受け継がれるもの

私がAKB48劇場に通いつめていたのも一と昔前の話となった。
行けば入れた、並べば何とかなったうちは頑張り様もあったが、メールを送って当落が決まるようになると、その日見たいものに足を運びたい性分の私にとっては魅力の薄いものになってしまった。

私は舞台の真ん中で輝く人より、その舞台を下支えする人・まとめる人の仕事を見るのが好きだったのだけれど、それを体現していたのが戸島花だった。

昨晩、私がAKB48劇場での初演に立ち会った最後のメンバーであろう北原里英が、劇場での最後の公演を終えた。
「地方組&5期生公演」という事で、北原を中心に5期の研究生の生き残りと一部OG、その少し下の世代の地方から来た連中が花を添えた。

戸島花は小林香菜と一緒に観に行っていたようだ(水と油だった戸島と小林が馴染んで行く話も面白いのだが、それはまた別の機会に)。
その後どうなったか解らなかった、戸島の遺した遺産は、解り難いながらも綿々と受け継がれていたようだ。

仕事の大半が握手会と言うメンバーの方が多いような昨今、劇場公演が閑却されてしまっているように感じられるし、それは矢張り事実だと思うのだけれど、根っこはまだ死んでいない。

戸島が北原の最終公演に立会い、そこに「あるべきもの」が未だ有ったことを伝えてくれた。

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