)から、1通のメッセージが届きます。


「とりあえず5-0で予選抜け確」


アンフェアデッキの性質を備えた新規アーキタイプがメタゲームでしっかり通用するという証明でした。
前置きが長くなりましたが、今回は『青単スコーラー』の先を行く『青白スコーラー』の解説記事となります。


3.デッキについて

まずは優勝した構築の写真から

画像1

大会中に見つかった反省点を踏まえ、調整したリストが以下になります。
『青白スコーラー』
【a57158fd84ec773cbba9e4e590344112】
メインデッキ
4 x 《奇石 ミクセル/ジャミング・チャフ》
4 x 《音奏 プーンギ》
1 x 《ナゾの光・リリアング》
4 x 《ジャスト・ラビリンス》
4 x 《♪銀河の裁きに勝てるもの無し》
4 x 《セイレーン・コンチェルト》
3 x 《ア・ストラ・センサー》
2 x 《時を戻す水時計》
4 x 《叡智の聖騎士 スクアーロ/エナジー・ライト》
4 x 《超宮兵 マノミ》
3 x 《超宮城 コーラリアン》
3 x 《次元の嵐 スコーラー》
GRゾーン
2 x 《白皇角の意志 ルーベライノ》
2 x 《予知 TE-20》
2 x 《P.R.D. クラッケンバイン》
2 x 《ダラク 丙-二式》
2 x 《ドドド・ドーピードープ》
2 x 《ツタンメカーネン》

3-1.『青単スコーラー』との比較

優れている点
・メタクリーチャーの存在により、『青単スコーラー』を初めとした様々なデッキに有利がつく。

・大量ドローからゲームを作るので、ドローを進めた後に手札が悪かった場合は一度止まることができる。

・マナセットから相手にアーキタイプ、及びゲームの展開を悟らせにくい。

・フィニッシュが《ジャミング・チャフ》のため、おおよそのトリガーを封殺できる。

・呪文を主体とするデッキには道中で《チャフ》を唱えることで息切れせず安心できるターンを貰うことができる。

劣っている点

・呪文のコストが重いので青単のように早期から無理矢理回すことが難しい。

・色の関係上、《コンチェルト》を絡めた展開が難しい。

・《水時計》やトリガーを採用できる枚数が少ないので《プーンギ》への回答が少ない。

・《機術士ディール/本日のラッキーナンバー!》が不採用のため、並んだクリーチャーの対処や《クロック》などのクリーチャートリガーに対するケアが難しい。

まとめ

理不尽が少なくなった代わりに中盤域からフィニッシュまでの安定性と出力が上がった新しい『スコーラー』です。

また、『赤白轟轟轟』への耐性は『青単スコーラー』の方が高いと考えていますが、『青単スコーラー』自体が『赤白轟轟轟』に対して大きく不利なので割り切る方が良いと考えています。

最大のポイントは『青単スコーラー』と『青魔導具』に有利が着くことであり、『赤白轟轟轟』が上位に少ない現在、環境内でのポジションは最高と言えます。


4.採用カードについて

基本的なことは省略し、このデッキでの使い方や使うタイミングを記載していきます。

《ジャスト・ラビリンス》

デッキの第1エンジンです。《リリアング》や《♪銀河》から積極的に唱えることで、デッキの見た目より手札が回りやすくなります。
また、《プーンギ》→《プーンギ》のようにメタクリーチャーを展開している場合でも一気にハンドを回復できるので、この展開も積極的に狙っていきたいです。
このデッキはメタクリーチャーを踏まれてもハンドがあればリーサルを組むことが可能なのでどんどん撃ちましょう。

《♪銀河の裁きに勝てるもの無し》

白いコンチェルトです。呪文のカウントを稼ぐか、他の呪文につなげてドロー目的で唱えることが多いので序盤はマナに起きがちです。
2枚以上引けた場合や、メタクリーチャーが効きにくい相手にはハンドに蓄え、《♪銀河》→《♪銀河》→《エナジーライト》→《マノミ》のような展開を狙いたいです。
またこのカードを経由して《コンチェルト》を唱えると比較的自由なマナの使い方が可能になるため、覚えておくと便利です。

《ナゾの光・リリアング》

《ジャスト・ラビリンス》の出力向上や、《♪銀河》のコスト軽減など補助的な動きをします。
使用している感覚としては呪文カウントの増えない《♪銀河》といったところでしょうか。
必須パーツではないのでスロットの関係上1枚減らしましたが、上記2種類の呪文とのシナジーが非常に大きいので再び増量も考えられます。

《ア・ストラ・センサー》

土曜日には《卍獄ブレイン》だった枠です。日曜日の朝に気づき、1枚だけ入れて大会に参加しました。
『青単スコーラー』では《マノミ》に触ることが必須であったため使いにくいカードでしたが、こちらは《ジャスト・ラビリンス》や《♪銀河》、《チャフ》を探しに行く動きが多く、《マノミ》が山札の下に行ってもある程度のリカバリーが効くため、1コスト呪文の中では一番強いカードとして入っています。

