七菜乃個展「裸ノ神殿」

西麻布の交差点にほど近い六本木通り沿いのギャラリー、清アートスペースへ。
通り面してガラス張り、中も見えるので入りやすい。

キャビネから六つ切りくらいのプリントを、額のなかで宙に浮くような感じで止めてある。
夢の中のような、幻を見ているような雰囲気が、額装にも通底している。

被写体の女性(女性の躰を持つ人)は、プロのモデルを集めたらこうは行かないであろう、様々な体型。
華奢だったりふくよかだったり、それぞれに美しい裸体を組み立てるような画面構成。
質も量も贅沢。 温かく、湿り気を帯びた色調。

真珠が連なった数珠状のものが絡むように掛け回されるように。
この真珠が、霞の掛かったような画面の中で仄かに輝きを添える。

唇に指を当てるような写真、私は唇を摘まんでいるのかと思ったが、「餌をあげている」と言うことだそうだ。
この一枚だけ、珍しく被写体に感情の揺らぎが見られる。

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