ニセコクラシック 年代別28位 3:57:56 top+6′18



2度目のニセコクラシック参戦。

前回はFTP4.5倍くらいで挑んで、パノラマラインを集団で超えられるかがポイントだった。結果的にはギリギリ超えるも、116km地点からスタートする3段坂の1段目「新見の登り」で力無く千切れてしまい、残り30kmをほぼ1人でTT。
フィジカル不足はもちろんのこと、集団内での位置取りや下りのテクニック、補給やカーボローディングといったレース外の部分でも学ぶことが多かった。これらの反省を生かして臨んだ2回目、目標は新見の登りで千切れずに最後まで集団にしがみつくこと。その為に必要なのは、116km走ってから10分5.2倍、入りの5分は5.4倍程度だと想定し、ベースを向上させること、Zwiftの有名なワークアウトGorbyを5.5倍で揃えること、実走ロングで弥彦(25〜29分程度の登り)を5倍→4.8倍程度で揃えることがマイルストーンと考えて取り組んできた。

前段が長くなったけど、以下から本編スタート。

今年も天候に恵まれて羊蹄山が美しく映える



機材
フレーム:Emonda SLR
コンポ:R9270一式
ホイール:R9270 C50
タイヤ:アジリストTLR 前4.2 後4.5bar、シーラントはカフェラテックス30mlずつ
車重:7.0kgあるかないか

その他
体重:出発日の朝58.0kg、レース後水をがぶ飲みして、温泉に入る際に体重計に乗ったら57.4kg
補給:果糖、CCD、パラチノースを1:1:1でブレンドした自作ジェルにBCAAで味付けし、250mlフラスコに入れたものを1つ。カロリー総量は900kcalくらいで、実際に摂ったのは7割くらい
カーボローディング:前々日は緊張から食事量が減ってしまったので、前日はカーボローディングを意識。朝ごはんにオートミール60gとハチミツ20g、移動中におにぎり2個、昼飯は牛丼大盛り、夕飯はパスタ300gくらい。当日朝ごはんは現地調達のナッツ入りオートミールと低脂肪乳とバナナ。
ウォーターローディング:ニセコは朝寒いのでトイレが近くなると考え、無し

スタート〜パノラマライン

age19-34カテゴリなので、前に上がる労力が少ない。でもコーナー毎に落車や落車未遂があって中々落ち着かず。スタート後の登り→長い下りは、曲がるコツを掴んできたのもあって余裕あり。ただ、曲がれるからとインをついて走ったコーナーに砂が浮いていて前輪が滑る。転倒する前にグリップが復帰したため、何とか立て直し成功。28Cじゃなかったらヤバかったかも。
パノラマラインは本当に余裕があって、周囲にゼイハアしながら登ってる人が多い中で口を閉じて登れるほど。あまりにも余裕があったので、九十九折りの部分で休むダンシングしながら番手を上げたりできた。特に苦労する事無く頂上まで。

4.2倍くらい



登坂中に併走したタイミングでまつけん社長にご挨拶。冬の名物企画のお陰で、ニセコで走り切れるフィジカルを得られた事に感謝を伝えると『頑張ってましたもんね。また一緒にバチバチやりましょう』と。ぜひお願いします!と応える。

KOMポイントを過ぎた辺りで、バンさんから『KOMを取ったかも知れない』と伝えられる。「おっ、じゃあ残り引いて下さい!」などと冗談を言いながら下りへ。

パノラマライン下り〜新見の登り

ここまではボトル1本のうち9割ほどを消費。少し暑かったのか、そもそも水分摂取量が足りなかったのか、頭が少し痛くなってきたので補給所は水を1本取る。中身が半分も入っていないボトルで、チビチビ飲んで行こうと決意。

そしてすぐさまトイレタイム。みんな止まっていたので、これなら先行されても追いつけるだろうと思い自分も念のため用を足しておく。結果的には特に不要だったかも。


再度集団が1つになり進む。海に出るまでは向かい風〜横風が強く、集団内で上手に休むためにちょこちょこ移動。
この平坦巡航中、アダッチーさんが隣に来た時に「膝ガチャ、当たりを引いてしまったみたい」と伝えられる。JPTもあるのでご無理なさらず、と交わす。

途中、2分程の登りセクションで強烈に強度が上がる。これは油断すると中切れするやつだ!と思い一気に前へ。ここまでゆっくりだったのもあって人数が多く、後ろ何十人かは千切れていたと思う。

