「書きたいものだけを書く」のは、ただのわがままなのか

「書きたいものだけを書いて、稼げるようになりたい」は、わがままな発想なんだろうか?

「文章を書く仕事」はめちゃくちゃたくさんあって、どれも「ライター」とひとくくりになっている。
私も正直、全部把握できている自信はない。

SEO系の記事を書く人も、求人広告とか会社情報とかの文章を書く人も、人物の取材記事を書く人も、ブックライター("著者"のコンテンツをまとめる人)も、雑誌の文章を書く人も、顔出しでタレントさん的な感じで文章を書いている人も、すべて「ライター」。

ライターがエッセイを書く=エッセイストである場合もあるし、自身で本を出す=作家となることもある。

ライターって、はっきりしているようで、ものすごく曖昧で、幅が広い。
自分がどれをやりたいのかを、きちんと見極めないといけない。

ここでブレちゃいけないのが、「どれができるか」とか、「どれをやるべきか」じゃなくて、「どれをやりたいか」

私はこれまで、これなら習得しやすそう、とか、この分野は伸びそうだからやっておこうとか、そんな視点で仕事を選んできた。
レッドオーシャン/ブルーオーシャン、みたいな。

転職を3回していて、3回ともその視点で、業種も職種もまるきり違うものにしたのだけど、どんな仕事でも、ある程度の時間と労力を費やせば、そこそこできるようになる……というのは、実感していて。

でも結局、その仕事を好きでやっている人には、どうやっても叶わない。
あと、私の場合は仕事の内容がどうこうというよりも、「新しいものを習得する」のが単純に面白かったんだろうな、とも思っている。だから、ひととおり習得したらゲームクリアで、また別の仕事。節操ない。

なんでそんなことをしていたのかというと、「これをやりたい」がなかったから。

「休みの日は何してますか?」という質問に困るタイプ。
趣味も好きなこともなかったので、「聞かれた時に人に言うための趣味」を持とう、とか思って、一時期ボルダリングとかやってた。なんだそれ。

でもそれは、もともと好きなことがなかったわけじゃなくて、「現実を見なければ」「大人にならなければ」と見ないようにしていたら、気づいたら見えなくなっていた。

迷走を経て「そうだ、文章書くの好きだった!」と思い出して、やっと歩みを進め始めたところ。

でも昔からのくせはなかなか抜けず、よし、どんなライターになろうか? と考えるときに、「どれができるか」「どれをやるべきか」という視点になってしまいがちで。

これじゃまた迷走時代に戻ってしまう……。
だから、「"できる"も"べき"も違うって、『どれをやりたいか』だろおぉぉ」と、もうひとりの自分を脳内に出現させて、考えを振り戻している。

まぁ難しい話ではなくて、「好きなもの」にもっと素直に突き進もう、と思っている次第なのです。

たとえば、下町とかレトロなもの(純喫茶)とかが好きなんですけど、これ別に仕事の役に立たないよね、でバッサリ切り落としてきた。

読む本も、仕事の役に立ちそうなビジネス書ばかりだった。小学生のころは青い鳥文庫とか好きで読んでいたのになぁ。

「ライター」があふれているからこそ、「なんでも書きます」は弱い。
仕事だからと、興味のないことを書こうとしても、その分野が好きなライターさんが出てきたら、ぜっっっったいに叶わない。

だから、「書きたいものだけを書いて稼ぐ」は、わがままどころか、むしろそこを目指さないと生き残れないのでは、とすら思う。

純度の高い「書きたいものだけ」を書いて生計を立てるのは最初はハードル高いとは思うのですが、完全一致じゃなくても、興味の範囲内のものを書いていきたいところ。

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中村 英里

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