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FUJIFILM SQUARE 企画写真展 銀塩写真表現の深淵を探求し続ける写真家たち その原点と今 ゼラチンシルバーセッション

ゼラチンシルバーセッション
「藤井 保 広川泰士 平間 至 瀧本幹也」―すべてはここからはじまった―

ゼラチンシルバーセッション創始者四人の作品を壁四面に展示。
中央の四角柱には、それぞれのネガ(もしくはポジ)を互いにプリントしたものが。

先達から「ネガは楽譜、プリントは演奏。」と教わったが、良いネガは如何様にも解釈出来る。

瀧本幹也のネガ(もしくはポジ)からプリントされたものにはあまり差が出ていなかったが、それ以外の四人のネガ(もしくはポジ)からプリントされたものには顕著な差が出ており、作風としては一貫。
この試みは面白かったし、フイルムからプリントすると言う技法の良さを分かりやすく表しても居た。

壁四面に展示されたそれぞれの作品群より、私はこの「焼き較べ」が印象に残った。

「FUJIFILM ACROS × 39 Photographers」

39人の写真家が、ネオパン100アクロスの35mmもしくはブローニーのフィルムで撮り下ろした写真。

入り口(出口)には

富士フイルムは、ネオパン100ACROSの製造を終了致しましたが、
現在、新しい黒白フィルムの商品化を検討しています。

と告知。
実現して欲しい。

私はネオパンSSの20枚撮りでモノクローム現像・プリントを始めたのだけれど、きちんと定着しないとベース面が赤くなる特性と、シャープで無かったりコントラストが低かったりするとそれだけで酷評されるような当時の風潮が厭で、フジフイルム製品からは離れてしまい、ほぼ食わず嫌いで遠ざけて来たのだけれど、(当たり前だが)きちんと処理されたフジのフィルムや印画紙は質の高いプリントを生み出しており、なんとなく居心地が悪い。

印象に残ったのは

菅原一剛「妙法桜」
勝倉峻太「バスの中からしか見られない桜」
中藤毅彦「Atmosphere」

あまり決定的ではない瞬間の、肩の凝らない写真。
そうしたものが気軽に(金銭的にも、入手の容易さにしても)フィルムで撮れる世の中が続きますように。
(2019.05.02)


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