きゃわふるTORNADO 2nd Anniversary ONE-MAN LIVE T-04 〜超・強炭酸 ROCK GO!〜

きゃわふるTORNADO、2周年のワンマンライブである。
開場は渋谷の o-west 周年ワンマンは、ここでは無理になるまではここでやりたいと、何時だったか石川が語っていた。

ライブポケットの前売り電子チケットからの入場、その後でライブなどでの手売りと当日券。
入場にはそれなりの時間がかかり、整理番号が大きい向きで、後ろでも構わない人はあらかた入場が終わってから会場にやってくる。
何らかの原因での遅延を想定して保険を掛けていたのか、開場から開演までに1時間取られていたこともあり、開演間際までじわじわと埋まって行く。

17:58に影アナで注意事項、ほぼ定時に開演。
We Will Rock Youの歌詞をもじった煽りMVから出囃子に繋がり、一曲目へ。
このあたりの動画の出来と扱いは相変わらず上手い。

ヘアアレンジも「動きやすさ」と「見栄え」の両面で考えられたもの。
石川は例の「外れない魔法の掛かった帽子」、杏斉は頭頂部でお団子、神咲はいつものツインテール、別所は振り乱して絵になる形、道地はサイドを編み込みに、宮瀬は長かった髪をバッサリ切ってロングボブ、これを軽く内巻きに。
それぞれよく似合っていた。

歌って踊っての部分は全く危なげなく、考えなくても躰が動くくらいには振り付けが染み込んでおり、多少オカズを入れて遊んでも本人も戻ってこられるし、周りも狼狽えない。
楽しさを形にして伝える余力を持った上で、必要なこともやりこなしている。
この「遊べる余裕」が、道地の的確な動きには軽さとなって、神咲の振る舞いには華やかさとなって、杏斉の可憐な歌声には力強さとなって乗っている。
別所の表情には柔らかさと強さ、石川の歌にはより情緒が、宮瀬には分かりやすさの奥に仕掛けられた或る種の罠として。
それぞれがそれぞれに魅力を増している。

客を楽しませることが出来ているから、煽りも上滑りしない。
演者の都合だけで煽られても却って興醒めするばかりなのであるが、客の方で十分楽しめていれば、煽りは煽りとして効いてくる。 良い循環。

中盤のソロコーナーは、「メンバーを20人に増員するオーディションを行う」と言う分かりやすい茶番の形式で。
客の中には「そう言うシステムの破綻は目の当たりにしただろう」とか「どんなプラットフォームだ」とか「何IPだ」とか「黒幕は何処の社会学者だ」「もう「僕」は信じられない」など、何か暗い記憶が蘇り、頭を抱える者もちらほら。
オーディションとか増員とか、そう言うものを真に迫った形で余興にされても困るのであるが、あからさまに「茶番」だったので安心して楽しめた。

一人ずつ登場して一芸審査。

杏斉ゆかはギター一本をバックに「好きになってよかった」
石川野乃花は和装で雪駄タップを交えた舞踊
宮瀬しおりはピアノで「星空ディスティネーション」
別所佳恋は和太鼓と光る棒を振り回す暗黒舞踏のようなもの。
道地文子はオリジナル楽曲のHIPHOP
神咲くるみはギブソンのフライングV的な形のギターで某重音部的なアレコレ。

宮瀬しおりは最晩年のホロヴィッツのような危うさを見せつつも、何とか弾き切っていた。
これまで見た中で一番胃に来る展開であったが、「やり切った」ところは評価したい。
それ以外の5人は得意分野と言うこともあり、きっちり見せ場を作っていた。

着替えの間の間繋ぎに今後の展開を知らせる映像。
4月3日にユニバーサルの流通で tokyo trico のレーベルからメジャーデビューとの報。
これに合わせてリリースイベントツアー。 今回は「メンバーの地元も」との事であったが、鹿児島はどうなるのだろうと言う客席のざわめき。

後半は新衣装で新曲。 統一したコンセプトでありつつ、細部の意匠が異なる、グループアイドル王道の衣装。
今回も良く出来ている。
その後は聴かせる曲で畳み掛けて本編終了。

暗転したところにスクリーンが降りてきて、メンバーの挨拶からの煽り。
以前の出囃子であったエルガーの「威風堂々」をヴォカリーズで口ずさませてアンコールへ。

アンコールの発議を巡る客同士の腹の探り合い、鞘当て、鍔迫り合いほど不毛なものはないので、無駄に客に主導権を与えない上手い導入だったと思う。
これも含めて、間繋ぎを間繋ぎと感じさせず、そこも含めてのエンタテインメントに仕上げてくるところが面憎い。 貶す所がない。

最後に一人ひとり二周年に当たっての所感など。
きちんと自分の言葉を紡いで語れるところにも進歩見る。

「この5人をまとめるのが大変なことはわかってほしい」とボヤく神咲が楽しい。

どこに出しても、その場の客をきっちり魅了してくれる地力は見せてもらったので、あとは「見つかる」だけだと思う。
その「見つかる」の切っ掛けが何処に落ちているか分からない歯痒さはあるが、送り手も仕掛けはして来ているようなので、楽しみに見守りたい。
良いライブだった。


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