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日経業界地図2022の気になるキーワード【Yuの本棚②】

【Yuの本棚】自らを征服する読書体験
第2回は、日経業界地図2022の内容の中で、気になったポイントを要約しながら、トレンドについて触れていきたいと思います。


1.ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)

ZEBとは、Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の略称で、
「ゼブ」と呼ばれています。快適な室内環境を保ちながら、省エネと創エネにより、
「建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物」を指します。

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●ZEBのメリット

1.光熱費の削減
エネルギー消費量の削減に伴い、建物の運用に掛かる光熱費を削減することができます。
2.健康・快適性・生産性の向上
自然エネルギーの適切な活用、用途に配慮した空調や照明の制御などにより、省エネルギーを実現しつつ快適性・生産性を向上させることができます。
3.不動産価値・企業価値の向上
環境・エネルギーに配慮した建物は、他の一般的な建築物と比較して不動産としての価値の向上、街としての魅力の向上などにつなげることができます。
4.事業・生活・地域の継続性の向上
ZEBを実現することで、災害等の非常時において必要なエネルギー需要を削減することができ、さらに再生可能エネルギー等の活用により、部分的ではあってもエネルギーの自立を図ることができます。
5.環境・省エネルギー意識の啓発
エネルギーの見える化により、環境や省エネルギー意識の啓発を図り、省エネ運用の改善効果が期待できます。また、ZEBそのものを教材とした環境教育にも活用できます。

2.エネルギーハーべスティング

エネルギーハーベスティングは、地球に優しく、配線や電池交換の必要がないエネルギー活用技術です。具体的には、人の歩く振動や体温、室内照明の光など、ごくわずかなエネルギーを集めて電力にし有効活用しようというコンセプトを持ちます。

エネルギーハーベスティング技術の最大の特徴は、電源への配線や一次電池(使い切り電池)が不要という点です。

電子機器を稼働させるためには電力が必要です。

今までの技術では、電力の供給のために一次電池を内蔵する、もしくは、ケーブルで電源とつなぐ必要がありました。

一次電池を内蔵すれば配線の必要はなくなりますが、消耗品のため定期的に交換しなければなりません。

しかし、エネルギーハーベスティング技術を利用すれば、電子機器自体が集めたエネルギーを二次電池(充電式電池・蓄電池)へ蓄積して発電するので、ケーブルと電源をつないだり、電池交換などのメンテナンスをしたりする必要がなくなります。

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3.ペロブスカイト太陽電池

ペロブスカイト太陽電池とは、ペロブスカイト半導体を使用した太陽電池で、今までのどの材料にもない圧倒的なスピードで変換効率が上昇しており、シリコン系電池に迫る16%を超える変換効率まで進化をしている太陽電池の一つです。

太陽電池は太陽の光エネルギーが当たると電気に変換される装置で、ソーラーパネルや太陽光パネルとも呼ばれています。

今、ほとんどのメガソーラーや住宅用モジュールで活用される結晶シリコン太陽電池は誕生から60年以上が経過しています。世界中でより高効率に、より安くと素材や製法の研究が進んでいるなかで、日本の研究開発により誕生した新しい太陽電池として注目を集めています。

ペロブスカイト太陽電池のメリットは「軽い・薄い・柔らかい」ということで、塗るタイプや薄いシート状のものもある為、建物の壁や車体の曲面など、今までに太陽光発電の設置ができなかった場所や、難しいところでも自然エネルギーでの発電が可能になります。

4.水素還元製鉄

現在、日本の製鉄所で広くおこなわれている製鉄方法は、鉄鉱石やコークス(石炭)を「高炉」とよばれる炉に投入し、炉の中で鉄鉱石から鉄だけを取り出す(還元)と同時に、鉄鉱石を溶かす(溶解)工程を一貫でおこなう「高炉法」です。

コークス(石炭)を使って鉄鉱石を還元するので、CO2が発生します。しかし、「水素還元製鉄」技術は、コークスのかわりに水素を使って還元するため、CO2の発生を削減することが可能です。この技術は世界的にもまだ確立されていませんが、日本では世界に先駆けて、2008年から「水素活用還元プロセス技術(COURSE50)」というプロジェクトを開始しています。

現在進行中の「COURSE50」では、2030年までのなるべく早い段階で水素還元技術を確立し、2030年には商用第1号機を稼働することを目標としています。また、高炉を用いた「カーボンリサイクル」などの技術については、それぞれの要素技術を開発し、実験を重ねたうえで、日本では2040年代半ばごろの社会実装を目指しています。

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