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元吹奏楽部女子からみたリズと青い鳥

【ネタバレあり】

noteでリズと青い鳥の感想を見かけていてもたってもいられなくなって書いていますが、どこからなにから書いたらいいのかわからないし、日曜に映画館で観てから、仕事中にも思い出して目頭が熱くなったり、会話をする人みんなに絶対みてください!とものすごい熱量で紹介してしまったりわけわからなくなっているのでうまくまとまる気はしないけれどとりあえず感じたことを書いてみる。

基本的にレビューは映画を見た上で感じた話をしたいので、内容の流れや詳しい説明は省いて、ネタバレもあります。


オープニングはじまって数分ですごいものが始まっている…!というのを感じていてもたってもいられなくなり、本編が終わってエンドロールが流れるころにはとてつもないものを見てしまった…という放心状態とともに顔が涙でぐちゃぐちゃになっていた。

ひとつひとつあげていくと本当に毎秒事細かに語れてとてつもないことになるし、おそらくこの作品の力をもってしてはこれからさらにたくさんの人がいろんな考察や感想を述べてくれると思うので、中学高校で吹奏楽部だったわたしが思うリズと青い鳥の感想や考察を述べたいとおもう。



早朝の学校、階段のところで待ち合わせをするとも待ち伏せとも思えるかんじでみぞれが希美をまっていて希美がきて先に歩く。その後ろをみぞれがついてくる。このときの歩き方、スカートの裾の動き、歩くスピードでふたりの性格がわかる。
希美が音楽室の鍵を開ける。朝練で早く来たら自分たちで鍵を開けなければいけない。希美が鍵を開ける係でそれをまっていただけなのかもしれない。一緒に練習しようと約束したようにもみえないので、もしかしたらいつもの習慣なのかな。希美は部活に対してとても前向きで嬉しそう。みぞれはずっと希美をみてる。

はじめてリズと青い鳥のオーボエとフルートのソロパートをふたりで吹いてみる。
ピッチが若干不安定で本当にはじめて吹いてみたというかんじの音。音の作り込みがすごい。
そしてそのあとの希美の「ちょっとピッチ微妙だったかな」でぞわっとした。 ものすごく生身の吹奏楽部の女の子たちがそこにいた。

図書館で希美が借りてきたリズと青い鳥の本を読んで私たちみたいというけどそれ以上は踏み込まないかんじ。


わたしは思惑通り最初は青い鳥が希美、リズがみぞれだとおもった。

みぞれが希美を追いかけていた。


けど話が進む毎にこれはもしかして逆だったのでは…?とわたしがおもって本人たちも気づいた瞬間、みぞれは意志が固くなり、希美は怯む。形成が逆転した。

みぞれが希美に好きなところを言う場面で、みぞれは希美のあるがままのひとつひとつをすきだと羅列していった。そしてそれに対して希美は「みぞれのオーボエがすき」と言うセリフでハッとした。みぞれは希美のフルートがすき、とは言っていない… そのことにみぞれはたぶん気づかない。

希美はみぞれに自分のがんばっていること(フルート)を認めてもらいたい気持ちがあった。

希美はみぞれが先生に音大を勧められたり オーボエの才能があることに羨望や嫉妬を感じていた。正確にはそんなにくっきりとした感情ではなかったのだけれど。
練習をがんばっていてもかなわないと思う相手がいること。
褒め称えたいけど自分の未熟さが浮き彫りになって行き場のない気持ち。
前を歩いているつもりでいたけれど閉じ込めさせているのは自分じゃないのかと思ったり、自分の進む方向に悩む。

みぞれはオーボエではなくそのままの自分をすきでいてほしいし、希美に行きなと言われれば空を羽ばたけられる。

あの理科室では気持ちを伝えあえたようなかんじもするけど、そのおもいはすれちがっている。


きっかけになる場面の教室の窓には鳥が横切る。

ラストの下校のシーンで先に校門を出たのはみぞれだった。映画の中でみぞれが希美の先を歩くのはそれが初めてだった。学校を出るちょうどその時。 すこし横に並んだかと思えば、希美が前をあるく。そして振り向くシーン。

最後までふたりの足並みは揃わなかったけれど、相手をおもうきもちはお互いにあって、

最初に希美が自分が青い鳥の立場だと思いふと言った「飛んでいってもまた帰ってこればいいと思うんだよね」が効いてくる。(セリフはうろおぼえ)

お互いの向く方向がちがったり、歩くはやさがちがってもまた会うことはできる。このふたりだったら。


#ネタバレ #リズと青い鳥 #感想

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