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「ツーサム秘密大全」展示記録&秘密の裏話【前編】

展示概要

2021年11月6日〜11月30日までオンライン雙峰祭・芸術祭に企画名「ツーサム秘密大全」として、特設サイトの公開を行いました!
今でもアーカイブとしてサイトを公開中ですので、まだ見ていない方は是非。

二年前にも文化祭で展示をしていました。

しかし、前回とは大きく異なる点があります。そう、今回はオンライン開催なのです。
展示の内容を紹介しようにも、サイトを見てもらえればOKということになってしまう。

そんなわけで、展示内容(サイト)を、ツーサムの二人の裏話トークを交えて紹介という形を取ることにしました!

初公開の情報も盛りだくさん!
特設サイトを開きながら、楽しんでくださいね。


トップページ

カーソルを合わせると「秘密を覗く?」「ページをめくる」という文字が

ルーン(以下R):「大全」というのは本を扱うときに使う単語なので、本の表紙風のレイアウトになってます。

Mh(以下M):MV(メインビジュアル)はゴットファーザーとプリキュアをMIXさせるイメージで。

R:ブラウンを基調としたシックな色合いとカムロンの内装がマフィアらしさ、大集合の華やかな感じが魔法少女(女児アニメ)要素かな。

M:描いてて、彼らのこともずいぶん描き慣れたと感じました。ポーズとか表情とか。

R:解像度上がったよね〜。


目次

R:トップページに引き続き、本を意識しているから目次・読むという表現を使っています。

秘密!の記述はルーン発案。
「秘密大全」というタイトルに合った秘密要素が欲しかったと語る。

R:個人的に、インターネットでネタバレを書くときにこの手法が使われているのがドキドキするし好きだったんです。ただ、今は少ないように思います。Mhさんは知らないんじゃない?

M:うん、そういうのは知らない。

R:スマホ側からは見にくいからか、最近はあまり見かけませんね。ネタバレ防止はスクロール(ここから先ネタバレ!の下に空白が続く)に変わってきているなと思います。

R:リエマでよくやってるサブカルチャー文化再現を今回も採用できたのはよかったです。私と同じでネットに浸ってる人は、ちょっと懐かしくなるかも……。

M:アナログ的な面白さがデジタルでできるのは、書籍をモチーフにした今回の制作に合っていると思う。

この会話から分かる通り、ツーサムの作品や展示で出てくるサブカルチャー要素は基本的にルーンの知識頼り。Mhはアニメーションを作っているが実際のアニメはほとんど見ないので、サブカルチャー(いわゆるオタク)知識は皆無に等しい。
また、小学校高学年の頃からネットサーフィンをしていたルーンに対し、Mhはアナログ人間。今でこそデジタルで作画をしているが、中学生の頃はコピックを用いてカラー漫画を描いていたこともあったとか。

オタクじゃない作画担当と、オタクのデザイン担当

プロフィール

リエマシリーズについて

M:そういえばもともとこのシリーズ、中身なかったんだった。

R:今になると、中身がない時代を知ってるファンの方が少なくなってるのかな?何回も言ってるけど、シリーズになるとは思ってなかったね。

M:私たちが一番驚いてる。

R:秘密!にも書いたけど、それらしくというのが難しいしやりがいのあって楽しいところでもありますね。

秘密結社ツーサムとは

R:リエマのアニメの制作を決めてから、作品のノリに合わせてチーム名を考えました。

M:結社で二人は少ないだろという。

R:自主制作だから、ルーンもMhもいつもより好き勝手やるぞという実験場みたいなノリもあり、楽しげな名前にしたいと思って……他の案もあったけど、秘密結社はルーンの一押しで採用。

ツーサム(twosome)は二人組という意味。
他の案にはツーサム事務局、ツーサム連盟、ツーサム協会などがあった。

M:キャッチフレーズの混ぜるな危険!は私が言い出した。

R:これいいよね〜。表では言ってないけど、カフェオレのコーヒーとミルクみたいな感じで、混ぜて2で割らないみたいな、最強な感じを目指していきたいって話もしました。解説なくてもわかると思うけどMhさんがコーヒーで私がミルクね。

まぜるな危険!な組み合わせ。得意分野や趣味嗜好の違いを活かして「リエちゃんはマフィア少女」ではマフィア成分をMh-artworks、魔法少女成分をルーンが担うことで独特な雰囲気を作り上げている。 これからも凸凹ながらうまく噛み合ってしまった化学反応を活かして二人にしか作れない作品をプロデュースしていく予定!

