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ネットの歴史から2ch文化を考える『前編』

2000年代前半のネット文化史を振り返ると「ほぼ2chの歴史」になる。
2ch発、もしくは2chが流行に寄与したもの、がほとんどで。
2chと全く無縁のもの、を探すのが難しいくらいだ。
音楽、映像、言語、踊り、あらゆる文化に2chが関与している。

この事実にまず驚く。
そして、その事実に自覚の無い日本人にいらだちを覚える。
2chは文化創出の重要拠点だったのに、完全スルーされている。それでいいのかい?

米津玄師もAdoも初音ミクも世界中で人気がある。
その原点は2chにある。
2ch文化をベースにニコニコ動画があり、そこから世界的なアーティストが続々生まれているのだ!
その事実が完全スルーされている。
日本人は2chに向き合っていない。

おっと、話がそれたね。この点については後日語ろう。

本題に戻る。
なぜ2chが文化発信の中心になったのか?
「速効」と「簡易」という機能面の理由がまずあるだろう。
メアド不要、会員登録不要、匿名、で赤の他人と即コミュニケーションが取れる。
スピード感、簡易性があり、良くも悪くも無責任、が文化創出と伝播に役立ったのではないか?

もの作りの初期衝動に「できるだけ早く多くの人に伝えたい」がある。
2chはそれに適していた。
CGM的な要素も2chが適していた。レスの連鎖で一つのアイデアが広がり、複数人で楽しめる。「歌ってみた」「踊ってみた」は2chから始まった。

2chと同等の掲示板は複数あったが、なぜ2chに集中したのか?
これは「なぜ多数ある動画サイトの中でYouTubeは伸びたのか?」と似たようなものであり。
・品質が優れていた(読み込みスピードなどが速かった)
・ユーザーが求める機能が素早く追加された
・単純に人が集まるから一強になった
などの理由があろう。

ただそれらはあくまで「2chの機能性」の問題であって、表面上の話にすぎない。
なぜ2chが文化創出の中心になったのか、の答えにはならない。
もっと深い理由があるはずで。

解明のヒントに「01年8月2ch閉鎖騒動」があると思う。
あの一体感はなぜ生まれたのか?なぜ感動があったのか?

次回はそこを考えていきたい。

協力:ジョン(2ch研究に命をかけるアメリカ人)

*次回後編は「ひろゆき」の研究です。匿名掲示板でありながら実名顔出しだったひろゆきさん。その特異な存在を考えていきます。

ここにまとめていきます!
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