大人になろう、で諦めてきたもの

朝目覚めてすぐスマホを確認すると、仕事のメールが来ていた。足が冷たくて、ベッドの中で丸まりながら、メールを返す。

少しスマホを操った後、もそもそと起床。だいたい9時半〜10時くらいに起きて、午前中はのんびり過ごす。そして昼食を食べたあとから夜にかけて仕事をする。会社員の友だちに言うと「遅くない?」と笑われたり、「昼から仕事なんていいねぇ」と言われたりするど、後ろだおしになってるだけで、労働時間自体は変わらないんだけどなぁ、と不思議に思う。

テレビのワイドショーを眺めながらツイッターを見る。最近、つぶやくことは少なくなったが、そのわりにタイムラインを眺める時間は長い。SNSをまったくやっていない友達がいるのだけど、私がSNSに膨大な時間を費やしているその裏で、彼女たちはどんなふうに1日を過ごしているんだろうか。
オンラインサロンにインフルエンサー、アフィリエイトのすすめ。金の匂いのする投稿があふれるようになったツイッターに胸焼けを覚えるようになったのは、いつからだろうか。スマホを放り投げて、本を読むことにした。

本を読みながらコーヒーを飲もうと、電気ケトルでお湯を沸かす。マグカップにパサパサとインスタントコーヒーの粉を入れて、お湯をそそぎ、最後にココナッツオイルをスプーン1杯入れる。この前、管理栄養士の方に取材した時に、良質なオイルは脳を活性化させる、覚醒ホルモンが含まれるコーヒーにたらすと尚良い……という話を聞いて以来、朝はココナッツオイル入りのコーヒーを飲んでいる。脳への効果のほどは正直よくわからないが、コーヒーからココナッツが甘くふわりと香り良い気分になるので、飲み続けている。

本を開いて文字に目を落とした途端に引き込まれて、先へ先へと早くページを繰りたくなる。数ページ読んだだけなのに、登場人物や風景のイメージが浮かぶ。文字だけで、どうしてこんなに鮮やかに情景が描けるのだろう、と感動する。
昔は、読みたいからじゃなくて、読んだほうがいいから、と思ってビジネス書ばかり読んでいたけど、その時にはこんな感覚にはならなかった。何年もずっと、小説やドラマ、映画など、心が動くものをわざと遠ざけていた。

最近の私は、よく泣く。不安や悲しみで泣くこともあるけれど、小説や映画で感動して涙することも多い。感動の涙なんて、もう何年も流していなかった気がする。

「大人になろう」そう思って色んなものを諦め、手放してきた。感情が揺さぶられるようなものを無意識のうちに遠ざけていたのは、心が痛まないようにガチガチに固めて、余計なものが入るすきを無くすためだった。でもその行為で結局、自分のことを傷つけていたのかもしれない。

いまは胸焼けのするツイッターのタイムラインも少し前までは好んで見ていたし、ビジネス書を読むのだって嫌いではなかった。でもその時は、コーヒーから匂い立つココナッツの香りを楽しんだり、美しい文章に感動することもなかった。

書くことを諦められず、「大人になろう」を放棄した私は今、ほそぼそとものを書いて生きている。会社員のころと比べたら全然稼げていないので焦りもあるが、とにかく今は心のやわらかさを取り戻したい。

そろそろ昼食を取って、カフェに仕事をしに出かける。読みかけの小説は寝る前の楽しみに取っておこう。

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中村 英里

ただのブログ

イラストや文章で、毎日をざっくりつづります
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コメント1件

中村さん、はじめまして!記事を読み共感したので、コメントを残します。

ぼくの場合は、いい人でなければとがんばりすぎ、心身ともに苦しんでいました。心を誰にもオープンにできず、痛みに蓋をしてきました。

今は自分と、向き合うなかで解放へマイペースに向かっています、痛みを感じることが、あっても、自分には正直でありたい、と願っている、今です^^
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