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RAY001 the beginning of the dream

昔馴染みが RAY と言うグループで心機一転新しいことを始めるとのことで、渋谷チェルシーホテルへ。
お披露目ということで木戸銭無しのワンドリンク。

11時から整理券配布とのことであったが、10時半過ぎに現地に着いたら既に長蛇の列。
坂の下の信号の先まで伸びていた。
11時をとうに過ぎて漸く配布開始、200枚捌けたところで締め切った由。

手が足りていないのだと思うが、このあたりライブハウス側に丸投げなのが気になった。

開場と開演はほぼ定刻通り。
演出上の意図なのか照明は暗め。
マイク音量が低く、オケが大きい。 歌を聴かせることに重きを置いていないのか、リハーサルをやっていないのか、兎に角バランスが悪い。
ハウリングは多かったが後は引かず、これはミキサーの責任ではなく、演者のマイクの持ち方の問題だったと思われる。
ワイヤレスマイクが発するノイズがブチブチと。 こちらはメンテナンスの問題であろう。

曲はオリジナルと借り物と半々。
初めのうちは未知の曲だったからか静かだった客が、中盤から既知の曲が混じり始めると俄に活気付く。
音楽として新しい試みをしても、客の振る舞いは旧態依然としたもので、淫祠邪教の呪文めいたものをダミ声で叫べば盛り上がると思っている短絡的思考に頭を抱える。
既知のものを既知のやり方でしか楽しめない。 能動的なようで受動的。
音圧の波に揺蕩っているだけ心地よいところを、野郎の胴間声に妨げられる不愉快。

前述の通りマイク音量が小さい事もあり、歌詞は聞き取れない曲が多く、どんな世界を紡ごうとしているのかは未だ良く分からない。
これは音源が出れば解決されるであろう。

内山 結愛(うちやま ゆあ)

舞台の上の振る舞いがプロとして出来上がっている月日、甲斐莉乃と比べると擦れていない、生成りな感じが良い。
至らないところが有る訳ではなく、枝葉を追わずに幹だけで押し切る感じ。

甲斐 莉乃(かい まりの)

見る者を翻弄する術に長けており、気付いた時には罠に落ちいている。
エアポケットのような負圧に、ぐいと引き込まれる。

白川 さやか(しらかわ さやか)

アイドルとして舞台に立つのは今日で二回目。
ダンスは苦手とのことであったが、破綻なく務め仰せてはいた。
ソロコーナーでは、何故か鰹節を削る。
金属が何かを削る擦過音が響く中、訥々と自分語り。

月日(つきひ)

ジャーニーマンである。 これで幾つ目のユニットに成るのか。
生々流転、呼び名も変わり変わって「月日」となり、馴染みの二つ名も封印された。
危うさすら感じるリミッターの切れた激しさと、すーっと動いてピタリと止まるたおやかさが同居。

物販システムは濱野メソッドを踏襲しつつ、運用までは学んでおらず、上手く回せていない。
列の形成と管理については客の善意に寄り掛かって放置。
人気の濃淡に合わせた弾力的運用や、現場での精神面でのケアも出来ていないのはよろしく無い。

曲は悪くない。
演者は魅力的。
送り手には少々難あり。
ともあれ、裏は返そうと思う。

どんな面白い仕掛け、企みが有っても、集客力が無いと回らない。
無料とは言えドリンク代の六百円は払おうという客が二百人から集まったというのは、上々の滑り出しであろう。
(ビタ一文払う気の無い素見客と、ドリンク代だけでも払う客の間には、暗くて深い川がある。)
先々どうなって行くか、送り手のお手並み拝見。

(2019.05.01 )

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