ブラックコーヒーが飲めるようになった理由 (詩)
あの夜のこと。
雑踏。終電後。賑やかな街。
私を見つめる瞳。
ブラックコーヒー、ふたつ。
沈黙と、喧騒。
冷めていく、カップ。
苦くて、飲めなかった。
最後の夜明け。
もう、通うことのない道。
同じ店の同じ席。
ブラックコーヒー、ひとつ。
苦くなかった。
もう、苦くなんか、なかった。
想い。言葉。視線。未来。朝陽。煙草。
その全てが苦かった。
あの朝以降。
砂糖を入れる理由が消えた。
読んでくださるだけで嬉しいので何も求めておりません( ˘ᵕ˘ )