山野宏写真展「遊色・ゆうしょく」トーキョー・チャイカ15

東武東上線大山駅から歩いてすぐのところにある、UP40GALLERY。

街の写真好きの憩いの場と言う感じの、プリントショップのギャラリーで開かれている写真展。
入りやすい雰囲気の会場に大伸ばししたバライタのモノクロームプリントがズラリ。

黒が綺麗に締まっているのに感心した。 デジタルのプリントが進歩したとは言え、バライタの銀塩プリントでしか出せない「漆黒」はある。

相手にぶつかって行って撮るタイプのストリートスナップでは、対象がどれだけ「撮れているか」が問題であって、ピントについては大体で良いと思うが、黒より黒い黒を追い求める余り、人物の肌の質感描写が詰めきれていないのは気になった。
生まれ持って褐色の肌、生まれ持って白い肌はさておき、黄色人種のどっちつかずの色には工夫の余地が有る。

中藤毅彦・元田敬三ゼミのOB・OGの写真は機会が有れば見に行くことにしているが、それぞれの写真を見つけつつ有り、山野宏の写真も「詰め」だけが気になるくらいには、突き詰められつつ有る。

UP40GALLERYは写真集や写真雑誌もふんだんに置かれており、街のプリントショップとしては羨ましい環境。
プリントまでしてこそ「写真」なのだなぁ、と、忘れていた何かを思い出させて貰った。


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