《叡智の聖騎士 スクアーロ/エナジー・ライト》

《ジャスト・ラビリンス》か《マノミ》に触れる必要があるためその前にハンドを整えるカードです。
早期に唱える1枚目が非常に強いカードであり、3tにプレイ出来たらおおよそその後の展開も繋がることが多いです。
また、『青単スコーラー』と違い、メタクリーチャーにより時間を稼げるので、このカードをプレイするターンが作りやすいものとなっています。

《超宮兵 マノミ》

デッキの第2エンジンです。『青単』と違い純粋に手札が増えるカードが多いので雑に切っても呪文5回に届かないなんて事態が少なくなりました。
仮に展開が続かなくても生きてるだけで《ジャスト・ラビリンス》のコストになってくれるので積極的に出していきます。
それでもドローするカードがマノミ1枚だと止まってしまうことが多いので、2枚出しが狙える時や、《マノミ》以外にもドローカードがあるかどうかが判断基準といえます。

《超宮城 コーラリアン》

4回唱えて《コーラリアン》盤面を固める→ターンを跨いで再始動して《スコーラー》を着地させる
という動きを『青単スコーラー』以上に多く行うので枚数を増やしました。
環境に『青魔導具』が増えているのも多く採用したい理由です。

GRゾーン

《予知》と《ダラク》は実質1ドロー、《メカーネン》はデメリットよりメリットの方が大きいためこのデッキでは非常に強力です。
《ドープ》と《クラッケンバイン》は完全なる打点運用ですので、こちらも優秀なシステムクリーチャーの登場によっては交代が見込めます。

5.不採用カードについて

《卍 ギ・ルーギリン 卍/卍獄ブレイン》

《ア・ストラ・センサー》と比べ、《マノミ》こそ引ける可能性があるものの、メタクリーチャーが多い分1ドローが弱く、正規召喚もしにくいため優位性が少なく感じました。

《ロジック・サークル》

白の1コスト呪文であることと、《ジャスト・ラビリンス》を持ってこれることから使いやすいように見えますが、手札が減ってしまうことが気になったため見送っています。調整によっては採用の可能性があります。

《歩く賄賂 コバンザ》

バリューの低い呪文を連打して手札を回す『青単』と違い、手札を先に回してから《スコーラー》に繋がるデッキのため、置くタイミングがなく、置いたとしても過剰ドローになってしまいます。


6.意識するプレイについて

6-1.大まかなゲームの展開に沿ったプレイ

・白のメタクリーチャー2種類で遅延し、呪文のカウントを稼げる《♪銀河》と《ジャスト・ラビリンス》で《スコーラー》ルートを狙います。

・キルターンはおおよそ4~6ターン目。少し遅いように見えますが、妨害が上手くいっている場合は問題なく迎えられるターンであり、妨害を引かない場合はチェイン用のカードを引いている場合が多いので自分の展開が早くなると考えてください。

・最初の《マノミ》が出るターンに《スコーラー》が着地することは少ないので、呪文で手札を整えるのか、《マノミ》を出してリソースを稼ぐのか、《スコーラー》を着地させるのかを考えながらプレイする必要があります。

・《マノミ》と同じく、《ジャスト・ラビリンス》も積極的に唱えていきます。一度カードが回り始めると、リソースが切れることはほとんどないので恐れずに手札を使いましょう。

・目安として、手札が4枚以下ならドローを進める方針。呪文カウントを進めた後にマナが2つ余るならマノミまで繋げる展開を意識してみると回りやすいです。

・よくある展開としては4マナから《♪銀河》+ドロー呪文+1コスト呪文や、5マナから《コンチェルト》+《ジャスト・ラビリンス》+3コスト呪文。6マナから3コスト呪文で始動といった具合です。もちろん、ドローしたカードや《コンチェルト》の枚数によってはそのまま展開し切ることもできるので残すマナの色や入り方は要練習です。

6-2.各対面のポイント

筆者の体感で話す有利不利と、警戒するカード、ゲームを進める際に意識するポイントのみ書きます。

また、全ての対面において、相手の動きが鈍い時や自分の手札が強い時は一気にチェインを狙うことを念頭に置いてください。

『カウンタージョーカーズ』【有利】

【警戒するカード】

《ソーナンデス》
《オラマッハ・ザ・ジョニー》

【ゲームを進める際に意識するポイント】
・《オラオラジョーカーズ》や《超GRチャージャー》を止めるため引けていたら《プーンギ》を優先してプレイする。

・《ジョット・ガン・ジョラゴン》、《オラマッハ・ザ・ジョニー》の2種類はゲームを決めかねないので《ミクセル》で遅延しつつ、召喚されるタイミングに合わせて《スコーラー》の着地を狙います。


