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7.14 ゼリーの日・ひまわりの日

透明な空気は重く、そこに足を踏み入れるといつも呼吸が苦しくなる。

夏の一幕。

いつもその粘度の高いジェリイに肺を満たされながら、蜃気楼のように揺れる向日葵を走って追いかける。

噴き出した汗もそのままに、水中で目を開けた時のような実態の掴めない視界の中で、ただその明るい黄色を求めて足を動かし続ける。

夏はいつも卑怯なので、向日葵の残像は届きそうに見えるが、決して届くことはない。

そして臆病なので、本体を表すことはない。いつも必ず透明であり、風景を揺らめかせることでその存在を示すばかりだ。

いつまでもその透明な重苦しい夏の中で、鮮やかな黄色の残存を追う虫のように、季節が過ぎていく。

いつか向日葵畑の中に着いたら、その只中に倒れ込んで、空に揺れる花の姿を見ながら胸いっぱいになった夏を吐き出してやろう。

それで全ての決着がつく。

夏の一幕。
ひとりでに始まる身勝手な遊戯。



7.14 ゼリーの日、ひまわりの日
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