秘密結社ツーサム紹介文

R:化学反応とか、細かい説明は私が書いてます。テキスト関係は大体ルーンの担当です。補足だけど、化学反応っていう表現を使っているのは私が化学好きだから。特にイオン式の分野が好きで……酸とアルカリがうまく釣り合って中和して、塩が生まれる感じがすごくツーサムっぽいなと。

M:支離滅裂なものを組み合わせてるけどなんかうまくいったよね。

R:秘密!の部分はもちろん事実です。制作以外の部分でも付き合いはあって、個人的に遊んだりするたびに価値観とか色々逆だな〜と思ってます。


歴史

短編アニメ「リエちゃんはマフィア少女」

M:全ての始まり。

R:本当に、この時はダジャレ的な起承転結しか決めてませんでしたね。

M:「マフィア」と「魔法少女」という対局の印象に感じる概念を組み合わせることの興味や単純な⾔葉遊びからこのプロジェクトは始まった。​​という通り。

R:でも、じゃあなんでリエは契約したんだろう?とか、敵役の格好どうする?とかで、3分の中では出ないけど簡単な設定は決めておこうってなって掘り下げを始めました。

M:まだアーサー王伝説と結びついてもいなかったし、敵の二人に「ランス」「ガヴェ」って名前もなかった。「ランス」「ガヴェ」は別の色パターンが あって、「ガヴェ」が青だった頃もあった。

ピンのデザインも現在と違う。通称:凶悪なテツandトモ

R:アーサー王伝説について調べ出したことで、どんどん設定が決まっていったね。

M:そこからファンブックとか、アニメHPに繋がった。

R:この時はシンプルにマフィア→魔法少女への驚きが味わえたのがよかったよね。今では1話のこの設定(導入)が前提になっちゃって、驚きを味わうことなくあらすじやサイトの雰囲気でネタバレされてしまうのが少しもったいない気がする。あ、予告トレーラー不穏で好き。詐欺の極み。

M:これだけだと何が何だかわからない。

R:いまだに3分アニメ見ると、リエちゃんが変身したときに視聴者が置いてけぼりになるあの疾走感いいなと思います。

M:アニメは映画祭で上映していただいたりと色々発表の場がありました。

R:賞ももらえてびっくり。特にルーンはアニメコンペとか初めてだったので新鮮でした!


アニメHP「リエちゃんはマフィア / 魔法少女」

M:改めて見ると本編に対して情報量多過ぎじゃない?

R:本編は1話しかないです。こちらとしては、キャラ紹介とかスクショ+あらすじを載せることで出力した気になってたけど、受け取る側としては情報で殴られる感じだったのかな……。

M:この作品の設定がアーサー王伝説と結びついてから、こんなにボリュームが出ました。魔法少女やマフィアとアーサー王伝説には重なる部分が多く、混ぜたら面白いと感じました。

マフィア・魔法少女・アーサー王伝説の要素の集合からなるベン図
マフィア∩魔法少女∩アーサー王伝説の領域は意外と広い

マフィア・魔法少女・アーサー王伝説の共通点については、ART WRITING [No.15] 2021でも二人が詳しく話している。興味のある方はそちらも合わせて読んでみてはいかがだろうか。

記事名は「好き」×「好き」から生まれた世界『リエちゃんはマフィア少女』
これまでのお話一覧ページ(コミカライズ版とはタイトルが異なっている)
アニメHPはピンク色の可愛らしいデザイン

R:HPを作る際はそれっぽさを出すため、ニチアサ女児アニメのHPを参考にデザインしました。できるだけ文章も優しく子供向けの言葉に。「これまでのお話」「とりまく人々」って書くんだ!と思って真似をしました。

M:やわらかい表現になったよね。

R:少し古臭いデザインなのも、わざとです。放送していた雰囲気、「昔見てたよ〜」と言いたくなるノスタルジーを感じるものにしたくて。


「リエちゃんは魔法少女」ファンブック

R:初めてリアル媒体、冊子のコンテンツができました。コンペの時に見せたくて、三月ぐらいに届くように注文したんだっけね。

M:そう、76pもある冊子を。

R:それを二週間ぐらいで作ったというのだから、自分でも驚き!アニメHPの内容をそのまま持ってきてるだけだから労力はそんなになかったんだけど、追加情報を書いてたら、挿絵欲しくない?ってすぐMhさんが追加素材を差し出してきたのが印象に残ってる。