『ジョラゴンジョーカーズ』【不利】

【警戒するカード】
《ジョット・ガン・ジョラゴン》
《オラマッハ・ザ・ジョニー》

【ゲームを進める際に意識するポイント】
・カウンター型とは違い4t前後に《ジョラゴン》が着地してしまうのでこちらも4tを目安にチェインに入ること、入れないなら相手のマナが伸びていないようなら《ミクセル》を添えることを意識します。

・展開を《ヤッタレマン》に依存している場合はバウンスを狙い、テンポを取って《スコーラー》着地までの時間を稼ぎます。

・《タイク・タイソンズ》や《メイプル超もみ人》が展開に絡む場合は苦しい場合が多いので《ジョラゴン》やジョラゴン・ビッグ・1の弾がないのを祈りながら準備をします。


『バラギアラ』【有利】

【警戒するカード】
《始虹帝 ミノガミ》
《ジャミング・チャフ》
《ロスト・ソウル》

【ゲームを進める際に意識するポイント】
・《プーンギ》を出して稼ぐターンと、《ミノガミ》に割られて短くなるターンを考えて展開します。

・《ラッキーナンバー》で5の宣言をされることはほぼないので、5マナで《チャフ》を唱え、6tに展開することを見据えて手札を整えます。

・《ロストソウル》も《チャフ》の先うちでケアしましょう。できない場合は盤面にクリーチャーを並べ、撃たれてから《ジャスト・ラビリンス》で復帰できるようにします。


『赤青覇道』【有利】

【警戒するカード】
《KAMASE-BURN!》
《"必駆"蛮触礼亞》
各種トリガー

【ゲームを進める際に意識するポイント】
・《ミクセル》は《KAMASE》の1ターン後、《轟轟轟》の1ターン前に置くように意識します(先行4t目、後攻3t目)

・小型の展開を合わせて、《覇道》込みで自分がいつ殴り切られるかを逆算しながら進めます。

・《ミクセル》+《コーラリアン》の盤面を作ることで、返しのターンに負けることはほとんどなくなるので《スコーラー》まで繋がらない場合もこれを目指すことがあります。

・現在主流のトリガーは《クロック》《ニャミバウン》《スパイナー》《テック》《KAMASE》の5種類なので、《チャフ》を唱えた後の展開も意識して殴りに行きましょう。


『青単スコーラー』【有利】

【警戒するカード】
《時を戻す水時計》
《次元の嵐 スコーラー》
《機術士ディール》

【ゲームを進める際に意識するポイント】
・《プーンギ》で遅延できるターンを考えてプレイします。4マナからでも《水時計》+《コンチェルト》で強引に入る場合もあるので相手の手札の枚数の確認は常に行います。

・『青単スコーラー』と違い、無理やり《スコーラー》を着地させた後からのリソース回復が可能なので、狙える場合は一回リソースを吐いて着地させます。

・2tで殴り切る打点があれば《チャフ》を絡めて殴りに行くことが多々あります。《クロック》や《ニャミバウン》が入っていることがあるので、踏んだ時の復帰やどこまで割り切るかを考える必要があります。

・《チャフ》はもちろん有効ですが、《プーンギ》で抑えている場合5tパス、6t《ニャミバウン》や《ディール》といった動きで結局無駄にされてしまうので《プーンギ》がないなら5t、あるなら7tを目安に唱えます。


『絶十』【有利】

【警戒するカード】
《煌メク聖戦 絶十》
《堅珠ノ正裁Z》

【ゲームを進める際に意識するポイント】
・『赤白轟轟轟』と同じように《プーンギ》を中心に序盤から時間を稼ぎます。

・《堅珠》を使いまわされてしまうと、打点が足りなくなってしまうため唱えられた場合《チャフ》で使いまわしを防ぎます。

・《偽りの王 ナンバーナイン》が間に合うとほとんどの場合返せず負けてしまうので、更地でも《絶十》からの展開を警戒して進めます。


『赤白轟轟轟』【不利】

【警戒するカード】
《音奏 プーンギ》
《KAMASE-BURN!》

【ゲームを進める際に意識するポイント】
・《プーンギ》を出されないように、後攻の初手は《プーンギ》に置き、ミラーを意識させ、《リリアング》や《ミクセル》からの展開を祈ります。

・刻まれた時は《銀河》や《コンチェルト》の連打でカウンターが狙えますので、なるべく手札に抱えるようにします。《プーンギ》は《リリアング》や《水時計》で頑張って超えましょう。

7.終わりに

明確に苦手な対面が現状『赤白轟轟轟』と『ジョラゴンジョーカーズ』であり、新弾が出た後も、上記のデッキが増えなければかなり強い立ち位置を維持すると思われます。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

ご意見、ご質問などありましたら Twitterにて、こっちゃー(@yomi2658)もしくは 自分(@suiyotao)にダイレクトメッセージをお送りください。

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