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機内と空港内

 羽田空港からフランクフルト国際空港までの道のりが印象深かったのでそれについて書く。

 羽田からの出発時刻がかなり朝早かったため空港で夜を明かした。離陸とともに眠りにつき、目を覚ますと「よく眠れた?何かあったら何でも言ってね」という主旨のメッセージの書かれたふせんが残されていた。隣の座席の人はドリンクを飲んでいたので、それが提供されたタイミングで貼られたものだろう。

 仁川国際空港での乗継でよかったと思った。というのは主要な表示のほとんどは日本語が併記されており、空港のスタッフは日本語が堪能であった。航空券をとるときは経由地などどこでもよいと思っていたが、結果的に初めてひとりで飛行機に乗る不安がかなり和らいだと思う。保安検査の手荷物を乗せるトレーの絵を見て財布の中のコインまでトレーにあけるものだと思い、実際にそうしたら係の人は「(そこまでしなくても)大丈夫!」と声をかけてくれた。私だけやたらともたついて時間をとらせてしまった。

 搭乗ゲートや免税店の並ぶエリアで、ウォンを全然持っていないことに気づいたので両替してもらった。乗換までに何も口にしないのはさすがに無理だと思った。1,000円を渡すと9,400ウォン返ってきた。小さな箱のサンドイッチとミネラルウォーターを買った。緊張していたのですぐにお腹がいっぱいになった。また、本を読むと眠くなったので、免税店を遠くから冷やかしながらあたりをうろうろして時間をつぶした。

 仁川からフランクフルトまでの便ではドイツ語の放送があったが、それが全然聞き取れなくてさっそくへこんだ。私は3列シートの通路側に座っていた。真ん中の席はキャンセルになったそうで隣の座席が空いていたので、気分的にも身体的にも楽だった。なにせフライトは10時間以上である。とにかく寝続けた気がしているが3度の機内食の時間にはしっかりと起きていた。それに眠れない時間帯には前の座席の背面にあったタブレットをいじっていた。面白かったのは外国語講座で、視聴者には韓国語ネイティブが想定された番組だった。日本語講座はなんとなくわかった。「~ください」と「~お願いします」は似ているが「渋谷ください」は変だ、みたいなことが説明された。講師が滋賀にゆかりがあるのか滋賀と書かれたTシャツを着ていた。中国語講座は全然理解できなかった。韓国語も中国語もわからないからだ。せっかく隣の国なのに。以前Tandemでやりとりしたドイツ語ネイティブがみんな英語も堪能だったのを見て、私も隣の国の言葉に関心をもった方がいいのかなと思い始めていた。機内食のプルコギを最初そのままサラダと肉丼として食べていたが、周囲を見て葉で肉を包むものだと気づいた。プルコギはとてもおいしかった。キムチはすっきりとした辛さと酸味があった。私の前の席に日本語で会話をするふたり組がいて、終始日本語が聞こえてきていたのでなんとなく安心感があった。そのふたりは入国審査や荷物受取のときにも見かけた。入国審査では特に何も訊かれず拍子抜けした。

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