2分6.4倍


一呼吸ついて新見の登りに備える。前方で逃げが出ていて差は2分と集団内で話題になっていたが、自分の実力ではブリッジなんて夢のまた夢なので気にせず集団で行く。
こまめにジェルを摂り、呼吸を整える。
そして見えてくる、おれのニセコクラシック2022 day365スタート地点。エネルギーもフィジカルも準備してきた、あとは発揮するだけ。

新見の登り

先頭がカチ上げて、入りからとんでもない強度で進む。パワーは表示してないので分からないが、とてもじゃないけどゴールまで保たない。これはダメだ、後ろの集団に着こう、と考える。ジリジリ離れていく先頭集団は30人居るかどうか。

去年も同じところで千切れたな。何も成長していないな。練習頑張ったのにな。アマチュアトップなんて凡人には届かない世界なんだな。自分と何が違うんだろう。


いや、ここで諦めてグルペットで完走して笑顔で帰れるか。メダルを獲れたとして誇れるか。ターゲットをこの登りに絞って8箇月取り組んだ自分に嘘をつくのか。

チャレンジしなければ成長なんてない!と思った瞬間、もうここで終わっていいからと限界で回していた。まだ視界に集団は見える、頼む緩んでくれ、緩勾配で踏まないでくれと念仏唱えていたらブリッジに成功。弊チーム田崎さんのウェアとヘルメットが見える、いや、もう何も考えられなくてオレンジ色しか認識できないだけだったのかも。

後でログを見返したら、この区間で4分ちょい6倍。

やはり限界まで出し切ってた

ブリッジに成功して自分の中でファンファーレが鳴る。先頭集団でゴールする権利を掴み取ったぞ!と。
しかし、緩んではいるものの相変わらずキツい。早く下りが来てくれ頼むと唱えていたら、いつの間にか脚が止まっていたようで頂上15秒ほど手前で千切れていた。呆然としているとGarminのclimb pro機能の登り終わりを知らせるブザー。
ああ、もう少し集団に残って夢の続きを見たかった。

2段目〜ゴール

新見の登りが終わって右折してからしばらくして、RX高岡さん含め4人の集団に追い付かれる。脚は死んでいたが下りで単独は嫌なので、気合いで下り開始まで付いていく。
ただ高岡さんは回していこうという感じではなくて、独走する高岡さんに3名+自分が着いていく感じ。
下りのコーナリングは後ろから見てて本当に勉強になった。いつも一緒に走っているバンさん、アダッチーさんの下りも人間業じゃないと思っていたけど、高岡さんのはもう1段階上を行くバイクコントロール。走行ラインのRが丸くない。クックックと直線的に曲がって行く。グリップする度にバイクが加速してる。どういう原理なんだ。

下りが終わっても自分の脚は死んでいて、2段目の登り中程でドロップ。パワー表示してみたらダンシングで4.5倍も出てないぞ。
今度こそ下りは単独か、嫌だなあと思っていたら後ろから20人程の集団が近づくのが見える。速度差的に登りじゃ遅れそうなので、踏ん張って先に登り切り、下り始めで合流し後ろで休ませてもらう。
この集団にバンさんが居て良い感じにコントロールしていたもよう。まさかパノラマラインで言っていた冗談が現実になるとは。

この集団にしがみついてニセコのメインストリートまでご一緒。残り1km看板からみんなが掛けて行くけど、自分はもう搾りかすほども残ってないので見送ることしかできず。とりあえず脚が完全に攣らない強度で最後のヒラフ坂を駆け上がり、ゴール。

ゴール後と反省点

とにかく喉が渇いていたので水をガブ飲み。シモジマンさんと記念撮影。田崎さんとバンさんの表彰式撮影。アダッチーさんの捜索。

目標は達成できたかと言われると、何とも言えない。優でもなければ不可でもない。
でもチャレンジして良かった。また来年、先頭に残るために必要なものを肌で感じ取れた。

唯一あるとすれば、補給について。
カフェインはいつもレース前に200mg摂るだけだったけど、長丁場のレースは勝負どころにとっておいた方が良さそう。次回はカフェイン控えめでスタートして、110km地点くらいでカフェイン投入するなどしたい。
あとはジェル。練習の時は少しお腹が緩くなる程度なんだけど、レースになると終わった後に毎回盛大に下す。これって上手く吸収できてないのでは?という気がするので、お腹が緩くならない補給を見つけていきたい。

1年後、おれのニセコクラシック2023 day365は新見の登り頂上がスタート地点。
自分のチャレンジが通用するのか、今から楽しみでしょうがない。


ここらで少し休息期間。1週間は完全オフ、もう1週間はZ2強度のみで。
今後のレースは7月に石川ロード、8月は間瀬耐久?、9月はツールドふくしまかな。

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