M:懐かしい、勢いで突っ走ってた。

当時は授業の空きコマや放課後に、ルーンはPC、MhはiPad片手に大学の共用スペースへ集まって作業していた。
素材を差し出してきたというのはそのままの意味で、隣でイラストを描き、完成するとiPadの画面を見せてくれたのだという。
作業が終わらない時は大学からルーンのアパートに移動して、お泊まり会兼作業会をしたこともあったとか。

ツーサムの作業スピードの秘密
スペシャル対談。アニメHPでも読むことができる。
ファンブックでは「それっぽい」レイアウトに。

R:ファンブックは、HPでも語りきらなかったんだな〜っていう二人の熱意が伝わりますね。エセ対談も、あらすじで入りきらなかった本編の描写を、対談形式で補足するみたいな意味合いも強かったし。

M:本物っぽく見せるための謎情報がたくさん入ってます。

R:確かに。話ごとにMhとルーンのコメントが入ってるんだけど、それは制作スタッフ目線のコメントにしてます。

5話コメント。3分アニメの時と同じく、作画や演出はMh担当という設定。
30分アニメを一人で作画しているという異常性には触れちゃダメ。
9話コメント。
ルーンがシリーズの音楽担当者……っぽいコメントをしている。
3話シナリオも掲載。

R:12話のなかで、3話と4話だけはあらすじ以上に中身が決まってて、コミカライズした時もシナリオ決めがスムーズでした。

M:漫画でそのまま使うことになるとは思いませんでした。

ファンブック本体とカバー。A4サイズ。

R:本として作るということで、仕掛けはしたくて……カバーを外すと黒表紙でマフィアの絵になってます!この辺も届いた時感動したね。


T +ギャラリー「リエちゃんはマフィア少女展」

M:このページの写真では見切れてるけど、塗り絵もありました。

R:子供向けの塗り絵っぽい絵柄とデザインになってるのでご注目!お名前と年齢が書けるんだよ!

展示会場で配布していた塗り絵。
↓データをDLしてみんなも塗ってみよう!

M:不穏な塗り絵。結構色々な人が塗ってくれました。

R:ガチで塗ってくれる人と、あたかも子供風に塗ってくれる人と……見ていて楽しかったです。

ギャラリーを部屋風の空間にし、靴を脱いで展示を見るという独特な試みをした展示。やりたいことができて二人は満足しているが、「奇抜すぎて入りにくかったかもしれない」という反省点も。
展示期間に様子を見に行くと、明らかに展示が気になっている様子だが、外から見ているだけで入ろうとしない人を何人も見たという。

M:気になってたけどあの時は勇気が出なくて入れなかった、という声を後から聞いたりね。まぁそれはコンセプト的にしょうがないかな。本当にすいませんでした。

R:本物の友達の家みたいに、展示というよりは複数人グループで見にきてる人が多かったかな〜。落書き帳に描いたり、塗り絵したりしながら部屋の展示物を見るみたいな。

M:当時見れなかった人は展示記録を見てください。

R:この展示記録、アニメHPに載せることもあって登場人物が喋っている形態にしたんだけど、これがコミカライズの前身でもありますね。彼らが喋っているところをもっと見たいし、この会話を知っているのが我々だけなのはもったいない(※)と二人で言っていました。

M:ここから暴走がさらに加速しました。

※この時点で、ほとんどの登場人物の一人称や口調はファンブックでしか知ることができなかった。(しかも当時はデータ配布なし)
展示で読んでいた人も、ファンブック内の簡素な情報だけでは彼らの会話劇を想像するのは不可能だっただろう。
しかし、この時すでに、二人の脳内ではリエマのキャラクターたちが生き生きと動いていたのだった。


前編まとめ・次回予告

以上で「ツーサム秘密大全」展示記録&秘密の裏話、【前編】終了です。

初公開の画像や情報をたくさん盛り込み、いつもは公式らしさを意識して出てこないスタッフ二人のパーソナリティーも垣間見える対談になっていると思います。

そんなわけで思った以上の大ボリュームになってしまったので、最初は一つの記事にする予定だったものを、急遽前後編に変更しました!

【後編】は、リエマシリーズの歴史・コミカライズ版「リエちゃんはマフィア少女」ページの紹介からになります。
ついにリエマの中身ができてからのお話。二人の暴走の行く末は……!?

【後編】はこちら!↓

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