伊藤万理華写真集 エトランゼ

乃木坂46から離れた伊藤万理華の初めての写真集。
先ず、奥付を確認。 撮影は大江麻貴、スタイリストとして伊藤万理華の名があるのに驚き、納得。
アートディレクターが平原史朗なので、写真集としての「まとまり」については保険が付いている。

売らなければならないので露出度の高い衣装もあるのだけれど、高温多湿の香港ロケと言うことも有ってある程度の必然性は担保されており、平原史朗の繋ぎが上手いので唐突さは無く、物語の中に上手く組み込まれている。

伊藤万理華のやろうとする事を周りの大人が汲み取り、寄って集って手助けして出来ているので、どこをどう切っても伊藤万理華。
背伸びをした部分と年相応・等身大な部分、どちらも現在の伊藤万理華に内包されているもの。 それが状況によりどちらかに振れて立ち現れる。

大江麻貴の切り取り方がまた良い。 期待値が低かったので財布と相談して後回しにしたのだけれど、思いの外見ごたえが合った。
これまで見た大江麻貴の写真の中では出色。

目が潤み、涙が溢れ、その涙が乾いてゆくさまが明示されて写真集は終わる。 虹が掛かったような、湿り気は帯びつつも爽やかな読後感。

アイドルに寄せすぎると伊藤万理華の遣りたい事からは離れてしまうが、美術に寄せてしまうと売り難い。
難しいところでバランスを取っているが、着地点としては上々。

苦言を一とつ。
お仕舞いの方にインタビューが゜2ページ挟まるのだけれど、A4変形版の見開きで5段組。 文字が細かい上に聞き手と語り手の文の境目が解りにくい。
限られた紙幅の中に量を押し込まなければならなかったのは分かるが、読みやすくしようとした形跡が皆無。
苦労しつつ通読したが、聞き手の自分語りが多く、思い入れ補正と言うか誘導と言うか、読むに堪えない。
聞きたい答えを引き出すためのインタビューなんざ、犬にでも食わせるべき。
クレジットを確認したら担当ライターが篠本634で「またお前か」と落胆。
伊藤万理華の遣りたかった事を具現化したのがこの写真集であった訳だが、画竜点睛を欠いた感。

伊藤万理華が何をしようとしたかは写真を見ることで想像し、このインタビュー的な何かは読み飛ばすことをお薦めする。

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。